淡々三国志

蜀書第六、関羽伝

劉備の事績

三国志で一番有名な人物というと

「諸葛亮《しょかつりょう》」か「関羽《かんう》」なのではないでしょうか。

いきなりマニアックな人物に触れるより

まずは有名人の関羽の列伝を読み解いて

この作品のスタンスを明確にするとともに

演義派、正史派、双方の需要に

適えるようにしようと思い至った結果です。

それでは「関羽伝」を読んでまいります。

---

関羽伝に入る前に、

関羽が仕えていた「劉備《りゅうび》」の経歴を

軽く振り返ります。

関羽たちの事績を見ていく時

劉備の行動や功績が

基準・指針となるからです。

・１６１年

劉備生まれる

・１７５年（１５歳）

遊学して慮植《ろしょく》の弟子となる

・？？？年

関羽、張飛と出会う

・１８４年（２４歳）

黄巾の乱が起こり、各地を転戦する。

・１９２年？（３２歳？）

公孫瓚《こうそんさん》のもとで手柄を立て

平原《へいげん》の相《しょう》に任命される

・１９４年（３４歳）

徐州の陶謙に身を寄せる。

陶謙死後、徐州の統治を代行する。

・１９５年（３５歳）

曹操に敗れた呂布が劉備に身を寄せる。

・１９６年（３６歳）

袁術が劉備を攻める。

呂布が劉備の留守を狙って

下邳の城を奪い取る。

劉備は呂布と和睦し、

関羽に下邳を守らせる。

・１９８年（３８歳）

呂布が劉備を攻め、

劉備は曹操を頼る。

曹操は下邳に呂布を追い込み、斬る。

・１９９年（３９歳）

徐州刺史の車冑を殺害し

小沛で独立する。

・２００年（４０歳）

曹操が劉備を破り、関羽を捕虜にする。

劉備は袁紹に身を寄せる。

・２０１年（４１歳）

曹操が汝南の劉備を攻め

劉備は荊州へ落ち延びる。

・２０７年（４７歳）

劉禅が生まれる。

諸葛亮を三顧の礼で招く。

・２０８年（４８歳）

劉表が亡くなり、

曹操が荊州に攻め入る。

劉備は夏口まで逃走し、

魯粛《ろしゅく》と会って呉と同盟を結ぶ。

周瑜《しゅうゆ》が赤壁《せきへき》で曹操を破る。

・２０９年？（４９歳？）

荊州南の四郡を平定。

・２１０年（５０歳）

孫権と会談し、荊州を借り受ける。

・２１１年（５１歳）

益州の劉璋に招かれる

・２１２年（５２歳）

劉備と劉璋の関係が悪化し

交戦状態となる。

・２１４年（５４歳）

劉璋が劉備に降伏、益州を領す。

・２１５年（５５歳）

孫権が劉備に荊州の返還を要求。

劉備が拒否したため

孫権は強硬手段に出る。

曹操が漢中に侵攻して来たため

劉備と孫権は和睦する。

・２１７年（５７歳）

張飛らを派遣し漢中を攻める。

・２１８年（５８歳）

陽平関で夏侯淵らと戦う。

・２１９年（５９歳）

夏侯淵を破り漢中王に即位。

関羽が樊城の曹仁を攻めるが

孫権に背後を衝かれて敗死。

・２２０年（６０歳）

曹操が亡くなる。

後を継いだ曹丕は漢を簒奪《さんだつ》し

魏を建国する。

・２２１年（６１歳）

皇帝に即位する。

・２２２年（６２歳）

呉に攻め入るが

夷陵で陸遜《りくそん》に大敗を喫して

白帝城へ逃げ帰る。

・２２３年（６３歳）

崩御する。

１８４年、黄巾の乱。

１９４年、徐州を領す。

１９８年、呂布の滅亡。

２００年、官渡の戦い。

２０８年、赤壁の戦い。

２１１年、益州へ。

２１４年、益州を平定。

２１９年、漢中王。

２２１年、皇帝に即位。

２２２年、夷陵の戦い。

このあたりを抑えておけば

関羽らの伝を読みやすくなります。