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魔王クエスト  作者: ぽち太郎
第1章
10/40

地図の入手は道具屋で

俺が促すと、マスターは再び説明しだした。


「大通りを北に「俺、無視!?」


キースはそれも遮る。


「……北に行くと、右手に看板が見えてくるよ」


しかし、マスターはキースをシカトして続きを言った。


ナイス、マスター。


「ええっ! 2人して!?」


「分かった。釣りはいらない」


「毎度」


俺は多めに金を置いて席を立った。

キースが付いてこようとする。


「お客さん。代金」


「あ、ちょ……待ってって!」


キースはマスターに引き止められた。


勿論、俺に待つ道理はない。


店を出て通りを北に向かう。

程無くして、道具屋の看板が見えてきた。


ドアを押して中に入る。

ドアに着いた鈴が、チリンチリンと音を立てた。


「いらっしゃいませ~」


店の奥から、女が出てきた。

笑顔だが、目が笑っていない。


「ようこそ勇者様。何をお探しで?」


「俺は勇者では無い。地図はあるか?」


「そうでしたか! 失礼しました。地図でしたらうちで取り扱っておりますよ。当店では、一般のお客様にはサービスさせて頂いております」


俺が勇者でないと知ると、女の態度が豹変した。

ニコニコと愛想がいい。


……どんだけ嫌われてるんだ、勇者は。


「どんな物をお求めで? 町の地図から世界地図までなんでもありますよ~」


「世界地図を」


「それでしたら、こちらになります」


女は一枚の羊皮紙を取り出した。


羊皮紙には中央に楕円状の大きな大陸が、その東側には幾つかの島々、南に小さめの大陸が描かれている。


「この町はどこになる?」


「ここです。中央大陸の南端、王都の西です」


女が指し示したのは大きな大陸の南端、海から少し離れた所だった。


成る程……。そして、この紋様の所が王国か。

紋様は恐らく王国の印だろう。


「ここ以外の国は?」


「主立っているのは、東の島々を治めた共和国、南の大陸にある小国が集まった連合国、それにこの大陸の北側にある帝国の3つです」


それぞれ地図を指し示しながら説明してくれた。


今いる王国が一番国土が広い。

ならばこのまま王国から攻めるか……。


考えながら地図を眺めていると、ドアの鈴がなった。


「見つけた! 置いてくなんて酷いじゃないか」


キースだ。


「いらっしゃいませ~」


女は俺の連れかと思ったのか笑顔で言った。


「こいつは勇者を目指している奴だ。俺とは何のかかわり合いもない」


「そ、そうなんですか」


その言葉を聞いた女は、キースを見る目に敵意が籠る。


「え、何で!? どういう話の流れ!?」


「何か御用でしょうか?」


そう言った女の声がさっきまでと違い、かなり低い。


「いや、連れを探しに来ただけで……」


いつの間にか連れにされている。


「お連れ様? いらっしゃらない様ですが」


「だから、そこに……」


「誰だお前」


「…………」


今のは効いた様だ。店の隅でいじけ出した。


キースは放っておいて話を続けた。


「ここからだと、王都までどのくらいかかる?」


「王都ですか? そうですね、乗り合い馬車を乗り継いで10日程でしょうか。上手く馬車が出て要れば、ですけど」


「乗り合い馬車?」


「乗られた事無いですか? 乗り合い馬車と言うのは、町と町の間を往復している馬車で、何人かと相乗りになりますが、安い運賃で乗せて貰えるんです」


乗り合い馬車か……。

この世界を観察するには丁度良いかも知れない。


「何処から出ている?」


「王都に行くなら、東門から出ている馬車に乗ると良いですよ。そこなら街道がしっかりしているから、日に3本は出てます」


「ふむ。……幾らだ?」


俺は地図を指して言った。


「こちらの地図は銀貨3枚になります。もう一枚付けると、こちらの中央大陸の地図もサービスします」


「ではそれも貰おうか。邪魔したな」


情報量として多めに銀貨5枚置くと地図を持って店を出た。


「ありがとうございました~」

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