[11] 領地でスローライフ!
ガードナーを倒した俺たちは宿をチェックアウト。露店街へ繰り出した。
「金には限りがある。百万クインを上限にB級以上の装備で固めるぞ」
「「は~い」」
俺はある程度、アイテムに詳しかった。今までの経験を活かし、B級以上の使えるアイテムを買いまくった。結果、俺たちは全員B級以上の装備が揃った。
「よし、これでもう初心者レベルからはオサラバした。それなりに戦える格好になったな」
「なんだか見違えるようですね!」
「フィラ、お前はアクセサリー類が増えたな」
「はい、おしゃれしまくりですっ」
ピアスにネックレス、指輪などなど装着している状況だ。オシリスもかなり豪勢になっていた。大人魅力マシマシだな。
その後、俺たちは『クエスト』を何度も受け、攻略、何度も受け攻略。何度も受け、攻略。何度も受け攻略した。おかげで金が減る事はなくなった。
~一週間後~
「貯金も一千万クインになった」
「凄いな、スローン。ここまで成り上がるとはな」
「オシリス、お前も随分強くなったな」
「お陰様でな。で、これからはどうするんだ?」
「う~ん、領地が欲しい所だが、俺は貴族ではないからな」
「領地? なんだ、隠居生活でもする気か?」
「それもいいかもな。俺たちは未だにクレセントムーンから狙われている身。あんなウザイ連中から身を隠す為にも、どこかで暮らす必要があるんじゃないかと思う」
最近、また勧誘も酷くなってきた。
俺の『ステータスカスタム』が偉大すぎたからだ。今現在、俺の能力を欲する人類は多く存在している。どこぞの大国の王様ですら、俺を狙っている状況になってしまった。
なので、俺はいったん表舞台から姿を消そうと考えた。
「それじゃあ、ハワードの領地でも奪うか」
「アレックスの? あいつって貴族だったのか」
「知らなかったのか? アイツはああ見えて、いいとこのお坊ちゃんだぞ」
知らなかった。
まあいい、ヤツから領地を奪うか。
――その後、俺はハワードの領地を拝借。というか、クレセントムーンの拠点だった。そこを壊滅させ、解散させた。俺にはそれくらいの能力はあったからな。
この件が帝国に知れ渡ると、俺は正式に領土を拝領した。どうやら、ハワードの悪行は相当なモノだったらしく、帝国でさえ持て余していた状況だったとか。
「よし、この広大な領地でやっていくか」
「スローンさん、いつの間にこんな土地を……」
「おう、フィラ。これからはここで暮らすぞ」
「く、暮らすんです!?」
「ああ、暮らす。畑とか農業から始めよう」
「いつの間にそんな話に!? わ、分かりましたけど~…」
「まあ、そう膨れるな。なにも冒険だけが全てじゃない。生きていくには食べ物も必要だし、家も必要だ。安定した生活を送るには、これが一番だ」
「なるほど、合理的ですね。分かりました! 付き合いますよ、スローンさん」
「ありがとう、フィラ」
ひょんな出会いではあったけど、フィラとの関係は特別だ。彼女を幸せにしたいとさえ、今は思えている。
俺たちのスローライフはこれから始まる……はずだ。




