068『どろしいのキャビン』
まりあ戦記・068
『どろしいのキャビン』 晋三
日本のアニメが好きなの!
そう言うどろしいのキャビンはアニメのフィギュアでいっぱいだ!
「おお、スゴイじゃん!」「あ、ちょ!」
フィギュアに触ろうとするナユタを反射的に止め……ようとしたらバランスを崩して陳列棚に激突!
フニュ!
「「ええ(*_*)!?」」
二人でずっこける。
フィギュアの陳列棚やタペストリーのグッズとかが滅茶苦茶になった……と思ったら、なんか、柔らかくて手ごたえが無い。
「あ、ホログラムなんだよ。壁はコルク素材だし(^^;)」
「「フェイク!?」」
「リアルのを並べたいんだけど、攻撃受けたりしたら壊れてしまうでしょ。ま、じっさい壊れたんだけどね」
「ああ、そうでしょうねえ……」
ポンジー(ポーツマス基地)はヨミの攻撃で、どこも小破とか中破の状態。基地要員のキャビンが無事であるはずもない。コルクの壁は衝撃対策なんだろう。
「そっちのヒラガってメカニックの人が、送ってくれたのよホロフィギュア。陳列棚とか他のもホログラムで……えい!」
腕時計をタッチすると、どろしいのキャビンは、デスクとベッドだけになってしまった。
「ヨミとの戦いが終わったら、自分の家に帰ってリアルのを並べるの。まぁ、これも触らない限り本物と変わらないしね」
そう言って、もう一度タッチすると、棚もフィギュアも元に戻った。
「あ……ああ!」
思い出した!
「え?」「どうした?」
「いや、マリアって、あたしの影武者が襲われて、安全のためにベースに引っ越したんだけど。その時のキャビンがフィギュアとかいっぱいのオタク部屋で……そう、技研の平賀さんて人がカスタムしてくれてて……(032:あたしの好奇心)」
「あ、そのミスターヒラガだよ! いやあ、おかげでホームシックにならずに済んでるし(^^;)」
「ええ、どんだけ鈍いんだよ」
「うるさい、それだけ任務が過酷だったのよ!」
ナユタ相手なんで咄嗟に反撃、ナユタがお返ししようと顔を寄せると同時にドアが開いて、元影武者マリアのテレジア。
「緊急出動! セントローレンス湾にヨミ出現! 急いで!」
「「了解!」」
「わたしも行く!」
先を急ぐテレジアに付いてハンガーへのラッタルを上がる。
踊り場で曲がった時、横目でテレジアが——なんか言ってたぁ( ¬_¬ )——って感じでジト目。
カカカカカカカ
気づかないふりをしてハンガー。
すでに、ウズメ02もドロシーも起動して、中原少尉はコクピットに入るところだ。
「ヨミは、サンピエール島の北をプリンスエドワード島に向かっている。会敵は、その手前の海上になるようにしろ!」
ボギー大佐が叫びながら、ウズメ02とドロシーを指さす。
了承か命令かは分からないけど、二機出撃決定!
瀕死のポンジーだけど、血の巡りは良さそうだ。
日米のウズメは、対岸のパースアイランドの脇までは海中を進み、下水処理場の脇で海面を飛び出ると、一路メイン州の海沿いをプリンスエドワード島を目指して飛んだ!
☆彡 主な登場人物
・舵 晋三 永遠の16歳 法名・釋善実
・舵 まりあ 晋三の妹 高校2年 ウズメのパイロット
・舵 晋太郎 特務旅団司令 晋三とまりあの父
・高安みなみ 特務旅団大尉
・中原光子少尉 みなみ大尉の副官
・金剛武特務少佐 ベースのコンピューターの保守を任務とする技術士官
・テレジア(元マリア)ガイノイド戦士(031から)まりあのガード(VR10201改)
・ナユタ ソメティのパイロット 第二首都高一年
・徳川曹長 みなみの世話係
・まりあの友達 釈迦堂観音(お堂さん) 矢治公男と喜田伸晃 鈴木さん 佐藤さん
・学校の先生 瀬戸内美晴(担任)
・岡田 時子 舵司令がたまに入れ替わる母の若いころの義体
・岡田 時蔵 時子の祖父
・メグリ先生(?) 晋三が小一の時の担任
・米国特務旅団 どろしい ヘンリー准将 ボギー大佐
☆彡 重要語句
・インテグレーション(integration) ウズメ02を複数パイロットの能力を統合して操縦すること
・セパレートアタック 複数パイロットが個別にコントロールして攻撃すること
・ケティちゃん ケティちゃんを依り代とする小思念体
・PONSY ポーツマスネイバルシップヤード(アメリカの特務旅団)




