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039:司令の息抜き・2


まりあ戦記・039


『司令の息抜き・2』   





 酔っぱらい⇒飲み屋のアルバイト女子⇒飲み客⇒コンビニ店員男子⇒コンビニ客の少女


 まりあが後をつけている間も四回入れ替わった。


 いずれもアクト地雷(炸薬は抜いてあるので、ただのアンドロイド)で、親父が捨てた後は、普通に初期設定の人物として行動している。


 いまの親父はコンビニ客の少女になっている。


 少女はレジ袋をプラプラさせながら公園を斜めに横断しようとしている。


――今だ!――


 まりあはダッシュすると少女を捕まえて、公園で一番大きな木の上に跳躍した。


「なにすんのよ!」


 少女は文句を言ったが、逃げようとはしなかった。どうやら、この高さから落ちればクラッシュするようだ。


「普通、こういう状況では、悲鳴をあげるわよね」


 少女はシマッタというように表情をゆがめた。


「お父さんだということは分かってんのよ」


「……どこで気づいた?」


「言えないわよ。脱走ルートが分かっちゃうから」


「まりあも賢くなったな」


「お父さんの娘だもん」


「わたしはとんだ間抜けだったな」


「お兄ちゃんの父親だもん」


「フフ、口も上手くなった」


「お父さんも脱走?」


「見逃してくれたら、今夜のことは黙っていてやるが」


「聞きたいことがあるの」


「…………」


 探るような目つきで親父は沈黙しやがる。


「質問に答えてくれたら、この木から下ろしてあげる」


「やれやれ、半年ぶりの息抜きなのになあ」


 親父は髪をかきあげた。実に様になっていて、仕草だけならヤンチャな中三くらいの少女だ。まりあには、この仕草が答えてくれるサインのように思えた。


「どうして効率の悪いレールガンなんか使わせるの?」


「特務旅団がアマテラス(日本政府のマザーコンピューター)から独立していることは知っているだろ」


「うん、だから余計に思うの。なんでまどろっこしく携帯兵器を取り換えるのか。デフォルトのパルス弾を使えば時間もかからないし犠牲も出さずにすむでしょうに」


「それがアマテラスとの交換条件なんだよ」


「交換条件?」


「師団の独立性を保証する代わりに、最先端通常兵器であるレールガンを使うという」


「それって、軍需産業との癒着?」


「これ以上は勘弁してくれ、現状では、これが最高の体制なんだ。さ、もう下ろしてくれないか」


 親父の目は――ここまでだ――という光を放っていた。


「分かった」


 ポン


 まりあは木の上から親父を突き落としやがった!


「ウォーーーー(≧◇≦)!」


 素早く飛び降りたまりあは落下してくる司令を木の下で受け止めやがった。


 ドサ


「こういう時は『キャーーーー!』って悲鳴を上げるもんよ」


「化けているのはカタチだけだ」


 親父はスタスタと公園の出口に向かう。


「最後にひとつ」


「なんだ?」


「そのアクト地雷の名前はなんていうの?」


「……時子だよ」


「な!?」


 意外な名前に言葉を失うまりあ。


 親父は駆け足で公園を抜けると姿を消してしまった。




☆彡 主な登場人物


・舵 晋三      永遠の16歳 法名・釋善実

・舵 まりあ     晋三の妹 高校2年 ウズメのパイロット

・舵司令       特務旅団司令 晋三とまりあの父

・高安みなみ     特務旅団大尉

・中原光子少尉    みなみ大尉の副官

・テレジア(元マリア)ガイノイド戦士(031から)まりあのガード(VR10201改)

・徳川曹長      みなみの世話係

・まりあの友達    釈迦堂観音(お堂さん) 矢治公男と喜田伸晃 鈴木さん 佐藤さん

・学校の先生     瀬戸内美晴(担任)

・時子        舵司令がたまに入れ替わる義体

 


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