103『総攻撃・3・何兆個ものテディーベア!』
まりあ戦記・103
『総攻撃・3・何兆個ものテディーベア!』
『セパレートモード、レールガンを対空榴弾で射撃。座標に従って10斉射。その後、レーザーで綻びを広げ、可能なところから突入。突入ポイントはブリキマンが指示する。かかれ!』
ブリキマンのテレジアから指示が飛ぶ。
ピ ピ ピ ピ ピ ピ ピ ピ ピ ピ ピ ピ ピ ピ ピ ピ ピ ピ ピ ピ
メインモニターに数十個のドットが現れる。セパレートモードは中原中尉からだ。
ドドドドドドドドドド!
本職らしく正確な射撃、同時にドロシーとブリキマンも射撃して、空の半分を覆っていたテディーベアの雲に30の炸裂。その二割ほどが突き抜けてポーツマスの空が覗き始める。
『セパレートのまま、座標に従ってレーザー射撃!』
『「ラジャー!」』
ナユタとどろしーの声が重なり、司令機のブリキマンとともに三機のウズメがテディーベアの黒雲に立ち向かっていく!
ピピピピピピピ! ピピピピピピピ!……△! ピピピピピピピ! ピピピピピピピ!……△! ピピピピピピピ! ピピピピピピピ!……△! ピピピピピピピ! ピピピピピピピ!……△! ピピピピピピピ! ピピピピピピピ!……△!
擬音でエフェクト表示すると同じなんだけど、セパレートモードなんでランダムに射手が替わって、ホトケさんの俺では感知できないくらいの微妙な違いが出てくる。その違いを敵が学習するよりも早く綻びが、ほんの少しずつなんだけど広がっていく。
『地味だけど、これしかないのよね(;'△')』
『ああ、俺たちは見てるしかないようだ』
テディ―と二人、通学鞄の中でヤキモキする。
擬音エフェクトの△は、セオドア・ルーズベルト戦とかで分かってると思うんだけど、三機のウズメ(ウズメ02 ドロシー ブリキマン)が連携して三方向から攻撃していることを現わしている。付いては離れ、離れては付いての三次元攻撃は躱しづらい。テディーベアは絶え間なく再生産されるんだけど、微妙に追いつかなくて、100回ほどの△攻撃で三割ほど削れた。
『突破口表示!』
テレジアが叫ぶと、モニターに三つの突破口が赤で表示され、それぞれのウズメが了解して青に変わった!
『突破!』
ズギューーーーーン!!!
三機のウズメにブーストがかかり、薄く残っていたテディーベアはブチ砕かれ、みんな一瞬のスパークを放って消えていった。
ズワ
弧を描きながら制動をかける。
眼下には、数億、いや数兆のテディーベアに押し包まれ、その圧力で押しつぶされそうになっているポンジーが見えた。
『バリアーの残りは、推定あと三層、時間にして三十分!』
三十分!?
クルーたちに動揺が走る。
ボワワ
テディーベアの塊から二つの瘤が現れて、みるみるうちに人の形をとったかと思うと、満身創痍のセオドア・ルーズベルトと、無傷のジョージワシントンに変わった!
『なんでーー!?』
『ムリだ……ムリだ……』
ケティの叫びに『ムリだ……』を繰り返すしかないオレだった。
☆彡 主な登場人物
・舵 晋三 永遠の16歳 法名・釋善実
・舵 まりあ 晋三の妹 高校2年 ウズメのパイロット
・舵 晋太郎 特務旅団司令 晋三とまりあの父
・高安みなみ 特務旅団少佐
・中原光子中尉 みなみ大尉の副官
・金剛武特務中佐 ベースのコンピューターの保守を任務とする技術士官
・テレジア(元マリア)ガイノイド戦士(031から)まりあのガード(VR10201改)
・ナユタ ソメティのパイロット 第二首都高一年
・徳川曹長 みなみの世話係
・まりあの友達 釈迦堂観音(お堂さん) 矢治公男と喜田伸晃 鈴木さん 佐藤さん
・学校の先生 瀬戸内美晴(担任)
・岡田 時子 舵司令がたまに入れ替わる母の若いころの義体
・岡田 時蔵 時子の祖父(080で死亡)
・ケティちゃん 晋三といっしょにしまい込まれているマスコット
・メグリ先生(?) 晋三が小一の時の担任
・米国特務旅団 どろしい ヘンリー准将 ボギー大佐




