表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
1/9

第1話 生まれ変わったら名門大名?いえ、火中の栗です

【はじめに】

この物語は、名門・藤堂家に転生した一人の男が、歴史の奔流に揉まれながらも「皆福」を目指して奮闘する、フィクションの物語です。史実をベースにしていますが、主人公のあまりの苦労や大胆な行動は、すべて筆者の妄想によるものです。どうか温かい目でお読みください。


俺の名前は◯◯


しがない40歳中盤のサラリーマンだ。

不定休の仕事に追われ、家族は妻と子供が二人。普段は日々の業務に忙殺されているが、今日は妻に無理を言って時間を確保した。


歴史好きの俺は念願だった趣味の城巡りに

出かけるためだ。


新幹線で博多まで、そこからは特急「かもめ」に揺られ、さらに開業したての西九州新幹線に乗り諫早で降りる。


今は島原鉄道の車内に揺られている。

そう、俺が目指しているのは島原城だ。


徳川幕府の時代、あの「アホな松倉重政」が凄惨な悪政を敷いたことでも知られる、あの場所だ。


早朝からの移動で溜まっていた疲れが、心地よい振動とともに全身を包み込む。俺は、車窓から眩しくきらめく有明海を眺めながら、意識をまどろみの中へと預けた。



……このとき、この眠りが俺の人生の「境界線」になるとは、夢にも思っていなかった。 


どれくらい寝ただろう…


体が熱い……。頭がぼーっとする。

朝が早かったから、寝不足か?

全身が汗でじっとりと張り付いている。


何かがおかしい。

先ほどまで、島原鉄道の座席に座って揺られていた

はずなのに、今はなぜか横になっている。


しかも、座席よりもずっと柔らかな感触だ。


遠くで、誰かの声が聞こえる。

「……これ以上、殿が目覚めなければ、大殿に知らせるべきだ……」



はい? 意味がわかりませんが……

俺はたまらなくなって、ガバっと身を起こした。


すると、隣にいた女性が息を呑んで

驚きの表情を浮かべる。


「高吉様!! お目覚めですか!?」


視界に入った光景に、思考が停止した。

周囲を見回しても、どう見てもおかしい。


鉄道の車両ではない。簡素ながらも格式を感じさせる調度品に囲まれた、古い和室だ。


「……はい、俺の名前は、タカヨシですが」


言葉を発した瞬間、自分の声の違和感に気づく。

いつもの自分よりも、どこか響きが違う。


そして、目の前の女性だ。

時代劇のような装束に身を包んだその女性を、

俺は知らない。


「誰ですか……この人?」


俺の問いかけに、女性はきょとんとした表情で、今度は涙を浮かべて「なんと……」とつぶやいた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ