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浮遊


冬休みに入っていた。


遥は、前より明るく見えた気がした。




昔のことを聞いたから、

気まずくなると思っていた。


変わっていないように見えただけかもしれない。


________________________________________




紅茶の湯気を見ていた。


なかなか口をつけなかった。



プレゼントを用意していた。


喜んでくれると思ったから。



それで、何か変わればいいとも思っていた。




地元の、小さなシルバーアクセサリーの店。


前に、遥が足を止めて見ていた小指用の指輪。



「これ、遥に」


渡すと、驚いた顔をした。


「いいの?」



「前見てたでしょ、だからさ」




少し首を傾けて、見せてきた。


「どう?似合う?」


「めっちゃ似合ってるよ」



「ありがとう」

指輪を触りながら、小さく言った。


________________________________________


店を出て、外に出る。


人が多くて、少しだけ距離が空いた。


また並んで歩いた。


________________________________________


会話を切らさないように話すことを探した。



「最近バイト順調?」


「変えようか迷ってんだよね」




「どこでやるの?」


「まだ決めてないんだ」




「近場がいいんじゃない?」

「あんま遅くまでやらない方がいいよ」




何かに焦って話していた。



「ん?大丈夫?」





「頑張るね私も」


それ以上は、何も言えなかった。


_______________________________________


過去のことは、聞けなかった。



沈黙が苦手になっていた。



だから、自分の話をした。


これからのこととか、


なんとなく考えてる未来の話とか。


________________________________________


「今度は遥のことも教えてね」


そう言うと、


遥は笑っていた。


帰る時間になっていた。


________________________________________


少し甲高い声の車掌さんだった。


いつも帰る時間は乗る人が少ない。


流れてく景色を、


ぼんやり眺めていた。


あと数日で今年も終わりだなと思った。


恋人と過ごすのは、初めてだった。


________________________________________



夜。



寝る前に携帯を手に取った。



少しだけ見て、




そのまま閉じた。








遥のことを考えた。







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