【藤の間】の宿泊人。
【葵の間】に泊っていたという2人組の次に私が話を聞くことにしたのは、私が泊っていた部屋の隣に位置する【藤の間】に泊っていたという、管上秋聖さん。
私はその管上秋聖さんに対しても、今までと同じように早速本題から話を進めることにした。
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私「あなたは犯人を見ましたか?」
秋聖「んー、どうでしょうかね?」「犯人かどうかはわからないですが、怪しい人達は見ましたよ?」
私「それは本当のことですか!?」
秋聖「まぁ、“犯人かどうかわからない”って言っても、自分は犯人だと思ってますけど・・・?」
私「それは有力な情報そうですね・・・」「ですが、先ほど人達と複数形にしましたよね?」「それは怪しい人が複数人いるということですか?」
秋聖「まぁ、複数人っていうか、2人だけっていうか・・・」
私「2人だけ?」「そうすると、先ほど私が話を聞いた女の子の2人組ですかね?」
秋聖「いやっ、そっちじゃありません」「女の子の方じゃなくて、男の方の2人組ですよ!!」
私「それはあの双子だとかいう2人組ですか?」
秋聖「そうそう、その双子の方ですよ!!」
私「そうですか・・・」「では、なぜその双子が怪しいと思うのですか?」
秋聖「そもそも怪しいと思うっていいますか、事件の部屋から双子が出てくるのを見たんですよ!!」「だから、怪しいっていうか、もはや犯人なんじゃないかと思ってて・・・」
私「あぁ、なるほど!」「そういうことでしたか・・・」「では、その双子をあなたは何時ごろ見たか覚えていますか?」
秋聖「その時は寝る準備をする前に少し気になって、宿主に「〈深夜の鐘〉って12時ちょうどに鳴るのか?」って聞きに行った時だから・・・」「大体、11時半過ぎだと思います・・・」
私「そうですか、そうですか!」「犯行時刻のど真ん中ですね!!」「これは、犯人が決まったかもしれませんね!」
秋聖「ですよね?」「やっぱり、あの双子が犯人ですよね!?」
私「まぁ、まだ断定することはできませんが、可能性は高いですね!!」
秋聖「そうですか・・・」「まだ断定できないんですか・・・」
私「一応、判断材料が少ないですので・・・」「なので、もう1つ聞いてもよろしいでしょうか?」
秋聖「えっ?どうぞ??」
私「それはですね・・・」「どんな感じで双子を見たんです?」「例えば、廊下ですれ違った相手が双子だとか、部屋から出る時にたまたま見ただとか・・・」
秋聖「あぁ、それはですね・・・」「探偵さんが言うように、部屋から出て宿主に聞きに行こうとした時に、たまたま事件の部屋から出てくる双子を見かけたって感じですよ!」
私「そうですか・・・」「では、その時、双子はあなたが自分達を見たことに気付いていましたか?」
秋聖「いや、気付いていなかったっぽいですけど??」
私「そうですか」「いやいや、いろんな情報をありがとうございました」「では、これで私からの話は終わりです」「ご協力ありがとうございました」「では、質問とかがなければ出て行っていいですよ・・・」
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さて、【藤の間】の人の話は、とりあえずこれで良いでしょう。
では次に、【梓の間】の双子の話を聞くことにしましょうか―――。