第五話
「刀?」
「そうっす、殿になったからには、刀が必要でしょ!」
流ノ介の言葉に、俺は成程っと納得する。
今はショートソードを装備してるけど、もうボロボロなんだよな。
ここらで、刀に変えるのもありかも。
「そうだね~、作ってみようかな。」
「それじゃ、早速、鍛冶屋に行きましょ!」
「え!? 今から!?」
「善は急げっすよ! 殿!」
城下町に降りると、そこは人で賑わっていた。
八百屋や魚屋、珍しいものを売っている店などがある。
活気がいいとはこの事だろう。
「お殿様! おはようございます!」
「おとのさま! おはよー!」
「おはよ~。」
街の人や子供たちが、声をかけてくる。
俺も、あいさつを返す。
「何か、広まるの早くない?」
「あぁ、あれっすね。」
流ノ介が指をさす。
そこには、たくさんの人が集まっていた。
その中心に、一人の男性が大声を出していた。
「さぁさぁ! お立会いお立会い! 今日は新しい殿さまについてだよー!」
「成程、瓦版か。」
「ありゃ、殿は瓦版をお知りで?」
「うん、授業で習ったから。」
どうやら、瓦版で俺のことが広まったらしい。
しっかし、これぐらいのことで広まるとはね~。
「さぁさぁ、もうすぐ鍛冶屋ですぜ!」
流ノ介の案内で鍛冶屋へと案内される。
そしてついた鍛冶屋『黒鉄堂』
中に入ると、むわっとした熱気が来る。
流ノ介は、人委の男性に声をかける。
「頑鉄の旦那! 来たぜー!」
「……おぉ、流ノ介か。」
頑鉄と呼ばれた男がこちらに振り返る。
片目に傷が入っており、威圧感がすごい。
「旦那、こちらが俺が言っていた殿だぜ。」
「どうも、如月誠です。」
「そうか……。」
自己紹介すると、頑鉄さんは俺の手を握ってくる。
そして、ふむ……、と顎に手を乗せる。
「まだまだだが、これからに期待だな。」
そういうと、頑鉄さんは刀打ちにもどっていった。
あれ? 刀は作ってもらえない? もしかして。
「旦那、殿に刀を作って貰えないか?」
「……剣なら腰に差しているだろう?」
頑鉄さんの言う通り、俺の腰にはショートソードを差している。
「いや、頑鉄さん、これを見てくれるか?」
俺は、ショートソードを抜いて見せる。
その見た目は、ボロボロに近かった。
刃はかけており、柄のところもボロボロになっている。
「成程な、これは修復不可能だな。」
「うん、どうにか作って貰えないか?」
「……別に構わん。」
その言葉に、よしっ! と思っていた。
「ただし、条件がある。」
「条件?」
「材料になる、玉鋼を持ってきてほしい。」
どうやら武器を注文が多すぎて、材料が無くなったらしい。
鉄や石炭などは確保できたが、玉鋼は洞窟にモンスターが住み着いて、行けないのだという。
「つまり、モンスターを倒して、玉鋼を持って来いと。」
「その通りだ、出来るか?」
その言葉には、重みがあった。
頼みたいが、危険な目に合わせたくないという思いが。
「わかった、取ってくるよ。」
「殿、俺っちも一緒に行くぜ。」
「すまんな、よろしく頼む。」
頑鉄さんは、一振りの刀を俺に渡してくれた。
「これは?」
「ボロボロの剣では危ないだろう、それを貸しといてやる。」
「ありがとうございます。」
こうして、俺と流ノ介は洞窟へと向かっていった。
洞窟
「殿、俺っちが前に出るから、後ろは頼んだ。」
「了解。」
流ノ介が前衛で、俺が後衛の陣で行くことになった。
すると――
「キキーッ!」
蝙蝠型のモンスターがたくさん襲ってきた。
「うわっ、いきなりか!」
「ここは俺っちが!」
流ノ介が前に出て、息を吸い込む。
「忍法『龍撃放射』!」
龍のブレスのような火炎放射を、口から放つ。
攻撃を受けたモンスターは、燃え散っていき、素材を落としていく。
俺は、すげーな……、と思いながら素材を袋に入れていく。
そして、どんどん奥に進んでいくと、大きなところに出た。
そこには、鉱石していたあとが残って行ったあとがある。
「ここに、玉鋼があるのかな?」
「みたいっすね、……ッ! 殿! 上!」
流ノ介が上を指すと、そこから巨大なものが降ってきた。
「あれって、ゴーレム!?」
「ごーれむ? あれの名前っすか!?」
そうか、ヒビキの国にはゴーレムはいないのか。
流ノ介もゴーレムのこと知らないみたいだし。
「とりあえず、こいつ倒そう!」
「承知!」
俺と流ノ介は走り出す。
ゴーレムは腕を振りかぶって、パンチを放ってくる。
俺は左に避けて、流ノ介は右に避ける。
避けた後には、地面がめり込んでいた。
「これでも喰らえ!」
流ノ介が爆発札を付けた苦無を投げる。
ゴーレムに突き刺さると、爆発を起こす。
少しだけだが、ダメージを与えられてようだ。
「一刀抜刀術『満月』!」
俺はゴーレムに向かって走り出し、満月のように足を斬る。
ゴーレムは足を崩し、地面に手をつく。
「忍法『帯縛り』!」
流ノ介が光の帯を、ゴーレムに向かって放つ。
光の帯は、ゴーレムを拘束する。
「殿! 今っすよ!」
「おうよ!」
俺は、ゴーレムに向かって走り出す。
「一刀居合術『白銀桜花』」
居合から刀を抜いて、ゴーレムを斬る。
刀を鞘にしまう、ゴーレムは縦に一刀両断された。
ボスクラスだったのか、沢山の素材を落としていった。
「お疲れっす、殿。」
「お疲れ、流ノ介。」
俺と流ノ介は、拳をぶつけあう。
しかし、どうしてゴーレムがここに?
俺は、素材と玉鋼を袋に入れて洞窟から出た。
そして鍛冶屋に戻り、玉鋼を渡す。
「あぉ、これぞ、玉鋼! 感謝する!」
俺は刀を返すと同時に、玉鋼を渡す。
頑鉄さんは、感謝してくれた。
「あと、これって使えます?」
俺はゴーレムが落としていった素材を取り出す。
頑鉄さんは、珍しそうに手に取る。
「見たことない素材だが、使えぬことはないな。」
「それじゃあさ、これも使ってくれないか?」
「勿論、最高の刀を作って見せよう。」
こうして、俺の刀造りが始まったのだった




