表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/21

第十九話

アリネスの侵略から数日後。


「奴隷だって!?」

「はい、手紙にはそう書いてありました。」


エルバストから手紙が来ていた。

内容は、人さらいのことらしいが……。

さらわれた人たちは、奴隷として売られてしまう、ということだった。


「穏やかじゃねぇな……。」

「もし、あの時、遅れていたらと思うと……。」


風雅と冬樹の言葉に、俺は同意するように頷く。

人さらい騒動は、全員助けることができたから、安心できるけど……。



「他には何か書いてあった?」

「はい、出来れば、調査と撲滅に協力してほしいと。」


調査はいいとして、撲滅か……。


「なら、俺たちの出番すかね?」

「そうだね、流ノ介と水無月は連れていくとして――」

「殿~、今回は私を連れて行ってください~。」


エルバストに行くメンバーを決めていると、穂香が手を挙げる。


「私も、今回ばかりは、我慢の限界です~。」


のほほんとしているが、穂香も怒っているらしい。

これで、行くメンバーは決まったな。


「とりあえず、穂香は武器を決めようか。」

「武器ですか~?」


そう、この中で唯一武器を持っていないのは、穂香だけだ。

将を決める試合でも、穂香は武器を使っていなかった。


「いざという時に、無いと困るからね。」

「わかりました~。」


こうして、出発を三日後に控え、穂香の武器を決めることにした。

とりあえず、鍛冶屋に行くことに。





「こんにちはー。」

「おぉ、殿か、よく来たな。」


鍛冶屋に入ると、お世話になった、頑鉄さんがいた。

どうやら弟子も増え、繫盛しているらしい。


「どうした? 武器の手入れか?」

「いや、穂香の武器を作ってほしくて。」

「こんにちわ~。」


頑鉄さんに、穂香を紹介する。

すると、ふむと言いながら、俺の時と同じように手を触る。


「成程な。」


それだけ言うと、店の奥に来るように言う。

そこには、沢山の武器が置いてあった。


「さて、好きなものを選ぶといい。」


それだけ言うと、頑鉄さんは仕事へと戻って行った。

穂香と俺は、武器を一つずつ見ていく。


「穂香はどういうのがいいんだ?」

「そうですね~、大きくて、振り回せるものがいいです~。」


大きくて、振り回せるもの……。

思いつくのは、風雅の斧ぐらいしか……。


「あ、これいいですね~。」


穂香が手に取ったのは、大剣だ。

確かにこれなら、大きいし振り回せる。

重そうなのに、軽々しく持っている。


「これにしましょ~。」


大剣が気に入ったのか、軽々持ちながらお会計に向かう。


「頑鉄さん、決まったよー。」

「そうか、なら、持っていくといい。」

「あれ、お会計は?」

「構わん、それで、殿を守ってやれ。」


頑鉄さーん! なんて男前!

俺達はお礼を言い、城へと戻って行った。



「戻ったよー。」

「殿、お帰りなさいませ。」


城へと戻ると、桜が出迎えてくれた。

他の皆は、訓練所にいるという。


「では~、この子を詳しく見てみましょ~。」


そういうと、穂香は訓練所へと向かっていった。


「殿、あの剣は?」

「頑鉄さんからのプレゼント。」


そんな会話をしながら、俺達も訓練所へと向かう。




「おらおら! そんなもんか!?」

「まだだべ!」


訓練所では、風雅と数間が手合わせをしている。

残りのメンバーは、それを見ていた。


「おらぁ!!」

「うわっ!?」


風雅の一振りが、数間を吹き飛ばした。

手合わせは風雅に軍配が上がった。


「風雅さ~ん、今度は私と手合わせしましょ~。」

「穂香とか、いいぜ!」


次は穂香と手合わせするようだ。

俺もも見る側に参加して、手合わせを見守る。


「手加減なしな!」

「もちろんです~!」


風雅が斧を、穂香が大剣を構える。

始め! と共に二人は鍔迫り合いをする。


「このっ……!」

「よいしょー!」


穂香が大剣を振るいあげると、風雅が吹き飛ぶ。

何とか着地すると、大剣を叩きつけてくる。


「うぉ!?」

「まだまだ~!」


あの風雅が、まさかの防戦一方だ。

桜も驚いているようだ。


何度か打ち合いがあり、二人とも息を切らしてた。

次の一手で、勝負が決まるだろう。


「なぁ、次で勝負決めようぜ?」

「いいですよ~?」


二人とも、己の武器を振り上げる。

嫌な予感がすると、冬樹が結界を張る。




「『逆風天明撃』!!」



「『両断剣・牡丹』!!」



二人の大技がぶつかり合い、衝撃波が起こる。

冬樹が結界を張ってくれたおかげで、俺達には被害はなかった。


俺達には……ね。


周りの砂利が吹き飛び、木々は倒れていた。

とてつもない大きさの衝撃があったのがわかる。



「すげぇな!! 穂香!!」

「風雅さんこそ~。」


あははは、と笑い二人だったが、とてつもなく怒っている人物がいる。


桜と柊だ。


「風雅! 貴様! 殿に何があったらどうするつもりだ!?」

「穂香、これはやりすぎですよ~?」


桜は激怒しており、柊は笑顔だが、顔が笑っていない。

この後、二人はこってり怒られたのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ