19 真夏の朝の夢~酷暑バージョン~
夏休み真っ只中というのに、手帳が白い&受信メールにはメルマガしか配信されていない、咲良です。
もしかして、みんな私の存在を忘れてしまったのだろうか。
いや、私が返信しないのが問題なのか?
だって、暑くて携帯を握りしめると手汗が止まらないんだもの。
最近朝は頭痛で目が覚める。
次に襲ってくる感覚は痺れるような喉の渇き。
身体を起こすとものすごい握力のボディービルダーに頭をわしづかみされたような痛みだ。
私はリビングまで這うようにして移動し、頭痛薬を朝食変わりに飲む。(いや、そのあとにしっかり朝食はとるが…)
今まで、夜更かしができない分、朝だけは誰よりもすがすがしく起き、ラジオ体操までやっていた私の身になにが起きたのか?
その答えは、今やテレビニュースで取りあげられぬ日はない、あの‘熱中症’だったのだ。
部屋の中でも熱中症になる場合があるというニュースを見た私は、さっそく部屋に温度計を設置した。
そして、朝、いつものように頭痛が襲ってくるのを感じ、勢い良く身体を起こし、温度計を見ると、そこにはあり得ない数値が!!!
37℃
えー!!
体温より高い!!
こりゃ頭痛もするわ!!
納得し、クーラーのスイッチを入れる私。
クーラーのきいた部屋で寝ることが嫌いな私は、暑さに負けたようで悔しかったが、死んでは元も子もない。
どんどん冷やされていく部屋の温度を感じ、再び眠りにかかる私。
…
しかし、眠れない。
ぶぉぉぉ~
というクーラーの音が気になって眠れない。
クーラーから吐き出される冷たい空気は、悪いものだと勝手に私の身体が判断し、眠ろうとしない。
くそう。俺はどうしたらいいんだ!
このまま、暑さにやられて死ぬのと、クーラーの中で眠ってだるさを抱えたまま生活するのとどちらがいいんだ!!
そんなやり取りがまだ半分寝ている脳みその中で繰り広げられる。
そして、私はクーラーを切った。
ちょっと、部屋の温度は下がったし(31℃)死ぬことはなかろう。
そう判断したのだ。
そして、安心して眠りについた。
そして、夢を見た。
私は、地元の駅からの帰り道。
歩きなれた坂道を歩いている。
時間は夜の11時くらい。
辺りには街灯もなく、暗い夜道だ。
なんの前触れもなく、私の目の前に現れたのは黒いコートに身を包む男。
なんだか嫌な予感がして、私は目線を下に落とし、目があわないようにした。
男を避けるようにして道を開ける。
しかし、男は私の目の前に立ちはだかり、爛爛とした目でこちらを見つめると、コートの中から何かを取り出し私に向ける。
こ、殺される!
次に襲ってくるであろう痛みと轟音に備え、私は目を瞑る。
しかし、予想していたものは何一つかんじられない。
おそるおそる目を開けると、そこに差し出されていたものは黒ビデオカメラであった。
この男は違う。私を殺そうとしているのではない。
レイプしようとしているんだ!そしてその映像を裏サイトに載せようとしているんだ!!
そう思い、先ほどとは違う恐怖にさいなまれる。
怖い!!
男は一歩ずつ、私に近づいてくる。
私は後ずさるものの、線路沿いのフェンスにぶつかり、逃げ場がなくなった。
その瞬間、
男は私の腕を掴み、手に持っていたビデオカメラを渡し、後ろに下がった。そして、羽織っていたコートをバっと広げ、私にこう、言い放った。
「さぁ。思う存分撮影してくれ。ポーズの注文も受け付ける」
コートの中は一糸まとわぬ姿で、割と均整のとれたボディーだった。
ビデオカメラを持ち、戸惑う私を前に、男はコートを脱ぎ棄て、更に続ける。
「ダビデ風が良いか?実は小道具も用意してある。」
なぜか、リンゴを取り出し、手を腰に当て、リンゴをかじるふりをしたかと思えば、
「もっと恥じらいのある方が良かったら、こんなのもある」
先ほど脱ぎ捨てたコートを広い、微妙に隠して「いやぁん」と身をよじるポーズをする。
その瞬間
「追剥だ!皆のもの!であえぃ!」
という声が飛んできた。
この状況でどちらが追剥かといったら、私しかありえぬ!
そう思った私はビデオカメラを持ったまま、全力疾走で逃げた。
なぜ私が逃げなければならぬのか。
わからない。
だが、逃げねばひっ捉えられる!
私は滝のような汗を垂れ流し、逃亡を続けた。
というところで目をさました。
実際、ものすごい量の寝汗をかいていた。
そして、部屋の温度は37℃にまで戻っていた。
やはり、暑さは人の脳をもおかしくさせる。
熱中症にはお気をつけください。




