表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
二日目
88/243

ep.088 ケジメ付けさしたるわ

「ここが稲美さんのお宅ですか・・・」

橘は、門構えの立派さから驚きを隠せない。

しかしながら、門は閉じられている。

「みたいですね・・・」

睦月は先程のうどん屋で何気ない会話をしながら、橘に軽い暗示を掛けておいたのだ。

『何があっても、僕が貴女を護りますから、安心して下さい』と。

効果は絶大で橘は人並みには驚いたりするものの、至って冷静な教師そのものである。

「とりあえず、チャイムとかは無いみたいなんで、声掛けてみましょう」

睦月が、そう言って微笑む。


睦月と橘が稲美家を訪れる1時間程前の事である。

稲美家の居間では、ボンこと裕一を放って逃げた岸田が彼にシバかれていた。

裕一は、正座している岸田を殴る、殴る、殴る。

「岸田!おどラ、何、逃げてケツかんネン。あー!」

礼司にヤラれた分を取り返す様に、岸田を殴り続けた。

裕一のプライドは、礼司にボコられた事でズタズタである。

《何で俺が、あんな得体の知れんガキに、どつかれなアカンねん!ムカつく。ほんで、雪江とトメは、何処行ってんネン!》

岸田にしてみれば裕一をシバきあげる事など造作ないのだが、今は立場的に出来なかった。

わざと殴られ、責任を誰かになすり付け様と必死に弁明し、

「いや、ボン。連絡入ったんです。山崎から・・・」

裕一は、更にキレる。

岸田の少ない髪の毛を掴み上げ、

「あ”ー、オンドレは、誰に言い訳してんねん!親より子分の方が大事やってゆーんか!コラっ!」

裕一は常用しているヘロインが切れかかっている事もあり、その怒り具合はハンパなかった。

岸田の顔は、どす黒く変色し、パンパンに腫れ上がっている。

裕一はすっと立ち上がると、その場を離れた。

暫くすると短刀を持ち、戻って来て、

「ケジメ付けさしたるわ、山崎呼べや」

岸田は慌てて携帯を取り出し、山崎を呼ぶ。

裕一は、岸田が電話を掛け終わったのを確認し、

「山崎は何て?」

岸田は冷や汗をかきながら、

「すぐ来るそうです」

裕一は、手に持っていた短刀を、岸田の目の前に投げ付け、

「岸田、とりあえず、お前、それで小指(エンコ)詰めーや。それで許したらぁ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ