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はねくみ☆セブン  作者: こころ龍之介
一日目
47/243

ep.047 普通の夢見る女子高生なのに・・・

直子は、麺をすする。

ストレートの細麺は、いくらでも胃に納まった。

目の前のこころは周囲の目など気にする事も無く、豪快かつ男前にラーメンを食べていく。

「こころ先輩、聞いていいですか?」

こころは、途中の麺をちゅるんと吸って、

「何ね?直子?」

「その器って、凄いですね?」

こころの横で真魚がくくっと笑って、

「凄かでしょー、この器。これは博多のね、こころの後援会の会長さんプレゼントとよ」

「後援会ですか?」

真魚は説明する。

「うん、この“博多っ娘、純情”のおっちゃんの師匠が、福岡やあちこちで“(はじめ)って博多ラーメンのお店やっとってね、福岡出身のスポーツ選手や選手の卵を応援してくれると。だから、このウチもほら」

真魚の器にも、真魚専用と書いてあった。

もっとも大きさは、普通なのだが・・・。

「で、後援会の会長が個人的にも応援してるのが、この娘ったい」

と、こころを指差す。

「ちなみに、何玉それに入るんですか?」

こころは、ニタリと笑うと、

「三玉とよ!あっ、おっちゃん替え玉!今度は二玉でよかよ。真魚も直子も替え玉せんね?」

真魚と直子は顔を見合わせ。

「する!」


替え玉を食べ終えた三人は、談笑していた。

「美味しかったです、博多ラーメン。ファンになりました。雪江もそのうち連れてきます」

真魚が首を傾げる。

「雪江?」

「あー、真魚は知らんかったね。この直子の友達ったい。聖クリの同級生の」

「あー、なるほどね。そう言えば、こころ、来月の弓道の大会出るんでしょ?顧問の奥家(おくや)先生が、首に縄付けてでも出場させるって」

「場所は、何処やったと?」

「確か、奈良の橿原神宮んトコやったと思うと」

「だったら大丈夫ったい。来週は水曜から、また全日本のバレーボールの合宿で東京とよ。その後やき」

「ホント、忙しか女の子ね」

「しょうがなか、性分とよ。ウチは普通の夢見る女子高生なのに・・・」

こころは、深くため息を()く着く。

しばらくして、真魚とこころは、顔を見合わせ、プッと笑った。

直子もつられて笑う。

《アタシも雪江とこうやって、もっともっと笑いたいなぁ・・・》

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