ep.027 ヒミツな花園学園、月刊フローレンスで好評連載中!
愛機・V-maxに跨がるとヘルメットを被り、こころは尋ねる。
「直子、今日から月曜日まで、寮に泊まるったい」
直子は驚く。
こころは諭し、
「ウチの部屋でも、ローズの部屋でも、みぃの部屋でも、どの部屋でも良かよ。その方が安全ったい」
「そんなに危険ですか?」
不安げに直子が尋ねたので、
「ウチが黒幕なら、アンタが逃げれんように、見張りば付けとくね。なぁに、もう、ウチらが居るから大丈夫ったい。後、寮は、24時間体制で理事長の警備会社のガードマンも常駐してるし」
直子は頷いた。
「はい」
「じゃあ、とりあえず、アンタの家ば行って、ご両親に月曜日の夜まで、寮に泊まるって言わんとね」
「何て説明しましょう・・・」
「バレー部の合宿で、良かよ。うん」
直子は通学している為、寮に泊まるのは初めてあった。
《あの噂って、ホントなのかなぁ・・・》
思い切って直子は聞いてみた。
「こころ先輩、質問していいですか?」
「よかよ。何ね?」
「こころ先輩、生徒会長の鷲尾先輩と恋人関係にあるってホントですか?後、隼人先輩とも関係があって、実は夜な夜な3人で、時にはあの外人のローズ先輩やエリザベス先輩とも・・・」
直子があまりに真顔で聞くので、こころのツボに入ったのか、ぶわっはっはっと笑った。
「笑わないで下さい。1年の間で、噂なんですから・・・」
「直子、それ元ネタ“月刊フローレンス”で連載されている如月エクレア先生の“ヒミツな花園学園”やろ?思いっきりGL色の強い」
直子の顔が真っ赤になる。
こころは、更に、くー、お腹痛か~と笑った。
直子は少し拗ねる。
「真剣なんですから・・」
「悪か悪か、勘忍。あれは確かに、モデルはウチらじゃねぇ。好き放題描かれとっと。直子、アンタ、知っとっと?」
「?」
「如月エクレア先生の正体?」
「誰なんです?聖クリの生徒なんですか?」
こころはニヤリと笑うと、
「ウチのクラスの美術部の如月クレアが、如月エクレア先生の正体ったい。一応、ヒミツにはなっとると、内緒ね、コレ」
「そうなんですか?」
「今夜、本人に聞いたら良かよ。直子が“ヒミツな花園学園”に出演したいって言えば、サインぐらい描いてくれるんじゃなかね?多分」
「それって、アタシもGLしちゃうんでしょうね?」
直子は、真っ赤になって照れた。
こころは意地悪に、
「後、実はもう一人、“月刊フローレンス”で描いている漫画家がいるとよ。こっちの正体は、言えんばい」
「こころ先輩、ズルい~」
「まぁ、“月刊フローレンス”ちゃんと読めば理解るとよ」
友達の為に、“月刊フローレンス”の購買者を増やす健気なこころであった・・・。




