アメーバの謎
帰還した一日は早速自身が開発していたアメーバ用武装の改良に取り掛かる。と言ってもその内容は少しの改良だけであった為、作業は瞬く間に終了し、量産体制に移行するのであった。
「これを提供しておけば、少なくとも暫くの間の時間稼ぎにはなるでしょう」
そう一日は命達に告げる。
「そうですね・・・しかし、今更な質問ですが、あのアメーバは一体何なのです?一日さんが警戒されている所を見ると何か厄介な存在なのは容易に想像できますが・・・」
そう聞くのは暗であった。
「実を言うと、僕達にもはっきりとした事は分からないんだ。でもあのアメーバはきっと僕達にとって・・・」
「いえ、場合によっては今、この世界においてですら大きな脅威となりえる可能性があるの。私達が魔王軍の兵士とは違う系統で動いているのにはあのアメーバの存在もあるのよ」
命が言葉を言いかけると、一日はそれに続くとも割り込むとも取れる様な少し焦った口調で話す。
「人の話に割り込むなんてらしくないですね。それほど厄介な存在なのですか?」
暗は尚も質問を続ける。
「ええ、場合によってはフリーチェ様にも大きく関わる可能性があるの。まだ可能性の段階で確証は持てないけどね・・・」
「その確証を得る為にこうして極秘に処理していると?」
「そういう事になるわね・・・もし仮に私の予測通りだと他の魔王軍構成員に協力を要請するにはリスクが大きいの。少なくとも今は」
暗の質問に対し、一日は少し不安と動揺が混じった声で返答する。
「さて、早い内にこれを提供しよう。幸か不幸か、あの現場には居合せた自衛隊員が居るからあの人に証言してもらえばその有用性は証明出来ると思うし」
そう言い切るのは命であった。
その日の夜のニュース、勿論トップを飾ったのは韓国の襲撃、そしてそれに伴う新たな戦力の提供であった。
「又・・・これでは・・・」
そのニュースを見た生花は悲しげな声で呟く。
「この襲撃も奴等の仕業なのですか?」
「今回もそうかは分かりませんが、少なくとも最初の引き金を引いたのは奴等です」
キーパーが内心の疑問を口にするとチュアリがそれに答える。
「世界の環境は日本、そして先日日本が支援を表明した44か国以外は日に日に悪くなってる。治安も経済も何もかもが・・・このままでは大規模な戦争が発生しても可笑しくはないよ」
聖は懸念を含んだ顔で発言する。
「大規模な戦争・・・そんな・・・」
「今回の攻撃も既に韓国内部に渦巻いている敵意、悪意を外に吐き出すために止むを得ず許可した物だと聞いているからね。
不満や怒りがいつ暴発しても不思議じゃない。それを避けるためには攻撃対象を生み出しておくしかないんだ」
望が悲しい声を発すると聖は現状の更なる説明を行う。




