想定外を味方に・・・
「各国首脳に話を聞いてみたけど、どこも自国の内部を抑えるので手一杯。他に気を回している余裕が正直ないのが現状だよ。そしてここに来ての戦力増強、これが外に伝われば・・・?」
そう言いかけて聖は言葉を止める。
「伝われば・・・何なんだ?」
壁際でずっと話を聞いていたテレサが聖に聞く。
「否、妙だな・・・と思って」
「妙?」
聖が答えるとチュアリが聞き返す。
「今この状況で戦力を増強すれば・・・正確に言えばそれを報道すれば何かの脅威があると悟られ、結果としてある程度混乱を招くのは必至だ。
その理由は現に今日、韓国が攻撃を仕掛けた事に関連した事になっているが現状の戦力でも迎撃は十分過ぎる程出来ている」
「つまり、それを敢えて行う理由、或いはそうせざるを得ない事態が発生したと?」
「そう考えるのが妥当だろう。それも恐らくは後者、もし前者ならお膳立てを十分してくるだろうからな」
聖はキーパーの疑問に答えつつ、自らの回答を話す。
「と言う事はつまり、その想定外の事態を味方に付ける事が出来たとすれば、この状況を覆せる?」
望は微かな希望を得た笑みで話す。
「まだそこまでは言えない、それにその想定外の事態がこちらにとってはプラスになる物とも限らない。だが、それでも・・・」
「希望はある?」
「ああ」
ロザリーの問いにも望への返答も冷静に返す聖だが、彼の表情にも又微かな希望が浮かんでいた。
「とすれば、最大の焦点はその想定外の事態が何なのかを特定する事ですね」
ソルジャがそう言うと
「なら、早速情報収集を開始しましょう。特に今日韓国軍が襲来したエリアを重点的に」
ロザリーも続き、早速情報収集に精を出すのであった。
そして数時間が過ぎた頃、ロザリーの収集により韓国軍襲来地点に一日達が居た事を示すカメラ映像が探し出され、一行はそれを鑑賞する。
「これは・・・彼等が現地にいたのか・・・」
「となると、やはりここで何かが起こった、そういう事になりますね」
「その何かが上手くいけば救世主になってくれるかもしれないって訳か」
鑑賞後、一同はそれぞれに感想を口にした直後、日本首相から連絡が入る。
聖がそれに応対すると
「それは・・・どういう事です?・・・成程、分かりました」
と言って数分話した後通信を切る。
「どうしたんですか?」
そうロザリーが聞くと聖は
「明日の正午、東京都世田谷区にあるとある病院に向かって欲しいとの連絡だよ」
と返答する。
「世田谷の病院?」
そう希有が聞くと
「ああ、何でも例の奇病に関する情報交換をしたいらしい。如何やら日本の中でも魔王軍に疑問を持つ人はまだ居る様だ」
と言う。




