宿屋って、どんなところ?
◆今回の登場人物◆
ミリア しっかり者。
ココ げんきじるし!
オルガ 宿の女将さん。
おじちゃん達 村のGDPを担う。
旅人 街からの旅行者。
◇◆
今日は宿屋を見ていこう。
お昼ご飯のいい匂いが、
宿の煙突から漂ってる。
「宿屋ってなーに?」
「旅人が泊まるところ……
なんだけど」
ミリアは宿の入口を指差す。
ギィ。
扉が開く。
「オルガー! 昼飯あるー?」
畑仕事帰りのおじちゃん達が、
泥だらけの長靴で入ってきた。
「今日は豆のスープだよ」
「やったぜ」
「……あれ?」
ココが首をかしげる。
「旅人じゃないよ?」
「そうだね」
ミリアは笑う。
「山神村では、
宿屋は村のみんなも使うんだ」
大鍋のスープが、
ぐつぐつ音を立てる。
パンをちぎる音。
木のジョッキがコトン。
「いただきます!」
「ごちそうさま!」
笑い声が響く。
「へー!
ご飯屋さんでもあるんだ!」
「その通り」
その時、
ギィ。
また扉が開く。
今度は大きな荷物を背負った
旅人だ。
「一晩お願いできますか」
「いらっしゃい」
オルガは笑顔で迎える。
「部屋は二階だよ」
「やっぱり
泊まるところでもあるんだ!」
ココは旅人の荷物を見て
目を丸くする。
「ねーねー、旅人さん。
街の宿にも
みんなご飯食べに来るの?」
旅人は少し考えてから答えた。
「街の宿は、
泊まることを専門にしてるよ」
「街はとっても人が多いから、
それぞれ得意なことだけをやる
お店がいっぱいなんだよ」
「パンはパン屋、お酒は酒場」
「急に人手が欲しい時は、
冒険者ギルドに行きますね」
へー、とココが目を輝かす。
旅人は宿の食堂を見回す。
「おい、西の方で
ユーシャとかいう奴が
薬草の買い占めしてるらしいぜ」
「溜池の草刈り進んだわねえ」
いろんな人の話題が飛び交う。
「でもね、
この村の宿も負けてないですよ」
ココはきょとん、とする。
「泊まる人も」
「村の人も」
「みんな同じテーブルで
ご飯を食べてる」
「街では、
なかなか見れない光景だよ」
旅人は嬉しそうに微笑んだ。
ココもミリアも嬉しそうに笑った。
「あとね、
寝るだけで、どんな怪我でも
治るベッドがあるらしいよ」
「えー。強制的に
細胞を活性化させるのかな?
老衰が心配!」
「すごい発想だなあ……」
宿は少しずつ賑わいを
ましてきました。
今日も平和でありますように。




