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プロローグ

感想ください。

誤字脱字、改善点などがあれば教えて下さい。

 大陸にはガリス帝国とニューシエン連邦という二つの大国が存在していた。

友好関係にあった両国に、しかし、それも一〇○年前までのこと。


 今から約一〇○年前、それは突如出現した。

 どちらの国が最初に発見したのかは定かではないし、今となってはその様なことは関係ない。

 だが、発見してしまった。


 それが出現したのは両国の境界領域。

 両国が発見したのはほぼ同時だった。どちらの国も領土と定めてはいない場所に出現したそれに両国は調査のため兵を派遣した。


 城のようで、しかし、城とは似ても似つかない建物。

 出迎えて来た彼らに、それはこの世界にとって未知そのものだった。


中に居たのは自分達と同じ人間。しかし、全てが違っていた。

剣に甲冑をまとい向かった兵士にそれを出迎えたのは小銃に防弾チョッキを装備した地球人。


その建物は地球にあった軍事基地。それがこの世界に転移して来ていた。

 彼らの技術はこの世界の遥か先を行っており、また、地球人は友好的だった。

 未発達な文明に地球人は、医療や農業、工業など様々な知識や技術を積極的に与えた。

 医療の発達により病気による死亡率は大幅に低下し、農業の発達により食料不足も解消されていった。


 地球人は、訊けば何でも教えてくれる全知全能のような存在であった。が、そんな彼らにも知らないこともあった。

それが魔法だ。

 彼らの世界には魔法はなく、魔法の存在をしった地球人は直ぐに探究を始めると、あっという間に当時の魔法技術を追い越した。


 電気に鉄道、車などあらゆるものが生み出され飛躍的に進歩していく日々。

 人々は文明を開化させてくれた地球人を神のように崇めるようになっていった。

地球人が転移してきた場所はエリシアと呼ばれ、聖地となった。そして、暦も新暦(Hello World)へと改められた。


 当初、地球人は能動的に活動していた。しかし、時がたつにつれ徐々に減少していった活動は、数年が経過した頃には彼らは一切その姿を見せなくなっていた。

 地球人が現れてから数年。その数年で世界は瞬く間に進歩した。しかし数年。数年で発展できる範囲は限られている。

 この世界の文明は地球の足元にも追いついておらず、地球人と同じ文明レベルに到達したい人々にはまだ教えて欲しいことが山のようにあった。

 姿を見せなくなった地球人に、地球人に会いたい人々はエリシアを訪ねた。


それが始まりだった。


 地球人にどれだけ懇願しても教えてもらえなかった物が一つだけあった。

 地球人は常に鉄の筒状の武器を携帯していた。彼らはそれを銃と呼んでいた。

 地球人を探す中で、人々は見つけてしまう。


 銃がそこにはあった。


 どこを探しても居ない地球人は、もうこの世にはいなかった。

地球人のいないエリシアは、人々にとって宝の山だった。

エリシアにはまだ教えてもらっていない知識や技術が山のようにあり、エリシアを掌握すれば世界の覇権を握ることができる。そう確信できるだけのものがそこにはあった。


 そして、持ち帰られた銃に両国は尋ねられる。覇権が欲しいか、と。


 始まった戦争は、これまでの戦争とは比べものにならない地獄そのものだった。

 理由はエリシアには全てがあったからだ。

 エリシアには銃を始め、戦車に戦艦、戦闘機など様々な武器や兵器の現物やその資料があった。それらが研究開発され戦場に大量投入された。


 これまでの戦争は剣や槍、弓矢や魔法で戦っていた。そこに、銃に戦車、戦艦、戦闘機などが現れた。

当時の兵器とは比べ物にならない現代兵器の火力を前に、戦場は一変し、死者は爆発的に増えて行った。


 何より戦争を地獄に変えたのはルールがなかったことだ。

 現代兵器を用いた戦争など経験したことのない世界には、ハーグ陸戦条約もジュネーヴ諸条約もなかった。

 処刑。インフラ施設への攻撃。使用禁止兵器の使用。

ありとあらゆる暴力が許可された戦争は地獄そのものであり、開戦から一〇〇年以上が経過した今、両国、官民合わせて一億人以上もの死者を出した戦争は今もなお続いている。


 地球人がこの世界に現れた時、人々は彼らを神と崇めた。だが、一億人という死者を前に、何より平和という宝物を失ったことに、人々は地球人が残していった物をこう呼んだ。

 悪魔の落とし物、デビルズドロップアイテムと。

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