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鬼ノ境界(おにのきょうかい)  作者: Helbon
season2

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シーズン2 第6章第一部 軌道(オービタル)の記憶 ― 反応再び


静まり返った作戦会議室。

ホワイトホース本部の大型モニターには、地球軌道上の映像が映し出されていた。

新たに開発された無人偵察艇「エクリプス01」が、静かに地球の外縁軌道へと上昇していく。


「目的地、旧アーク・ネメシス軌道帯まで残り三分。通信安定。」

「……何もないな。」シュンが画面を見つめながら呟く。


やがて映像が黒い虚空に包まれた。

モニターには“信号ロスト”の表示。


「アーク・ネメシスⅡの存在は――確認できませんでした。」

「まるで最初から存在しなかったみたいね。」ナツキが腕を組む。


レイは黙ったまま宇宙の映像を見つめていた。

母が遺した“境界理論”の終着点がそこにあると信じていたのに――。



■ 突発反応


その時、警報が鳴り響いた。

通信士の声が慌ただしく響く。


「強烈な反応を検知! 場所は――ノルウェー北部!」

「ノルウェー? この前の“氷の境界”と同じエリアじゃないか!」


モニターには、雪原地帯の一角に巨大な光の柱が立ち上っていた。

上空からの映像では、まるで空間が歪んでいるように見える。


「反応レベル、Bランクを超えAランク相当! 熱源ではありません……これは――血気反応です!」


総裁がすぐに立ち上がる。


「各部隊に警戒態勢を! レイたちは分析室に移動せよ!」



■ データの異常


分析室では、ノルウェーの地中深くから異常なエネルギー波が検出されていた。

波形は、かつてブラックタイガーの本部で使われていた境界装置と酷似していた。


「まさか、アーク・ネメシスⅡの残骸が……地球上に?」

「いや、違う。」レイが端末を見つめながら言った。

「これは……“呼び出してる”。上空から何かを、引き寄せようとしてる。」


ナツキが顔をしかめた。


「宇宙から……呼び出す? そんなこと、理論上でも不可能でしょ。」


シュンが淡々と答える。


「もし“境界理論”が関係しているなら、可能だ。

彼の母親が残したデータには、“座標共鳴”の項目があったはず。」



■ 不穏な予兆


総裁が通信越しに声を飛ばす。


「レイ、ナツキ、シュン。準備を整えろ。

ノルウェーで何かが始まろうとしている。」


その声に、レイは無言で頷いた。

手の中に、先日の氷獄戦で手に入れた光の結晶を握りしめる。


「母さん……これはあなたの導きなのか、それとも――警告なのか。」


外では再び雪が舞い始めた。

まるで、再び“境界”が開こうとしているかのように。


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