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鬼ノ境界(おにのきょうかい)  作者: Helbon
season2

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シーズン2 第3章 「ロンドン特別訓練」


朝の霧がうっすらと立ち込めるロンドン郊外の演習場。

ホワイトホースとロンドン支部の若手隊員たちが整列し、

中央にはレイとナツキの姿があった。



■ 訓練開始


「今日の訓練テーマは“連携”。」

「個の力ではなく、仲間と動くことを第一に考えてほしい。」


レイの言葉に、若手たちは緊張した面持ちで頷く。

かつて“風の血気術の英雄”と呼ばれた男が、自分たちの教官なのだ。


「桐生教官、準備は?」

「ええ、問題なし。今日は少し厳しくいくからね。」


ナツキは微笑みながらも、目の奥に鋭い光を宿していた。

彼女の言葉に、隊員たちの背筋が自然と伸びる。



■ 模擬戦開始


1日目の午後、

チーム対抗の模擬戦が行われた。

レイとナツキはそれぞれ別のチームに入り、

戦術指導と連携の実践を見せる形で参加する。


「風の流れを読め。仲間の動きを感じろ。」

「相手を倒すんじゃない、“守り抜く”のが目的だ!」


風と水の血気術が演習場に舞い、

参加者たちはその迫力に息を呑んだ。


シュンは本部から送られてきたデータをモニターで解析し、

訓練の記録を取っていた。


「レイ、出力安定してるな……

ナツキの方も流れ完璧。これが“黄金トリオ”か。」



■ 若手たちの成長


夕方、訓練がひと段落した。

若手隊員のひとりがナツキに声をかける。


「教官! あの、戦い方……どうやったらそんなに冷静に動けるんですか!?」

「簡単よ。仲間を信じること。自分の力より、隣にいる人を見なさい。」


その言葉に、隊員の目が輝いた。

かつてレイにそう教えられたように、

ナツキもまた“次の世代”に同じ言葉を送っていた。



■ 訓練の夜


訓練所に戻った夜、焚き火を囲んで軽い打ち上げが行われた。

笑い声が夜のロンドンの森に響く。


「平和って、こういうことなんだね。」

ナツキが呟く。

「ああ。戦わなくても、“守る”方法はある。」


レイは星空を見上げ、

あの戦いの記憶を思い出していた。

もう誰も、あのような戦場に立たせてはならない。

そう心に誓う。


「ナツキ。」

「ん?」

「……ありがとうな。隣にいてくれて。」

「なにそれ、いきなり。……でも、こちらこそ。」


二人は笑い合った。

夜風が静かに二人の間を通り抜ける。



■ 翌朝 ― 新たな兆し


翌朝、訓練最終日。

レイが出発準備をしていると、アーサーがやってきた。


「レイ、君にこれを渡しておく。」


差し出されたのは、古びたデータチップ。


「あの時の戦争後、瓦礫の中から見つかったものだ。

どうやら君の母親――ミサキ博士の研究資料の一部らしい。」


レイは驚き、手に取った。


「……母の?」

「内容は解析中だが、“境界”に関する新しい理論が記されている。

もしかすると、鬼と人の融合研究の続きかもしれん。」


静かな風が吹き抜ける。

再び、“何か”が動き始めようとしていた。


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