表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼ノ境界(おにのきょうかい)  作者: Helbon
season1

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

38/71

第22章・第ニ部 「ブラックタイガー本部 ― 闇の中の真実」

レイを乗せたブラックタイガーの艦艇は、暗い雲を突き抜け、

見たこともない軌道を描いて上昇していった。

視界の端に、青い地球がゆっくりと小さくなっていく。


「まさか……本当に宇宙に……」


レイは窓越しに呟いた。

艦艇が到着した先、それは巨大な人工衛星のような基地――

ブラックタイガー本部「アーク・ネメシス」。


そこには、数千人規模の鬼と人間の混血兵士たちが整然と動いていた。

彼らの目には、恐怖も怒りもなく、ただ「使命」の光だけが宿っている。


艦内でレイを迎えたのは、姉・神崎アヤ。

彼女は以前の冷徹な表情のまま、淡々と告げた。


「ようこそ、レイ。ここが父さんの築いた“新しい世界”よ。」


「……世界?」


「地上の人間はもう限界。

ここから、真の均衡を作り出すの。」


レイは答えず、ただ姉の瞳を見た。

その奥にあるのは、昔見た優しい姉の影ではなかった。


ミカに案内され、レイは研究区画へと通される。

そこでは、鬼と人間のDNAを掛け合わせた**「次世代融合体」**が実験的に造られていた。


「これは……なんだ……」

「母さんの研究の続きよ。」


レイは息を呑む。

母・ユキが生前、ホワイトホースのために行っていたはずの研究が、

今は“完全な鬼”を創り出すために利用されていた。


奥のカプセルに、眠るように横たわる一人の女性。

装置のパネルには――**「神崎ユキ ― ステイシス状態」**の文字。


「……母さんっ!」


レイは駆け寄ろうとしたが、ミカが腕を掴んで止めた。


「今は近づくな。母さんは、まだ“完成”していない。」

「完成……? 母さんを、道具みたいに言うな!」


怒りに満ちたレイの声が響く。

だが、アヤは冷たく言い放った。


「父さんも、母さんも信じている。

この世界の未来は、あなたの“血”で完成するって。」


レイの中に、再び黒い熱が込み上げる。

胸の奥に宿る“闇の力”が、ざわめき始めた。


「俺の血なんて……誰にも使わせない。」


そのとき、艦内放送が鳴り響いた。


『総裁より、全隊員へ通達。

“次段階計画・イグニッション”を72時間後に実行する。』


アヤが振り向き、わずかに笑う。


「レイ……この3日で、あなたも“理解”するわ。

父の言う、真の世界の意味を。」


閉ざされた隔離室の中で、レイは窓の外に広がる地球を見つめながら、

心の奥で静かに誓った。


「父さん……姉さん……母さん。

俺は、絶対に闇には染まらない。

俺は――人として戦う。」


そして、ホワイトホース本部でも同時に動きがあった。

ナツキとシュンが、レイ奪還のための極秘作戦に呼ばれることとなる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ