表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
偽りの父娘ですが、勇者討伐の旅に出ます!  作者: てちてち


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/36

27 女神の断罪(見習いもね)




「私は別の世界で殺され、魂の状態でこちらの世界に来ました。餓死したと思われる3歳の女の子の体に、女神によって魂を入れられました。そして、目覚める前後、あの二人に何度も罵倒され、暴力を受けました。食事も無く水すら貰えず、いつも重い体を強いられました。女神が魂の定着に失敗し、放置したからです。勇者討伐を命じられ、その手段として魔法を学べと言っておきながら、実際に教えに来たのは一度きりでした。それも攻撃魔法のみです。私は、隣にいる見習いさんが居られなかったら死んでいたでしょう。殴られて蹴られた時、いつも庇ってくれました。こちらの見習いさんがあの二人に暴力を受けている所も、何度も見ました。」



 私はじーさんの方を見てニッコリ笑った。じーさんの目に涙が浮かんでた。



 じーさんの仇も討ってやるからね。



「私はこの二人にされた事を、絶対に許せません。此度の体の事、創造神様に治して頂けたおかげで元気になりました。ありがとうございました。」私は体を折り曲げ、頭を下げてお礼を伝えた。



 まだ言いたい事は山程有るが、どうしよう…?



〈ありがとうエレナちゃん。もう良いかな?〉



「最後に一つだけ。あの女神が暗躍したせいで、ガリウレス王国が滅びました。今、私の面倒を見てくれるユリウスさんは、その国の騎士団長でした。生き延びた事を恥、死ぬおつもりでしたが私を託され、生きる気になれたようです。目標は勇者と帝国を討伐する事。お許し頂けますか?」



〈分かった。それは此方からお願いするつもりだったから構わないよ〉



「ありがとうございます。そうだクソ女神。アンタに一つだけお礼を言うわ。私をユリウスさんに預けてくれてありがとう。すっごく責任感が強くて気遣いが上手で優しくて思いやりがあって、いつでも私を一番に考えてくれるスーパーイケメンなのよ!もう最高の男なんだからっ!!」



 私は女神に向かって大声で言ってやった。



 3歳児が何言ってんだと思われるだろうけど、ユリウスさんをあのクソ女神に自慢したくてたまらなかったのだ。



 クソ女神を見ると、物凄く悔しそうに唇を噛んでいらっしゃる。



 ふぅ~、スッキリした〜。私は満面の笑みで創造神様を見た。




◆◇◆◇◆◇



〈一応判決の前に反論を聞こうか。聞きたく無いけど〉



 創造神様がそう言うと、今まで聞こえなかった声が響き渡る。



「何でアタシがこんな目に合うのよっ!おかしいじゃない!アタシは何もしてないわっ!そこの小娘が悪いんでしょ!アンタがサッサとアイツを殺しに行かないからこんな事になったのよ!どうしてくれるのよっ!」



 さすがのクソ女神。まるで反省するどころか、檻を叩いて私のせいだと喚いている。



 サルかな?



〈黙れ!お前が犯した罪は全て明らかになっているのだぞ。帝国に勇者召喚の魔法陣を教えただろう?あの皇帝に魂替えの術式を教えたのもお前ではないか。皇帝は召喚した者の体に己の魂を移し替えるつもりが、あの男の体が保たず、その場にいた若い騎士の体を無理矢理依り代にしたせいで、彼奴の目論見は失敗したがな。僕は以前言ったはずだぞ?あの魔法陣を破棄せよと。なのに伝承として残させたな。お前は金銀財宝を欲し、見返りに帝国は禁忌に手を出した。そして本来、勇者として召喚される者の気質は、実直、勤勉、慈愛に溢れ慈悲深く、誠意有る者。なのに喚ばれたあの男は何だ?残虐で卑劣で卑屈で、その生き方全てにおいて虚偽ばかりだ。このような者が何故喚ばれる?まるでお前そっくりではないか!〉



 うわぉ、創造神様が想像以上にお怒りだ。



「そんな!酷いです創造神様。いくらアタシが貴方の相手をしなかったからってこんな仕打ち…。そうよ、今からでも遅くないわっ!ね、創造神様、アタシとイイコトしましょうよ。それで今までの事は全部許してあげるからっ!」



 クソ女神が檻を掴んでガシャガシャ鳴らす。



 ウルサイよ。サルだな。と思っていたら、また声が聞こえなくなった。ヤレヤレ。



 この女神、芯から愚か者だったのね。



〈はぁ〜。本当に己を顧みない者がいるのだな〉



 呆れるよね、創造神様。



 隣の若い見習いは、こんな時でも涎を垂らす勢いで女神を凝視してニヤついている。



 これから自分が裁かれるって、理解出来ないのかな?



〈皆も今の女神の発言を聞いたな?〉



 創造神様がそう言って、私は神々を見渡した。前を向いている人、下を向いている人がいる…?



〈擁護する者は居らぬな。ではこの者二人を有罪とする〉



 あの見習いに反論聞かないんだ。女神にくっついて一緒にアレやコレやしてたから、同罪なんだね。私も散々暴力受けたしね。




◆◇◆◇◆◇



〈それではこの二人に罰を与える。エレナちゃん、何か案はある?〉



 おや?私が決められるのですか?それなら同じ目に合って頂きましょう。



「老婆の姿でボロボロの服を着て、いつもお腹を空かせて喉も渇いていつまでも彷徨かせて下さい。口も聞けなくして下さい」



〈それはエレナちゃんの世界で?〉



 お〜、それ名案!さすが創造神様!



「私のいた世界は魔法がありません。ずっと内戦をしている紛争地域に送って下さい」



〈分かったよ。あの見習いも同じにする?〉



「あの見習いは金魚のフンと同じ。糞が好きなフンコロガシと言う昆虫にして、地球の砂漠に送って下さい」



〈フフフ、面白い。では神力を剥奪。姿を変え、死してもなお生き返る呪いも付けよう。僕の気が済むまでその姿で生きるが良い。逝け!〉



 二人の怯えた姿がポワンと光り、その光が頭上に集まると姿が変わっていた。



 二人共銀髪に緑色の瞳をしていたけれど、見る影も無い。



 当たり前か。一人は老婆、一人はフンコロガシ。



 段々姿が薄く淡くなって消えてしまった。



 消える直前まで何か喚いていたケド。まいっか。どうせ聞こえないし。



 これで本当に終わったのね。ユリウスさんの気持ちも少しは晴れると良いな。



〈それでは解散。あっそうだ。あの女神と関係を持った者達は全て、見習いに落とすからね。神で有りながら欲に溺れた者達よ。今一度神で有る事の意味を考えよ〉



 周りを眺めていたら、彼方此方で少年少女に姿が変化していた。10歳前後の子供達。



 少々悲鳴めいたものが聞こえた気がしたが、次々と姿が消えて行った。



 見習いって子供なんだ。あの見習いは20歳ぐらいだったな?好きで見習いをしていたようだから、成長を拒んだのかな?



 じゃあ、じーさんは?




◆◇◆◇◆◇



「ワシは転生を拒みましてな。それなら自分の所で見習いをしろと、創造神様に拾われました」



「でも、昇格させたって創造神様が言ってたよ?」



「ワシにその様な昇格する資格はありませぬ。主の補佐として、このエレナさんがいる世界の管理者になれと」



「えーっ、それすっごく嬉しい!」



「イヤイヤ、過分なお心遣いを頂きました。が、辞退申し上げました。神桃を盗んだと言うのに…」じーさんが悲しげに話す。



「しんとう?って何?」



 何だか、私に関係ある気がする…。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ