旅立ち 01
「それで、どうする?」
話の続きみたいに、雛から問い掛けられる。
えっと…、何が?
私は瞬きを繰返しつつ、さっきまでの雛との会話を思い返していた。
…うん、分からない。どうするっていう質問の意図が掴めないよ、私。
「忘れてしまったのかしら。私は唯に、もしも世界が元に戻せるとしたらどうする?って聞いたの。まだ答えをもらっていないと思うんだけど?」
小首を傾げる雛だったけど、少し前、確かにそう聞いていた。
うん。その後に違う話になって、すっかり頭から消えていたよ。
「あ、うん。言ってたね、雛。えっと…パズルなら、って話だったよね?」
「そうね。仮定の話だから、実際にパズルであると思っている訳ではないの。でも、バラバラになってしまっている旧世界を、少しでも目に焼き付けたいと言う方が最適かしら。存在を実感したいという感じね。」
確かに、元に戻せるとは限らない。事実、私達は本当の意味で旧世界を知らないのだから。
それでも、私の知識として存在する平和な世界が、事実だと分かった。
8才の時には気付かなかった事実は、13才の私の心を揺さぶる。見たい、知りたい、触りたい。
文献にある通り、バラバラに砕けた世界の今を知りたいの。知識欲、っていうのかな?
別に正義の味方じゃないし、旧世界を戻せるなんて思ってないんだけど。
…って言うか、旧世界が戻ったら、今いる私達はどうなるんだろ?ま、良いか。その時はその時に考えれば良い事ね。
「あのね、雛。」
「どうしたの?そんな難しい顔をして。」
呼び掛けた私に対して、雛は少し困ったように応じた。
うん、ごめんね。私も混乱してるからさ。
「…あのね。この世界しか知らない…ううん。この世界すら一部しか知らない私達が、旧世界を集められるのかな、って。」
言いながら、俯く。
見て回るにしても、この世界のものかそうでないものかが分からないのだ。
「あら、そんなに難しく考える事ないわよ。この文献に
、旧世界がここにあるって載っているから。」
「えっ?」
サラリと発言した雛に、私は素で驚く。
誰よ、そんな事を調べた人。って言うか、そういう調査隊でもいたの?
「100年前って話だもの。私達の曾祖父母くらいの時代だと思うのね。唯、多分だけど…私達、旧世界の末裔よ?」
雛はそう、顎に指を当てて話始めた。
曾祖父母…。会った事は勿論ないけど、ひい祖父さん、ひい祖母さんの事だよね。
けど、内容には驚きだった。いきなり爆弾を投下された感じである。…末裔って、あの、末裔?




