第83話 世界一の情報屋
カエデの奢りでレストランに来た3人。
「あー、美味しそう!ありがとうカエデ!」
「本当に助かりました」
「持つべきものは頼りになる勇者様ですの」
「都合の良い人達ね」
3人は料理を食べ始める。
それを見て、カエデも静かに食べ始めた。
「美味しい!!こんな美味しい物食べたの久しぶりだよ」
「お城にいた頃は毎日こんなものを食べてたなんて何て贅沢なのでしょう」
「あー、幸せとはこのことですねー!」
3人は幸せそうな顔をした。
それを見て、フッと笑うカエデ。
「何だよカエデ、笑った顔の方が可愛いじゃん」
「う、うっさいわね魔王」
ニヤニヤして言うレイカと赤くなりながら言うカエデ。
「ところでカエデさんはエーケベで何をしていたんですか?」
「......」
カエデは口を閉ざす。
「カエデさん?」
バキッ!!
その瞬間持っていたフォークをへし折った。
その顔はまるで鬼のような形相だった。
「ひっ!!」
「どうして私がこんなところに来ないといけないのよ!!」
「そ、それを聞いてるのですが......」
「......はあ」
カエデは一息ついて落ち着く。
「このエーケベには腕利きの情報屋がいるらしいの、その情報屋を訪ねにきたのよ」
「情報屋?それってもしかして......」
「言わせないでよ、ロイの奴の情報がないか聞きに来たのよ」
ムスっとした表情で言うカエデ。
それを聞いてパーっと明るい顔になるリコ。
「それは良かったです!!私カエデさんとロイさんはお似合いだと思ってましたから!!」
「全くお似合いじゃないわよ!!」
それをじーっと横目で見つめるコアネール。
「ロイロイの情報......それなら僕も聞きたい!お願いカエデ!!」
レイカは声を荒げて言った。
「何で私が魔王の手助けしなきゃいけないのよ」
「まだそんなこと言ってんの?もうご飯を奢ってくれてる時点で手助けじゃないの?」
「う、うっさいわね!!」
「お願いカエデ!!僕もロイロイの情報知りたいんだ!!」
真剣な眼差しでカエデを見つめるレイカ。
「わ、わかったわよ!今回だけね」
「やったー!!ありがとカエデ!!」
レイカは満面の笑みを浮かべた。
「デザール村の事件の時も初めはゴネてましたけど、結局助けてくれました」
「サンベルスの事件の時もですの」
リコとコアネールがカエデを見ながら言う。
「それはアンタ達が危なっかしいからでしょ!!」
「ツンデレ勇者」
「うるさいわねチビッコ魔王!!」
ハア......とため息を付くカエデ。
「ホント......調子狂うわね」
元々は魔王を倒すために旅をしていたカエデ。
今目の前に魔王がいるのに一緒にご飯を食べているこの状況に複雑な心境だった。
(まあとにかく、情報屋からロイの情報を聞き出して、それから次のことは考えようか)
4人は食べ終えて、移動した。
「こ、ここは......」
「ここが腕利きの情報屋がいると噂の場所よ」
そこはレイカ達の来たことある場所だった。
そう、レイカが魔王の服を100万Gで売却したコスプレ屋だった。
「カ、カエデ!ここは止めといた方がいいよ!!」
「何でよ?」
「変態がいるですの!!」
「変態?」
「とにかく一旦ここから離れましょう!!」
ガララ!!
その瞬間、コスプレ屋のドアが開いた。
「やっぱりまた来たでぷか!!レイカたそ、コアネールたそ、リコたそ!!」
出てきたのは例のコスプレ屋店長だった。
「で、出たーー!!変態!!」
「美少女の香しいスメルがしたもので、僕は半径1キロ以内なら美少女のスメルを感じ取れるでぷ」
「きっっっっしょ!!」
「どうしたでぷか?僕のお嫁さんになりに来たでぷか?レイカたそ」
「ぼ、僕!?」
「そうでぷ!レイカたそこそ我が嫁に相応しいでぷ、合格でぷ」
「こっちが不合格だよ!!」
「ムムッ!」
コスプレ屋はカエデと目が合う。
「その銀髪に鋭い目、それにスレンダーなモデル体型、オルトルバ出身でエーユエジル家の一人娘、美少女銀髪剣士カエデたそでぷな!」
「レイカ、コアネール、リコ、早く行きましょう!!」
4人は走って逃げようとした。
「ま、待つでぷ待つでぷ!!」
コスプレ屋はカエデの服を掴む。
「きゃあああ!!触らないで!!」
「まあ待つでぷ、情報が必要なんでしょう!?」
コスプレ屋がそう言うと、4人は立ち止まる。
「な、何でそれを?」
「わかるでぷよ、情報が欲しいなら店に入るでぷ」
そう言うとコスプレ屋は静かに自分の店に入っていった。
4人は顔を見合わせる。
「し、信じていいのかな?」
「わからないけど、行くしかないんじゃない?」
「そうですね......」
4人は渋々コスプレ屋に入った。
そこには相変わらず大量のコスプレが置いてあった。
「カエデたそ、そのナース服の下のスイッチを」
「え?」
カエデは横に掛けてあるナース服の下を見た。
そこには小さなスイッチがあった。
「こ、これを押せばいいのね」
カエデはそのスイッチを押す。
「リコたそ、その猫耳メイド服の右のスイッチを」
「え?これですか?」
同じくリコはすぐ横に置いてあった猫耳メイド服の右にあるスイッチを押す。
ゴゴゴッ!!
すると、コスプレ屋の床の一部が開き、階段が現れる。
「こ、これは......」
「さあ、情報が欲しいなら付いてくるでぷ」
そう言いながら階段を下りていくコスプレ屋。
「あ、怪しい......」
「このまま監禁とかされないでしょうか......」
「だけどもう付いていくしかないよね」
「そうですね......」
4人はコスプレ屋の後を追い、階段を下り出した。
階段を下りた先には1つの部屋があった。
「ここでぷ、入るでぷ」
コスプレ屋は部屋に入っていき、レイカ達もそれに連なって部屋に入る。
その部屋は大量の書類や本、そして機械が置いてあった。
「ス、スゴい......」
「まあその辺にでも座るでぷ」
コスプレ屋は部屋の奥の機械の上に座り、ゴーグルをかける。
4人は置いてあった椅子に座った。
「まず僕はコスプレ屋兼情報屋のエターナルというでぷ、以後お見知り置きを」
「エターナル......」
「君達がここに来るのはわかっていた、ロイという少年を探していることもな」
「な、何でそれを!?それに口調が変わった?」
突然雰囲気を変えるエターナル。
「俺の情報網は絶大、何でも知ってる」
「お願い!!ロイロイについて教えて!!」
レイカはそう大声を上げる。
「俺もボランティアじゃないんでな、それ相応の代償を払ってもらうが、いいのか?」
「代償って?」
「金はないんだろ?女4人いるんだ、わかるだろ?」
エターナルがそう言うと4人は目を見合わせる。
そしてレイカが口を開いた。
「僕はロイロイのためなら何だってする!ロイロイは命をかけて僕を守ってくれたから!」
「魔王.....」
それを聞いてカエデもエターナルを見た。
「私もよ!何でもするからロイの情報を教えて!」
それを見て、リコとコアネールも口を開いた。
「私もです!ロイさんもカエデさんも私の命の恩人ですから!」
「同じくですの、皆さんの力になれるなら」
それを聞いて、エターナルはニヤリと笑う。
「お前達の覚悟はわかった、では教えてやろう」
エターナルは機械に何かを入力し始める。
それはパソコンのような装置だった。
「それは?サンダトルトでも見たことない機械だけど」
「俺が開発した最新鋭のマシンさ、これで各種機密情報やカメラの映像、様々な情報を得ることが出来るんだ」
「ス、スゴい......多分世界一の技術だよそれ」
「だろうな、まあ権力には興味ないんでね」
エターナルは入力し終えると、再び4人を見た。
「わかったぞ、ロイ・レンズはスマウという雪山の麓の町にいる」
「えっ!?生きているの!?」
「ああ、どうやら魔王軍第4魔将サイ・トリコーリと行動を共にしているようだ」
「サイちゃんと!?そっか、サイちゃんも元に戻ってロイロイ助けてくれてるんだね、良かった......」
レイカは涙を流した。
それをじっと見つめるカエデ。
「スマウと言えばここからそう遠くないですわね、東へ進んで3日ってところかしら」
「いや、お前らはここから西へ向かって行け」
エターナルはそう断言した。
「え?どうして?」
「どうしてもだ、俺を信用するならな」
「うん、信用する」
涙を拭いながらそう即答するレイカ。
それを聞いて少し笑うエターナル。
「西ってどの道を通っていけばいいの?」
「ここから少し西へ行けばオーブロって町がある。そこを経由しもっと西を目指せ、そうすればロイと再開出来るだろう」
エターナルはゴーグルを外した。
「さて情報はここまでだ、約束通り代償を払って貰うぞ」
エターナルは少し笑う。
「そ、そうだね、教えてもらった以上ちゃんと払うよ」
「何をすればいいの?」
「クックック、そう慌てるな」
エターナルは何かを取り出す。
それは、スクール水着だった。
「みんなスク水着て撮影させるでぷ!!」
「「「スク水かよーーー!!」」」
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