第79話 キャプテン・トップ
「そこまで!」
ロゼーリア姫がそう合図すると、戦いを止める兵士達。
「次、キャプテン・トップ、上がりなさい」
「はっ!!」
そう言って壇上に上がる屈強な男。
「おお!!キャプテン・トップだ!!」
「キャプテン頑張れー!!」
「キャプテン!!キャプテン!!」
民衆はそう騒ぎ立てる。
どうやら人気の兵士のようだ。
「サイさん、あの人は?」
「あれはバスターズの隊長キャプテン・トップだな。バスターズ1の強さに熱血漢、カードのジョーカーや魔王様と並ぶ最強の男と呼ばれている」
「魔王様と!?そんなに強いんですか!?」
「ああ、私も実は実物を見るのは初めてだが、魔王軍が得た情報ではそうなっているな」
「あの男がそんなに......」
ロイはキャプテン・トップをじーっと見る。
「キャァァァァァプテン!!トォォォォォォップ!!」
そう叫びながら拳を上に突き上げるキャプテン・トップ。
「いやはや、待ちくたびれましたぞロゼーリア姫」
「トップ、口を慎みなさい」
「ハッハッハ!これは失敬」
「ではトップの模擬戦相手は......」
「ノンノン!ロゼーリア姫、このキャプテン・トップ、10人相手でも問題ありませんぞ」
そう自慢げに言うキャプテン・トップに対し、呆れ顔のロゼーリア姫。
「わかりましたわ、兵士10人壇上へ」
すると、バスターズの兵士10人が壇上に上がり、キャプテン・トップと向かい合う。
「ハッハッハ!私を殺すつもりで来るがいい!」
「うおおおおおおお!!!」
兵士10人は一斉にキャプテン・トップに斬りかかる。
キャプテン・トップは腕を組み、仁王立ちしている。
そして、兵士達は斬りかかるがキャプテン・トップはそのまま腕を組みながら交わしていく。
「す、すげー、全然当たらない」
思わず声が出る俺。
あの男は今まで会った強い人とはまた違うオーラを放っている。
「ハア.....ハア......」
あまりの当たらなさに10人の兵士達が疲弊していく。
「ハッハッハ!皆の衆、良い動きだったぞ」
そう言うとキャプテン・トップは背中に抱えた大剣を抜き、構える。
「ふん!!」
そして大剣を振り回すと、疲弊していた10人の兵士は吹き飛ばされた。
「うわぁ!!」
そして、キャプテン・トップ以外の全員が壇上から落ちた。
「そこまで!トップ、見事ですわ」
ロゼーリア姫がそう言うと、民衆は拍手喝采した。
「キャプテン・トップ!!カッコいいぞ!」
「流石はキャプテン・トップ!!」
「ハッハッハ!こんなのはまだまだ朝飯前だ!!」
キャプテン・トップは腰に手を当て笑った。
「トップ!!お前はこのロゼーリアの直属の騎士なんですよ!このぐらい当然ですわ!」
そう叫ぶロゼーリア姫。
「ハッハッハ!失敬失敬」
「全く......次!模擬戦を続けますわ!」
ロゼーリア姫がそう言うと、模擬戦が再開される。
「何なのだあれは?まずキャプテン・トップって名前が良くわからな」
「か、かっけー!!」
呆れたように見ていたサイさんに対し、憧れの眼差しで見る俺。
「ん、んん?」
「サイさん!キャプテン・トップってカッコいいな!!」
「あ、ああいうのが良いのか......?」
「はい!!強くて屈強でヒーローみたいだ!!」
「そ、そうか......男の子の考えることはわからんな......」
「俺もあれぐらい強くなりたいな、修業しないとですね!」
「ま、どうあれあれは最強クラスの男だ。目標は高い方がいい」
そして俺とサイさんは宿に着いた。
「何とか着いたなロイくん」
「はい、もうクタクタですよ」
「私もこの身体では体力もかなり少ないな」
「疲れてるところ悪いんですがお願いしてもいいですか?」
ベッドに座るサイさんに向かって言う俺。
「ん?なんだ?」
「サイさんは魔法コントロールにおいては魔王軍1と魔王様から聞きました。魔法コントロールについて教えて下さい!」
少し前に魔王様から聞いた。
魔法の威力は魔王様、特殊魔法ならランドさんだが、魔法のコントロールについてはサイさんがNo.1だと。
「魔法コントロールか......また氷魔法と光魔法とでは勝手が違うからな、氷魔法は固体であるが故コントロールがし易いのだ」
キキキッ!!
そう言うとサイさんは掌の上に氷の礫を生成した。
そして、それは回転しながら可愛いクマの形に変わった。
「ス、スゲー」
「光魔法は光魔法使いに聞くのが一番良いんだがな。だが魔法コントロールの基礎はこうやって掌の上で魔法をコントロールすることだ」
「なるほど......俺はまだまだ上手いことコントロール出来ないです」
俺も掌の上に光魔法を生成するが、疎らで直ぐに消滅してしまう。
「これを安定して生成する訓練をすればいい。それが魔法コントロールの基礎だな」
「わかりました!ありがとうございます!頑張ります!ちょっと外で訓練してきます!」
そう言うと俺は宿も外へ走っていった。
「全く......忙しない弟だなロイくんは」
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