第80話 魔王とコスプレ屋
「着いたー!!」
一緒に旅をしている魔王レイカ、デザール村のリコ、サンベルス王女コアネールはエーケベという町に到着した。
「これで今日は野宿しないで済むんだね!」
「はい!町だったらどこかの倉庫とかで寝かせてくれるかも知れないです!」
「そ、倉庫?」
レイカ達はお金を一切持ち合わせていないため、宿に泊まることが出来ない。
「はい、頼めば藁ぐらいは貰えるかもです」
「まさか魔王の僕が頼んで藁を貰わないといけないなんて......」
ガクッとするレイカ。
魔王の子どもとして生まれたレイカは今までの生活で苦労した経験はなかった。
「藁でも皆で集まって寝たら温かいですよ」
「そうだけどさ......たまにはフカフカのベッドで寝たいよ」
「確かに、フカフカのベッドに藁を敷いたらより温かいですね」
「藁はもういいよ!」
その2人の様子をじーっと見るコアネール。
「はあ......何かあなた達姉妹みたいですわね」
「そうですか?私はコアネールさんのことも妹みたいに思ってますよ!」
「こんな天然が姉だと大変ですの」
「私天然じゃ」
「そう言えば2人とも!良いこと思いついたんだけど!」
レイカはリコとコアネールの話に割って入り、言う。
「僕の魔王の服を売ってお金にするって言うのはどう?」
レイカは自分の服を広げながら言った。
「良いのですか?大切なお洋服なんじゃ」
「いや!別に魔王城に帰ったら何着でも支給されるし!生地も結構良いものが使われているはずだよ」
「ただ服を売れる場所なんかあるですの?実は私も同じように服を売ってお金にしたことがありますが、大した額にならなかったですの。レイカちゃんの場合小さいし背中に羽根の穴が空いてるし」
「あそこなんてどう?」
レイカはエーケベの町の外れにポツンとある1つの店を指差した。
その店の看板にはこう書かれていた。
コスプレ屋
「た、確かにここなら売れるかもですが何か違う気がするですの!!」
「まあもうここでいいじゃん、1回売れるか聞いてみようよ」
そう言ってコスプレ屋に入っていくレイカ。
「へー、コスプレなんて私初めて見ます!」
リコもコスプレ屋に入っていった。
「ちょ、ちょっと待ちなさいですのあなた達!」
コアネールも慌ててコスプレ屋に入った。
カランカラン......
コスプレ屋の中は沢山のコスプレが飾られていた。
「うわー、可愛い服ばっかり!」
すると、奥から店主が歩いてきた。
店主は痩せ型で厚底メガネをかけている。
「いらっしゃい、何をお求めで......」
店主はレイカを見ると驚いた表情を見せた。
「ま、まま、ままま、まさか!?ロリっ娘魔王のレイカたそでぷか!?」
「ええ!?な、何で僕が魔王ってことわかるの!?」
レイカは魔王として顔を公開していないため、一部の人間しかわからないはずだった。
「わかるでぷ!レイカたそはロリロリ魔王として全国のロリコンネットワークの中では人気でぷよ!」
「ロリじゃないし!!っていうか何なのそのネットワーク!!」
「年齢13歳、身長139cm、趣味は機械いじりでぷ」
「何でそんなことまで知ってるの!?」
「噂に違わぬロリかわ魔王でぷ!握手いいでぷか?」
「嫌だよ!!」
「じゃあハグいいでぷか!?」
「もっと嫌だよ!!」
「レ、レイカちゃん、ここは危険ですの、帰るですの」
コアネールはレイカの手を掴み、引っ張った。
「あ!!美少女天才プリンセスのコアネールたそでぷ!!」
コスプレ屋はコアネールを見ながら言った。
「わ、私も知ってるですの!?」
「当たり前でぷ、天才でドSそうな王女様で王女様好きネットワークの間では人気でぷよ!」
「何のネットワークですか!?」
「年齢16歳、身長150cm、趣味はチェスと読書でぷ」
「本当に何でそんなことまで知ってるですの......」
そして、コスプレ屋はリコに目を移した。
「さ、流石に私は知らないですよねー」
「デザール村出身のリコたそでぷ!!」
「ええっ!!どうして私まで知ってるんですか!?」
「可愛くて巨乳で素朴で、田舎娘好きネットワークでは有名でぷよ!」
「田舎娘好きネットワークってなんですか!?」
「年齢18歳、身長155cm、趣味は絵画と弓矢でぷ」
「ど、どうして私まで」
「ムフフ過ぎる3人組でぷ!3人ともこのコスプレを着るでぷ!」
コスプレ屋は際どいビキニを取り出し、3人に差し出した。
「レイカちゃん、ここから早く立ち去るですの!」
コアネールとリコはレイカを引っ張り、店を出ようとする。
「待つでぷ待つでぷ!その魔王の服100万Gで買い取ってあげるでぷ!!」
コスプレ屋はそう叫んだ。
それを聞いた3人はその場で立ち止まり、振り返る。
「100万G!?家が買える金額ですわよ!?」
「どうしてそんな値段が?」
「先ほども言った通りレイカたそはマニアに人気でぷ、魔王の服も偽物が市場に沢山出回っているでぷ、だけどその魔王の服は正真正銘の本物でぷ!なのでそれぐらいは出せるでぷ」
それを聞いて3人は目を合わせた。
貧乏生活を送る3人には100万Gというお金は喉から手が出るほど欲しい大金である。
「それだけ貰えるなら......」
「やったでぷ!レイカたそのサインも貰えたら嬉しいでぷ!!」
「わかったよ、ただこの服を脱いじゃったら代わりの服がないから代わりの服を売ってよ」
「良いでぷよ、スクール水着で良いでぷか?」
「良い訳ないでしょ!僕のこのグラマラスボディでそんなの着て歩いたら逮捕されちゃうでしょ!!」
「「「......」」」
「ジョークだよ!!全員黙んないでよ!!」
「ス、スク水は冗談でぷ!この店はコスプレしかないでぷが、サービスで好きな物をあげるでぷから着て帰っていいでぷよ」
「マジで!?ありがとう!可愛い服貰って帰ろ!」
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