第69話 兄妹喧嘩
「あ......ああ.........」
涙を流しながらロイが飛ばされた方向を見つめるレイカ。
「なかなかしぶとい奴だったね。だがこれで邪魔者もいなくなった」
ヴァルロは剣をレイカに向ける。
「レイ、悪いことは言わない。僕らの仲間になれ、帝国や魔王軍に未来はない、僕らの力で作り変えるんだ」
「......えせ」
レイカはヴァルロの方を向く。
その眼光は鋭く、ヴァルロに悪寒が走った。
「返せよ、ロイロイを」
「......昔は僕に対してそんな口は聞かなかったのにね」
「うるさい!!お兄様だろうが関係ない!!僕の大切な仲間の仇、僕が討つ!!」
その瞬間、レイカの身体から凄まじい魔力が迸った。
その魔力は周囲の壁や柱にヒビを入れ、この地下宮殿が揺れ出した。
「くっ!これは......」
その魔力に、圧倒され目を背けるヴァルロ。
その少し後ろで、ランドとスカーレットも圧倒されていた。
「これが......魔王の魔力」
「覚悟しろよ!!お前ら!!」
シュルルル!!
その瞬間、レイカは自身に纏う凄まじい量の闇魔力を束ね、高密度な闇の玉を作り上げる。
「ハッ!!」
そして、勢いよく前に闇魔法を放った。
「速い!!」
「ヴァルロ様!!」
咄嗟にランドがヴァルロ達の少し前にシールドを張った。
レイカの魔法はそのシールドによって防がれた。
ピシッ!ピシシッ!!
だが、その魔法は勢いが落ちず、シールドにヒビが入っていく。
「な、何だこの威力は!?」
「常識では考えられない威力だ。ランド、横に流すんだ」
「はい!!」
ランドはシールドを右に反らし、まるでボクシングでパンチを受け流すように魔法を横に受け流した。
ドゴォォォォォン!!!
受け流された闇魔法はそのまま壁に当たり、轟音とともに壁を破壊する。
すると、地下宮殿はガタガタと大きく揺れ始めた。
「マズいね、あまりの威力でこの建物が持たない」
「ヴァルロ様!スカーレットの瞬間移動で脱出を!」
「待て!来るよ!」
その瞬間、レイカが飛びながらヴァルロの方に突っ込んできた。
「うおおお!!」
そのまま拳を振り上げ、殴りかかる。
パシッ!!
しかし、その拳はスカーレットが両手で防ぐ。
「くっ!!このパワーは......」
防いだスカーレットの両手はどんどん押し込まれていく。
「スカーレット、レイの攻撃はまともに受けてはダメだ!受け流せ!」
「はっ!!」
パシッ!!
スカーレットは右手でレイカの腕を叩き、軌道を反らした。
ドゴォォォォォン!!
軌道が反れたレイカは勢い余り地面にパンチを当てた。
地面は大きくヒビが割れ、そのヒビは壁にまで伝わっていく。
その衝撃に耐えられず、轟音とともに宮殿は崩れ始める。
「スカーレット!瞬間移動だ!」
「はっ!!」
その瞬間、スカーレットはヴァルロとランドの腕を掴み、地下宮殿外の雪山へと瞬間移動した。
ガガガガガガガッッ!!!
という轟音とともに地下宮殿は崩れ、積もっていた雪が舞う。
「レイカお嬢様!!」
「大丈夫だ、レイはあれぐらいでは死なない」
レイカが残され崩れた宮殿を見ながら言うランドとヴァルロ。
ドガッ!!
その瞬間、崩れた宮殿から魔力で出来た黒い大きな手が付き出してきた。
その手がヴァルロ達を襲う。
「ほらね!!」
ヴァルロ、ランド、スカーレットの三人は各々その攻撃を避ける。
そして、舞った雪埃の中から翼を広げたレイカが飛び出してきた。
「お兄様!!逃がさない!!」
鋭い目つきでヴァルロを睨むレイカ。
そのまま翼を瞬かせ、ヴァルロの方へ直進した。
そして、纏った闇魔力を束ね、無数の闇魔力の束を作り、ヴァルロに向け発射した。
「いいねレイ、魔族は怒りを力に変える」
ヴァルロも同じように魔力を束ね、発射した。
その魔力は打ち消し合い、相殺される。
「はあっ!!」
レイカはさっきの倍以上魔力を溜め、巨大な闇の玉を作り上げる。
「させません」
その瞬間、スカーレットがレイカの背後に瞬間移動した。
そして、短刀を逆手に持ち振り上げる。
「待てスカーレット!!武器は使うな!!」
そう叫ぶランドだったが、スカーレットは気に止めずレイカに短刀を振り下ろした。
ガキッ!!
しかし、レイカの身体の表面に触れた瞬間、短刀は折れ剣先が飛んだ。
「な......」
「お前はどけ!!」
背後のスカーレットを黒い魔力の手で殴り付けるレイカ。
「くっ!!」
スカーレットは腕で防いだものの、吹き飛ばされ地面に激突する。
「スカーレット!!」
「心配し過ぎだよランド、レイもスカーレットもあれぐらいで死ぬタマじゃないよ」
「そうですが......」
「今のレイは怒りで無尽蔵な闇魔力を身体に纏っている。普通の攻撃はその魔力で防がれ、通らない」
「しかし一度にあれだけの魔力を使えば......」
「間違いなく直ぐに魔力切れを起こす。その後、身体に副作用があるだろう」
「それなら早く止めなければ」
「ああ、出来る限りはやるよ。あの力は仲間に欲しい、あの力が仲間になれば僕の計画は大きく前進する」
そう言うとヴァルロも身体に闇魔力を纏った。
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