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第41話 魔王城防衛戦 2

どうすればいいかと考えていると、背後から羽音のような音が聞こえてきた。


「サイさーん、ロイくーん」


「ん?」


俺とサイさんが同時に後ろを振り向くと、コウモリ型モンスターのバッサーが羽ばたいていた。


バッサーは伝令役でこの前の侵入者が魔王城に侵入してきた時も逸早く魔王様に伝令した。


「バッサーさん!無事でしたか!」


バッサーを見て言うサイさん。


「その様子だと城内の事態は大体わかってるバサね」


バッサーは俺の肩に止まった。


「はい、大まかには。だが具体的にどうなっているのかがわかりません、今城はどうなっていますか?」


「敵に侵入を許してるバサ、人数は不明、今エントランスでゴラドさんがこれ以上の侵入を許さないように戦ってるバサ」


「ゴラド様が!?それではエントランスは大丈夫ですね」


「そうバサ、なのでエントランスはゴラド様に任せてサイさんは侵入者の掃討をお願いしたいバサ」


「わかりました。では私とロイくんは城の中枢へと向かいます。バッサーさんは城のみんなに情報共有を、敵に見つからないように注意してください」


「わかったバサ、サイさんとロイくんも気を付けてバサ」


そう言ってバッサーは羽ばたいて去っていった。


サイさんとバッサーってバッサーの方が先輩なんだ......


それはさておき、ゴラドさんがエントランスを死守してくれている。


現在魔王様、そして第1魔将のランドさん、第2魔将のキザさんが不在である。っとなると実質魔王城リーダーは第3魔将のゴラドさんだ。


そのゴラドさんがエントランスでこれ以上の侵入を許さないことに手いっぱいとなると、すでに侵入を許した侵入者達掃討の要となるのは目の前の第4魔将サイさんだ。


そしてそのサポート役となっている俺もかなり責任重大である。


「では行くぞロイくん、まずは大広間からだ」


「は、はい!」


俺は走るサイさんの跡を付けていく。


今まで責任重大な立場になったことがない。


それに得体の知れない敵、まるでレベルの違う力の争い、俺は生き残れるのだろうか......


「どうしたロイくん、何か緊張しているようだが」


サイさんが振り向きながら言った。


「い、いえ!大丈夫です......」


「まあ無理もない、この戦いは君には荷が重い戦いだ」


サイさんは真顔で言った。


「そ、そうですよね......」


「大丈夫、君がピンチになったら私が守ってやるから」


そう言ったサイさん。


それでは意味がない。そんなことでは結局俺はサイさんの邪魔をしてしまうだけだ。


だけど、今の俺では......


「だから」


サイさんは言葉を続ける。


「私がピンチになったら君が私を守ってくれ」


そう言って頬笑むサイさん。


そのサイさんの言葉に俺はハッとなった。


そうだ、仲間ってそういうもんだろ!


俺は自分がしっかりすることだけを考えていた。だけど、仲間って言うのはお互いがピンチのとき助け合えるのが仲間ってもんだ。


サイさんがピンチのときはしっかりと守って見せる、それが俺の役目だ。


俺は顔を上げてサイさんを見た。


「はい!!俺が必ずサイさんを守ります!!」


俺がそうハッキリと言うと、それを聞いたサイさんは少し赤くなる。


「た、頼んだぞロイくん」


そう言うとサイさんは前を向き、走り出す。


あれ?なんか反応が薄いような......


そうこうしている間に俺達は大広間に着いた。


大広間は普段立食会をしたり、催事を行ったりするのに使用されている城の中枢である。


その大広間の真ん中には1つの人影が見えた。


人影は俺達に気が付いたのか、ゆっくりとこちらを振り向いた。


「誰だ?」


その人影は大きな鎌を持った長身の若い男であった。


明らかに侵入者である。


「貴様こそ何者だ!魔王城に侵入するなど、覚悟は出来ているのだろうな!」


「お前もしかして雪女サイか?」


サイさんが叫んだのに対してそう返す鎌の男。


「貴様は......侵入者の幹部か?」


「質問を質問で返すとは、失礼な奴だな」


鎌の男ば大鎌を振るい、肩にかけた。


「雪女サイ、大人しく捕まってもらうぞ」


鎌の男は大鎌を横に振るった。


ブンッ!!という音と共に大鎌が振り回されると、その鎌から無数の風の刃が射出された。


か、風魔法!?


俺が驚いていると、風の刃は物凄いスピードで俺とサイさんの方へと向かってきた。


「ロイくん!私の後ろへ!」


サイさんは手を前にかざしながら言った。


「は、はい!」


その瞬間、サイさんの目の前に巨大な氷の壁が生成された。


そして、風の刃が壁に当たり、ピシピシと氷を切り裂く音が鳴り響いた。


やがて、壁が風の刃を防ぎきると同時に砕けて粉々になった。


「ほう、今の氷の壁、やはり雪女か」


「ロイくん、今の風魔法、タダ者ではない。相当なやり手だ」


確かに、今の風魔法は見たこともないスピードだった。


それに威力、氷の壁をあそこまで切り刻んだ。人が当たれば命はない。


やはり俺はレベルが違う戦いの中にいるのだと確信した。


「雪女、聞きたいことがある。お前ほどの幹部なら知っていると思うが」


鎌の男はまた大鎌を構えた。


「素直に質問に答えてくれそうにはないからな、倒してじっくり聞き出そう」


「話が早いじゃないか、私も貴様を倒して目的を聞き出さないといけないのでな」


サイさんも拳を握り、構える。


奴はサイさんを倒して何かを聞き出したい?一体何を......


まあそれよりも今は戦闘だ、サイさんと2人でアイツを倒せればいい。


2対1だ、昨日と違って今回は無闇に飛び出したりしない。


俺は魔法も使えない近接剣士、アイツの隙を見て倒すしかない。


「サイさん、2対1です。どちらかが隙を作りどちらかがアイツを仕留めれば」


「オードさん、待って」


俺がサイさんと話していると、いきなり鎌の男の隣に何者かが現れた。


本当にいきなりだ、何もないところから急に黒いフードを被った長身の女が現れた。


「スカーレットか」


「雪女、強い」


「お前の加勢なんかいらねーよ」


どうやら長身の女は鎌の男と仲間のようだ。


そして長身の女の名前はスカーレット、鎌の男の名前はオードと言うらしい。


2対2、完全に五分の状態となった。


いや、こっちはド素人の俺がいるんだ、圧倒的不利である。


それにあのスカーレットとか言う女の能力は......


「サイさん、今の瞬間移動は一体......」


「ああ、あんなのは私も見たことがない。特別魔法の中でもより特別な何かだろうな」


サイさんでも見たことがない能力か......


まあ俺のやることは変わらない、しっかりと相手の行動を観察し活路を.......


俺が目線を敵の方に移すと、敵の姿は一つしか確認出来なかった。


スカーレットがいない!!


まさか!?

面白い!続きが気になる!今後に期待!


と思っていただけたら


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