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第38話 ジャックとの激闘 2

そうだ、私は勇者の末裔。


細かいこと考えずにただ守りたい人を守る。


ここで私が負ければ、ロイやコアネール、カフコ族達は無事では済まない。


そのためには負けられない、例え私の命に代えても!


私は刀と首にかけたペンダントを掴み、祈った。


「お父さん、サフィちゃん、力を貸して……」


そう言うと、私は勢いよく木の陰から離れ、走り出す。


そして、茂みから飛び出すと、目の前にはジャックがいた。


「あらら、もっと賢い娘かと思ってたんだがな。ただ飛び出してきただけか」


ジャックは呆れたような表情を見せる。


「フンッ!別に貴方相手に隠れてる意味もないってことよ」


「そうかい、だったら話が早い。遊びは終わりにして片を付けさせれもらうぜ!」


そう言うと、ジャックはまた凄まじい速さで私を斬り付けた。


キンッ!!


しかし、また私は剣で防ぐ。


「攻め方がワンパターンね」


「ワンパターンでも勝てるからな!」


剣に力を込めるジャック。


このまま押さえ込むつもりだ。


「させるか!!」


しかし、私も力を込めてジャックを押し返した。


「なにっ!?」


「はあああああ!!」


ガキンッ!!


私は剣でジャックを弾き返した。


「くっ!!」


一瞬怯むが、体制を立て直すジャック。


「テメー、今の力、本当にタダ者じゃねーな?一体何者だ?」


「名乗るほどの者じゃないわよ!」


私は地面を蹴り、ジャックに向かって膝蹴りを放つ。


しかし、ジャックはかわして剣を突き立てる。


剣は私の背後に迫るが私はしゃがんで避けた。


「これはどうかな!!」


しゃがんだ私を見て、剣を持ち変えて、振り下ろすジャック。


そのとき私はジャックの動きがスローモーションのように見えた。


何これ?相手の動きが見える。

何だか力が湧いてくるみたいだ。


「はあっ!!」


キンッ!!

私はジャックの攻撃を弾いた。


「ちっ!!そろそろ時間がねぇ、終わらせてもらうぜ!!」


ジャックは剣で連撃を放つ。


だが私には見えていた。


ジャックの動き、剣の動き、全ての先読みが出来る。


キンッ!!キンッ!!キンッ!!キンッ!!


私はジャックの連撃を全て弾き切った。

少し息を切らして悔しそうな表情をしているジャック。


「どういうことだ?さっきまでとまるで動きが違うじゃねーか!」


ジャックの言う通り私の身体は明らかにさっきとは違う、さっきまでと言うより前までの私とは違う感覚だ。動きから見切る目まで活性化されたように冴えている。


もしかして、これが勇者の血の力なの?


「はあっ!!」


私はジャックの隙を突いて、剣を突き刺す。

剣はジャックの左肩を掠めた。


当たった!勝てる!


私はジャックに追い討ちをかけようと剣を振り上げた。


「ちっ!仕方ねーな!」


ジャックは片手を剣から離した。


隙が出来た!いける!


グサッ!!


その瞬間、私の左脚に激痛が走った。


「いっ......」


私は左脚を見ると、私の鉄の針が刺さっていた。


この針はさっき投げた......なんでこれが私の脚に......


まさか!?


「残念だったな嬢ちゃん、奥の手っていうのは取って置くものなんだよ」


ジャックは脚を痛がる私が掴んでいる剣の先を掴んだ。

その瞬間、私は全身が焼けたような感覚になった。


ビシビシビシッ!!!


「ガハッ......」


これは......雷魔法、剣を伝って私に流れ込んで来たのか......

私は倒れ込む。


まずい......さっきの電撃のせいで身体の自由が効かない......


私は倒れ込みながら腕の力だけで逃げようとする。


「残念だったな勝負ありだ嬢ちゃん、実は俺も雷魔法が使えんだ」


くっ!油断した!


さっきは私の落とした鉄の針を利用して私の脚に突き刺されたのか。


まさか相手も雷魔法使いだなんて、迂闊だった......


クソッ!脚が動かない!


「ハア......ハア......」


「強かったぜ嬢ちゃん、俺がここまで追い込まれたのも久しぶりだ」


ジャックは剣を振りかぶる。

まずい......このままでは負ける。


私はジャックの剣を見た。


仕方ない、一か八かだけどこの状況を覆せるのはこれしかない。


「じゃあな、嬢ちゃん」


ジャックは私の心臓目掛けて突きを放った。


その瞬間、私は精一杯の力で身体を横にずらした。



ズッ!!


「うぐっ!!」


ジャックの剣は私の左肩を貫いた。


激痛に嗚咽が漏れる私。


「何?身体をずらして急所は避けたか、だがそれが何になる」


私はジャックの剣を掴んだ。


「お返しよ!!」


私はジャックの剣にありったけの雷撃を流し込む。


「なにっ!?ぐはっ!!」


剣から通ってきた電撃を受けると、ジャックは剣を離し、片膝を付いた。


「これで終わりよ!!」


私は持っていた鉄の針を投げ付けた。


鉄の針はジャック目掛けて飛んでいく。


「ぐっ!クソ......」


ジャックはさっきの雷撃で上手く避けることが出来ない。


咄嗟に右腕を突き出して、鉄の針を受けた。


「ぐあっ!」


鉄の針はジャックの右腕に刺さり、血が舞った。


そして、距離を取ったジャックは右腕を押さえて私を睨んだ。


「嬢ちゃん、テメーわざと俺の攻撃を受けたな」


「肉を切らせて骨を断つってやつよ」


まあ、今回は骨は断てていないけど、武器を奪えたのと片腕にダメージを与えた。


だけど、今回はこれで良い。


「うぐっ!!」


私は肩に刺さった剣を抜き、腰に挿す。


「はあ......はあ......これで私を倒さない限りは武器は取り戻せないわよ」


私は両手で膝を押さえながら、何とか立ち上がった。


「チッ!!どうするよ」


ジャックも右腕に刺さった鉄の針を抜き、右手をグーパーさせた。


しかし、思うように出来ず、ため息をつく。


「負けたぜ嬢ちゃん、利き腕を使えない状態で嬢ちゃんから剣を奪い、そしてコアネール王女様を殺すには、ちと時間が足りないようだ」


ジャックは後ろを向いた。


「俺が任務に失敗したのは初めてだ。今度会う時は容赦しねーぜ、じゃあな嬢ちゃん」


そう言うと、ジャックは森へと消えていった。


か、勝った......


その瞬間、私は膝からガクンと倒れ、うつ伏せに倒れる。


ハハ、ちょっとダメージが大きすぎたみたいね。


今回は何とか退けた。

だけどこれも奇跡のようなものだ。


魔王に帝国、私敵が多すぎない?



......早く強くなってよ、ロイ。

面白い!続きが気になる!今後に期待!


と思っていただけたら


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