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第31話 王女コアネール

カエデを怒らせてしまい、落ち込んだ俺はサンベルス城の屋上へ来た。


はあ......やっぱりカエデにも本当のことを言うしかないよな。


だけどさっきカエデのお父さんが魔王に殺されたかも知れないって聞いて余計に話しづらくなっちまった。


カエデは怒るだけで済むだろうか、いや済まないよな。


けどそれでも俺はカエデに嘘を付いてるのは嫌だ、やっぱり本当のことを言おう。


だけど、その前にコアネール様だな、さっきの手紙を見てみようか。


俺はポケットにさっきコアネール様に入れられた手紙を手に取った。

その手紙は2つ折りにされており、小さなメモのようである。


それを開き、綺麗な字で書かれた文字を読む。

手紙にはこう書かれていた。


『夜、一人で私の部屋に来てください』


そう書かれていて、コアネール様の部屋の場所が書かれていた。


こ、これは......


いわゆる夜這いOKってやつか!?

お、俺って罪な男だなー。


っていう淡い期待は置いといて、とにかく他の人には秘密で俺にだけ何か話したいことがあるってことだよな。


そうなると、今日は魔王城に行けなくなったな。前みたいに心配させたら何だし魔王様に連絡しておくか。


俺は再び魔王様に生成してもらった魔力電話を取り出して、魔王様に電話をかけた。


プルルルッ!プルルルッ!


ガチャッ!!


「あい......こちらレイカの電話でふ」


魔王様が出てくれた。


どうやらまた寝起きみたいである。


「魔王様、申し訳ありませんお休みのところ、俺です、ロイです」


「あーロイロイ?ふぁー、どったの?」


「あの本日ですが急用が出来てしまって、仕事休ませてもらいたいのですが」


「えー」


珍しく嫌がる魔王様。


「僕明日から遠征だよ?1週間ぐらい帰ってこないんだよ?」


あ、そうだ。

魔王様やランドさん達は明日から例の第三勢力の調査の遠征に行くことになっている。


今日行けなかったら魔王様とは1週間会えない。


「んー、まあ仕方ないね。2週間後には帰ってくるからその時はちゃんと来てね」


「い、行きますよ!絶対行きます!」


「だったら良いよ、なんか大事な用があるんでしょ?」


魔王様......なんて優しい。


なんでだろうな、魔王様とは仲良く話せるのにカエデとは上手くいかない。


どうすれば魔王様みたいにみんなと仲良くなれるのだろう。


「ありがとうございます、魔王様」


「その代わり僕への忠誠心を忘れないことだね」


「それはわかってますよ!魔王様は凄い人だと思ってます」


「そ、そう?当然だよねっ!」


やっぱり褒められると弱い魔王様。

こうして魔王様の了承は得られた訳だが......


さて、コアネール様は俺に何の用なのだろうか......


あれからしばらく部屋で休み、夜になった。


俺はこっそりと部屋を抜け出し、地図に書かれている部屋まで進んだ。


その部屋はサンベルス城最上階、王女様の部屋に相応しい場所である。


俺は恐る恐る部屋の前に行き、ノックをした。


コンッ!コンッ!


「お入りなさい」


その声は中から聞こえてきた。

俺は扉を開けて、中の様子を見る。


そこには椅子に腰掛けるコアネール様の姿があった。


「わざわざ御越しいただいて申し訳ありません。こちらの椅子へどうぞ」


コアネール様は俺が入ったのを見ると、すぐに椅子へ案内する。


流石は王女様、礼儀作法が為っている、俺と違って。


「は、はい、ありがとうございます」


俺は言われた通り椅子へ腰掛けた。

本当に何の用だこんな時間に?


「あ、あの......コアネール様」


「あらあらそんなに緊張為さらないで下さい。私の方が年下ですのよ」


「で、でも王女様だし」


「いいですのよ気を使わなくて、気を使われるのは苦手ですの」


「じゃ、じゃあ......コアネールさん、用って何かな?」


俺は無理矢理タメ口で喋った。


流石に呼び捨ては無理だ。カエデにすら最近やっと呼び捨てで呼べるようになったのに。


「はい、折り入ってお頼みしたいことがありまして......」


コアネールさんは俺の目の前に1枚の手紙のような物を置いた。


手紙には何か文字が書かれている。


「これは?」


「ちょうど3週間ほど前に私宛に届いた手紙ですの、とりあえず読んで下さい」


「はあ......」


俺は手紙を手に取り、その書かれた文字を目で追った。


何々?コアネール・サン・サンベルス殿、1ヶ月以内にサンベルス中央広場のロバート像を取り壊せ、約束を飲まない場合はサンベルス国内に爆弾を仕掛け、無差別に国民を殺害する。


そう書かれてあった。


これって......


「脅迫文!?」


「はい、その手紙と一緒に火薬も入っていました。専門家に見てもらったところ、本物の火薬だと、しかもかなりの出来で素人では絶対に調合出来ない火薬だとか。それでその手紙に書かれていることは嘘ではないと判断いたしました」


コアネールさんは不安そうな表情を見せる。


そうか、だからコアネールさんは......


「私はその手紙の要求を飲み、ロバート像を取り壊そうとしました。像よりも国民の安全が最優先かと思いました。けれどそれも上手くいきませんでしたの、私が軽率でした」


つまりコアネールさんはこの脅迫文を見てロバート像を取り壊そうとしていた。


この王女は国民の事を最も大切に思っている王女だ。


「コアネールさん、さっきは何もわかってないのに偉そうなこと言ってごめんな」


「いえいえ、事情を知らないと皆そう思いますわ。それよりもここからがあなたに協力してほしいことなのですが」


手紙を俺から受けとると、折り畳み懐に入れるコアネールさん。


「私はこんなふざけた手紙を送ってきた輩を徹底的に調べました。それで筆跡や手紙に付着した土の跡、また指紋鑑定や送られてきたルート等調べました」


コアネールさんは怒りの表情を見せながら言う。

この人敵にしない方がいいタイプの人だ。


「それでしたらこの手紙はサンベルス横にある森、そこに住まうカフコ族という民族が送ってきたことが判明しましたの。カフコ族はサンベルスと友好関係を結んでいる民族ですの」


「友好関係?じゃあなんでそんなことを......」


「わかりませんわ、だから実際に聞きに行きたいと思ってますの」


「へ?」


「だからそこで貴方様に折り入ってお願いですの。私がカフコ族の森に行くボディーガードを頼めないでしょうか?」


コアネールさんは頭を下げながら言う。

面白い!続きが気になる!今後に期待!


と思っていただけたら


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