第24話 魔王城探検
こんにちは、ロイです。
現在、魔王城に来ています。
今は俺の部屋の外でキョロキョロと周りを見渡しながら歩いています。
それも昨日の夜にデザール村の1件ですっっっっかり魔王城に来るのを忘れていたからです。
やべー、普通に無断欠勤じゃん......
と、とにかく、隠れていても仕方ないので早く魔王様のところへ行って謝らないと......
「ロイくん」
「ゲベラッ ?!」
俺は背後から聞こえたその声に驚いて変な声を出しながら振り向いた。
そこには腕を組んでいる今日もお美しい魔王城第4魔将サイ・トリコーリさんがいた。
「何もそんな声出して驚かなくても......まあいい、それより昨日はどうして来なかった」
サイさんは少し怒った風に言った。
「ちょ、ちょっと体調が悪くて......」
「そうなのか?近頃顔色が良くなかったからな、もう大丈夫なのか?」
「は、はい」
サイさんがいい人過ぎて辛い......
「だがロイくん、体調不良で欠勤は仕方ないとして、やるべきことがあったのではないか?」
腰に手を当てながら言うサイさん。
「はい......休むことを伝えるべきでした。心配をかけてすいませんでした」
「わ、私は別に心配していないが、魔王様がスゴく心配していたからな、しっかり謝っておけよ」
「はい......すいませんでした」
みんなに心配をかけてしまった......本当に申し訳ない。
それに体調不良は嘘で本当は魔王様を倒す手助けをしているなんて......やっぱりいけないことだよな。
いつかは本当のことを言わないといけないと思っているが、勇気が出ない。
とりあえず俺はサイさんと別れ、魔王様の部屋に向かった。
まずは心配させたことを謝らないと......
コンッ!コンッ!
「ま、魔王様」
俺は魔王様の部屋の前につき、ノックをした。
「はーい」
すると、中から相変わらず可愛らしい声が聞こえた。
「すいません、入っても大丈夫でしょうか?」
「ランド以外なら入ってもいいよ」
ランドさん以外って......
なんか父親を毛嫌いする娘みたいだな。
ガチャ......
俺は扉を開けて魔王様の部屋に入る。
魔王様は防塵マスクをしながら何かを加工していた。部屋の中で。
「ま、魔王様、何やってるんですか?」
「いやちょっと火炎放射器作ってんだよね」
部屋の中で火炎放射器作る人始めて見た。
「ま、魔王様、そういうの好きですね」
魔王様はワープ装置を作ったり、魔力電話を作ったり、工作が趣味だ。
「うーん、機械にはやっぱり人類には生み出せない効率性や緻密性があって面白いんだよね......」
そう言いながら振り向く魔王様。
「って、ロイロイじゃん!昨日来なかった!」
そう少し怒ったように言う魔王様。
「は、はい、すいません。少し体調が悪くて」
「そうなの?それなら言ってよ、なんかマグマグマについて魔力電話で聞いてきてそれから一切連絡がないんだもん!意味わかんないじゃん!」
確かに、魔王様の言うことは正論で、それは誰がどう考えても意味がわからない状況である。
「す、すいません。火山の噴火のニュースがやってたんで気になって......ははは」
俺は作り笑いをしながら作り話をした。
まあこんな感じで言い訳していれば誤魔化せるかと思った。
「いや火山の噴火のニュースって、今活発に活動している火山は東イアス帝国領サンベルス東にあるデザール山しかないでしょ?なんでそんなとこの話題が出てくるの」
あ、ヤバい、魔王様賢いわ。
幼女だからと舐めていたが、流石はモンスターの王、知識と教養がその辺のこどもとは大違いである。
さて、どう言い逃れようか......
「ま、どうでもいいけどね!」
そう言い魔王様は防塵マスクを床に置いて立ち上がった。
魔王様の黒いスカートが揺れる。
「それより昨日来なかった罰として今日は僕に付き合ってもらうから」
そう言い魔王様は腕を組んで、頷く。
つまりは俺の失態を利用して俺の拒否する権利を剥奪した訳か。
この幼女はやはり賢い。
「え、えっと......つ、付き合うとは?」
俺は不安でいっぱいである。
魔王様は魔王城のトップで最高責任者である。だがその幼さからランドさんに城の運営は一任している。
つまり、魔王様は結構暇を持て余していらっしゃる。
そしてサイさんから聞いた話だが、魔王様の相手をすることがこの城の仕事で一番苦労を要することらしい。
普通に嫌なんですけど。
「うーん、じゃあ魔王城の案内してあげようか?この前は中途半端にしか案内出来なかったし」
確かに俺は城の構造をちゃんと把握していない。
案外これはありがたいのでは?
「わ、わかりました!お付き合いさせていただきます」
「お!聞き分けがいいね!じゃあ付いてきて!」
そう言うと魔王様は俺の手を握り、引っ張る。
手を握られた俺は少しドキッとしたが、魔王様に引かれ後を付いていく。
いやいや魔王様はこどもだけど、女性経験が少ない俺が女の子から手を握られるなんて......
魔王様の手は華奢で白く美しい手であった。
「ま、魔王様」
「え?なに?」
魔王様は俺を牽引しながら、後ろを向いた。
「魔王様の手、綺麗ですね」
「そう?まあピアノやってたからね」
「え!ピアノ!?」
魔王様の普段の生活からは想像も出来なかった。
ピアノと言えばやはり清楚なイメージがあるが、魔王様は普段胡座をかいでお菓子を食べている。
「今似合わないって思ったでしょ?」
「え!?い、いえ、そのようなことは」
察しが良すぎる魔王様にタジタジな俺。
「まあピアノはお母様がやってたから始めただけだからね、今はもうやってないけど」
そう言ってまた前を向く魔王様。
魔王様のお母様?
そう言えば魔王様の家族って見たことがないな。
確か少し前にサイさんと話したが、現魔王レイカ様の前はレイカ様の父親が魔王をやっていたと言うのは聞いた。
だけど、今魔王様が魔王をやっているということは魔王様の父親はどうなってしまったのだろう?
現実的に考えれば......
「ほら!着いたよ!」
俺が考え事をしている間に魔王様は目的の部屋に着いたようだ。
まあいいや、また機会があったら聞いてみよう。
それより魔王様が止まった目の前には、1つの部屋があった。
魔王城の3階の1番端の部屋だ。
「こ、この部屋は?」
「へへーん、僕合鍵持ってるんだ!」
あ、合鍵......だと?
合鍵って言えば心を許している男女が「私の家、いつでも来ていいよ」のサインとして渡す幻の鍵のことではないか?
ってことは魔王様の彼氏の部屋!?
いやいや!魔王様にはそういうことはまだ早いだろ!
「とりあえず入ろうか」
そう言って魔王様は鍵を取り出し、その部屋の扉を開けた。
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