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裏Resort  作者: まさぐりまさお
2年目
83/108

東条湖編14 対決

その頃僕は生意気な22歳だったかもしれない




だからこそ、郷に入れば郷に・・・なんて眼中になかったし、仕事でも社内で揉めてばかりだった。




この時もトイレ掃除の件で生意気言っていたので、最初からいじめられおじさんの川上さんと同じ扱いだったし、同じ年くらいの奴らからは変な目で見られていた。




そこにきて、入社当初から目をつけていて、密かに想いを寄せるだけでデートにも誘えないという女子が、僕らと仲良く毎日のように遊んでいるのが気に入らないのも解る気がする。




童貞を馬鹿にするつもりはないが、モテない街道から何とか脱出を図りながら、都会の生活を生き抜いてきた僕から言わせると




田舎っぺの冴えない野郎が嫉妬心をぶつけてくるのは100年早いと思っていた。


しかもその井岡さんは、見た目「あご勇」にニキビとメガネを足しただけの人間だった。




そして、僕も爽やか青年で同じ年の友藤君に敵わないというジレンマがあったし、色々と男としてどうなのか?と考える時期だった。






そんな時だ


普段から明らかに敵視してきていた井岡・・・・改め、あご野郎がついに感情をむき出しにして僕に迫ってきた。






きっかけはいつもの些細な事で僕が


「できません」


と生意気な口をきいたことだった。






あご野郎は真っ赤な顔で言った




「おいコラ!!お前後であの建物のうらにコイや」




事務所の裏の雑木林に呼び出しだ!!


これは面白いと思った。


この時僕は本当に余裕で楽しくて仕方が無かった。


今まで、間接的にちくちくした攻撃だったのが直で来たから、待っていたのかもしれない。








「え?告白ですか?」




と返した。






「ちゃうわボケ!仕事が終わったら、裏で待ってるからこいよ」




「なんで?」




「なんでも糞もあるかい!お前しばいたるからな」






真っ赤な顔で言っている


今にも殴りかかってきそうな勢いだった。


面白くて仕方がない。




もう少し泳がそうと思って




「え?喧嘩すんの?」




「あたりまえじゃ」




「なんで?」




「なんでも糞も・・・」




僕はここで攻撃を開始した。


いつの間にか敬語も辞めていた。




「ここでお前が俺を殴ったらどういう事のなるかわかる? 解らないなら説明してやるよ」




といって、僕が軽井沢でハリオを殴った時の事を話してやった。


そして、慰謝料とか会社への謝罪とか誓約書関係の話をふんだんに盛って話した。


僕はハリオに100万以上払い未だ借金があると言ってみた。




RAPのストーリーテリングのように滑らかに、かつまくし立てるように、言葉を放った。




僕は軽井沢で学んでいた。


暴力は損だ。


会社が違うと偉いことになるし、社会とはそういうものだ。




年齢は僕の方が下だが、あご野郎には何もかも負ける気がしなかった。






あご野郎は一気に手のひらを返し




「冗談や、冗談」




と臭い息を吐いて帰って行こうとした。




僕は追い打ちを掛けた。




「この件はに東京にいるGⅯに報告しておきますね。あ、ちなみに僕は本社のコネ入社ですから。」






「勘弁してくれや・・・勘弁してください」




これであご成敗は終わった。




勿論報告はしなかったし、そんなことしたら処分を受けるのは僕の方だ。


童貞野郎は簡単だ。




ちなみに


あご勇は嫌いじゃない好きだ。

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