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少女と予知

スタンガン事件から一週間。



俺は昼休みや放課後になっては1年のフロアを彷徨いていた。


もはや1年ウォッチングも終焉を迎えつつあるため、俺が彷徨えるのも時間の問題かもしれない。



もちろん彷徨っているのはあの少女を見つけるためだった。

しかし、探しても一向に見つかる気配がない。



俯いてたし顔は確認できなかったけど、

あれだけ髪が長ければ普通は一瞬で見つけられるはず・・・

いないということは・・・・・・



「あ!櫻井く~ん!」



不意に聞き慣れた声に呼び止められた。


・・・しょうちゃんだった。


しかも、なぜか教室の中で1年と混ざって何やら楽しそうにしている。


俺は1年の教室に足を踏み入れて窓際のしょうちゃんに近づいていく。



「なんで1年の教室にいんの、しょうちゃん」



「櫻井くんこそ~なんでここにいるの~?もう1年見物のブームは終わったよね~?」



俺の問いはしょうちゃんの新たな問いによって笑顔で掻き消された。



「暇だからブームに便乗したらハマった。ってとこかな。しょうちゃんは?」


曖昧に濁しておくことにした。



「うーん、櫻井くんと同じかな~」



うわ、食えないやつだなー。


なかなかしょうちゃんの意図を悟るのは難しい。



「なんだそれ。まぁいいや」



しょうちゃんの周りには一年の女子が三人いた。

どの子も俺は面識がないからなんだか気まずい。



「あ、ちなみに今この子たちに演劇部の素晴らしさを語っていたの~櫻井くんもほら~なんか言ってみてよ~!」



結局言うのかよ!

高校生女子って意味不明で怖いな。


しょうちゃんが俺をつんつんと突っついてくる。


ちょ、爪痛いんだけど・・・

なんか言えと言われてもな。



「ちなみに今何を語ったの?」



しょうちゃんはにやりと笑う。

なんだか嫌な予感がするぞ。



「毎日がそれはそれは楽しいんだよ~きついなんてことは一切なくてね!涙あり笑いあり汗ほとばしる!文化部的かつ運動部的!そして、夏には毎年恒例の合宿と言うなのバカンス~!軽井沢に3泊4日して演技を磨くの~!夜は温泉入って恒例の秘密行事をやって~!他の部活だったら味わえない青春が待ってるの~!」


「・・・」


俺の場合、日々ヘビーなイジリで涙でそう、何かしたらさらっと馬鹿にされ笑われて、冷汗がほとばしるようなこと強要されて・・・


ちなみに、軽井沢に三日間旅行に行く事なんだけど、秘密行事という名を呈しているのは内容をごまかすためだろう。


ほぼ徹夜で発声練習、ランニング、腹筋背筋などの筋トレに即興劇の繰り返しで頭おかしくなるかと思ったよ。



やめてー!俺のライフはもうゼロよ!

って頭の中でリピートしたわ・・・


気がついたら白目向いてた。



「だってさ~!ここの櫻井先輩も白目向いて無言になるくらい楽しいこと待ってるよ~!」



「・・・勝手に要約ありがとう。そういうことにしておいてくれ」


俺としょうちゃんが話していると、初めて一年生が口を開いた。



「どうする?演劇部入っちゃう?」



真っ先に口を開いたのは黒髪ショートのつり目が印象的な活発そうな子だった。



それに答えるようにして茶髪ポニーテールが唸る。



「でもなー、うちら演技とか笑っちゃうくらい下手っぴじゃん?小学生の時の学芸会覚えてるでしょ?」



「あれはパネェよ!先生たちが『これは事件だ・・・』って裏で嘆いてたの聞いちゃったもん。」



二人の少女がキャッキャやっているのに、もう一人の可愛い顔した、うっすら茶髪の巻き髪の子が俺を凝視してる件について・・・



まさか、俺に一目惚れ?!

・・・なわけないですよねー

俺、かなりのフツメンですよ、いや、下手したら下の下とか、いやさすがに中の中くらいはあると思ってたい・・・いや、考えるのはやめておこう。悲しくなる。



「美咲はどうするー?」



不意に俺を凝視していた子がびくっとした。



「え、えと、うん、入ってみたいかも」



ん?・・・どっかで聞いたような声だな。どこでだろ??テレビかな?あー芸能人でこんな声の人いたかも。


見た目と同じで可愛い声してんじゃねーか。

・・・俺、今まるで変態親父のようやな。というかそのもの。

これなら演劇部でも活躍できるよ!



「美咲が積極的なんて珍しいー!じゃあ行くしかないね!」



「あ、今日は活動してないんですよね?じゃあ、明日見学に行きまーす」



「やった~!勧誘に来てよかったよ!じゃあ明日の放課後に演劇部の部室に来てね!んじゃ櫻井くん!次行こうか~!」



「え?あぁ。次?」



俺はその後しょうちゃんに連れられ1年フロアを彷徨うのでした。



+++



「ただいまー」


「ただいまっす」


「ただいまです」


途中までは軽音のやつと帰っていたが、別れてからは、それまで俺の後ろを尾行するように歩いていたダマとセリナと帰宅した。


なにやらどっと疲れたー。



「三人ともおかえり。母さんから手紙着てるぞ」


「あいよー」


父さんから手紙を貰い、開いて中身を見るとそこには短い文章が書かれた紙が入っていた。



「3人へ。とある女の子がハイレベル予知能力を持つ重要超能力者の可能性があるとして政府とかどこぞの機関に狙われてます。発見して保護してください。母より」


うわー、なにこの使いっパシリみたいなのー

予知?なにそれおいしいの?


・・・予知か、・・・よ、予知?


物凄く引っかかるワードだ。


予知といえば、これから起こることがわかるとか言う、あれですよね、って、あぁぁぁああ!


なんか思い当たっちゃった!

すげぇ!いろいろ繋がったぞ!!



「セリナ、ダマ!出かけるぜ!この子を保護する!」


突然元気になって騒ぎ出した俺に2人は目を白黒させていた。


待ってろよ予知の能力者!

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