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22歳♂ 何故か女の体に転生しました。  作者: BrokenWing
第二章
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答えられないイオリ

         答えられないイオリ



「近衛様、今の術は? それとこの石みたいな状態は?」


 ヤットンが矢継ぎ早に質問してくる!


「あ~、ヤットン、済まないが、後にしてくれ。それよりイオリ! 聞きたいことがある!」


 俺は呪文を唱えようと硬直していたイオリを呼び止める!

 こいつ、間違いなくテレポートでとんずらする気だったはずだ!


「あちゃぁ~、でも、そうだ、僕にも聞きたいことはあったな。で、何が聞きたいんだい?」

「いっぱいあるが、まずはあれだ。リム、あの階層主を出してくれ!」


 リムが巨大美少女の死体をテーブルに出す。

 大きなテーブルだが、はみ出してしまう。


「こ、これは?」


 またしてもヤットンが聞いて来る。


「ヤットン、それも後だ。それで、イオリ、こいつ、知っているよね?」

「うん、知っているよ~。カサードさんに確認されたら一緒なんで、答えられるかな。こいつは100階層の主、【ラストマスター】だね~。」

「やはりか! こいつはトロワの90階に居た! どういうことだ?」

「それには答えられないな~。ただ、アラタはもう気付いているんじゃないかな?」

「まあ、ダンジョンによって、魔物も、階層主も変わることは知っている。しかし、流石に100階のとなれば別だろ? それにこいつ、『最後の試練』とか言っていたぞ。」


 イオリは少し考えているようだ。

 大方、どこまで答えていいのかを判断しているのだろう。


「ごめんよ。それも答えられない。でも、そいつの言った事は嘘じゃないと思うよ~。なので、これ以上は勘弁して~。でも、そうだね、これだけは言える。今のアラタは、僕なんかよりも遥かに強い! じゃあ、今度は僕の番だ。あの、【魔法の極意】ってなんだい?」


 俺は驚いた!

 俺がイオリより強いという発言にもだが、彼女にも知らないことがあるというのが意外だった。 


「え? イオリなら、当然知っていると思っていたよ。それに何故、俺が【魔法の極意】を習得した事を知っている?」

「あ! しまった! 今のは忘れて! まあ、これくらいなら問題無いと思うけどね。じゃあ、僕はボロを出さないうちに退散するよ。テレポート!」


 これを最後にイオリは消えた。

 うん、確実に彼女には制約がかかっている。

 しかし、本当に謎の人だ。


 今日、ここに現れたのは、多分、カサードとの約定のせいだろう。

 『フラッド帝国が勇者の脅威に曝された時、それを排除する義務を負う。』

 これだ。奴隷じゃなくなった二宮は勇者だからだ。


 その後、ヤットンには、少しだけ説明してやる。

 【反射】の効果を破る魔法があること。

 【石化】という効果があること。


 【魔法の極意】に関しては、適当に誤魔化した。

 イオリでも知らない事を、彼に教えるのは憚られたからだ。

 それに、俺の仲間でもまだ無理なのだ。

 彼に理解できるとは思えない。


 それでも、ヤットンは目を輝かせ、何度も礼を言う。


「やはり、あの時、私はあのお誘いを断るべきではなかったのかもしれません。少し後悔しております。」

「じゃあ、ミツルのパーティーはどうだ? まだ空きがあるのだろう? 残念ながら、今の俺達にはもう空きが無い。」

「そうですね。妻が許してくれるのなら、考えてみます。」



 ヤットンとも、これで会話を終わらせ、俺はアイテムボックスに【ラストマスター】を仕舞う。


「じゃあ、リムはこれで帰ってくれ。皆には解決したと言って、買い物にでも行くといい。俺もすぐに戻るつもりだが。」

「え? 私も行くわ。魔核を取り出すだけでしょ?」


 う~ん、できれば、その作業をリムにも見て欲しくないのだが。


「ふむ、仕方ないな。テレポート!」


 俺は一人でトロワの50階層に飛んだ。

 流石のリムでも、俺がどこの階層に飛ぶかまでは分からないはずだ。


 ワープの小部屋で主の魔核を取り出す。

 やはり、人型、それもでかいとはいえ、美少女だ。

 かなり気が滅入る。


 吐き気を抑えながらも、何とか取り出せた。

 驚いたことに、身体の仕組みは人間とほぼ同じようで、腹、恐らくは子宮にあたる所に魔核はあった。

 罪悪感が半端ない。


 主の遺体?はそこに放置しておくのもなんなので、51階層まで降りてから捨てた。

 後は魔物が処分してくる事を願うのみだ。



 屋敷に戻り、俺は再び風呂に入る。

 血まみれの身体を洗い流したかったのだ。


 すると、リムが入って来た。


「あたしを放って置いて、二度風呂とはいい度胸ね! あたしも付き合うわ!」


 かなりお冠のご様子だ。


「なんだ、リム、皆とは行かなかったのか?」

「ええ! 3人はアラタが帰る前に、既に買い物に行ったわ! 残っているのは、マリンちゃんとサラちゃんだけよ!」

「ふむ、だが、あの作業には、お前を付き合わさなくて良かったと思っている。作業の結果がこの二度風呂だ。」

「魔物は魔物よ! あたしを子供扱いしないで! それくらいの事は覚悟できているわ!」


 う~ん、子供扱いしているのなら、彼女を抱いたりはしないのだが。

 しかし、リムの機嫌はどうすれば直るのだろう?


「わ、分かった。お前を置いて行った事は謝る。そうだな。じゃあ、これから二人でデートしよう。俺も暇だし、買いたい物もある。どうだ?」

「え? それなら許すわ。アラタと二人っきりなんて、初めてかも!」


 ふむ、ちょろいな。


 しかし、現実はちょろくはなかった!

 俺はリムの買い物に付き合わされまくる!

 服屋に始まり、ランジェリーショップに終わる。


 しかも、彼女の基準は厳しい。

 1着買うのに、1時間は当たり前だ。

 おまけに、終始俺の腕に絡みついているので、周りの目線が痛い。

 悪い気はしないのだが、下着のコーナーで男を待たせるのは、容赦無いと言わざるを得ない。


 屋敷に帰る頃には、陽が傾いていた。

 しかし、あれだけはしゃいだリムを見たのは初めてだ。

 苦労した甲斐があったというものだ。



 だが、屋敷に帰ると、事態は急変した。

 リムが美女軍団+サラ+αに取り囲まれる。


「リムちゃん、今日一日、アラタさんを独占した感想はどうですか?」


 ふむ、良く考えれば、ミレアの言う通り、今日は魔核の回収作業以外はリムとずっと一緒だったな。


「ずるいですわ。私の下着も選んで欲しかったですわ。」


 クレア、それは勘弁してくれ。


「その企みには気付けなかったっす! 完全にやられたっす!」


 カレン、あれは企みとか、そんな知的なものでは無いぞ。

 単なる俺の気まぐれだ。


「リム姉さん、今晩は、私が代わりにアラタさんと寝ますにゃ!」


 ん? また恐ろしいことをほざいているのが居るな。

 俺はまだ犯罪者にはなりたくないぞ。

 もっとも今日、一人殺したようなもんだが。


「リムちゃん、皆と暮らす以上、独り占めは良くないざます。私にも・・・、いえ、何でもないざます。」


 もう、何も言うまい。


 しかし、リムも黙ってはいない!


「アラタが帰るまで居なかった、皆が悪いのよ! 一途にアラタのことを想っていれば、ちゃんとご褒美はあるのよ!」


 リム、お前、俺の事を想っていたのではなく、怒っていただろ?

 うん、これは、こっちに火の粉が飛んでくる前に消えた方が良さそうだ。

 俺は工房に逃げ込んだ。


 しかし、その後は全員で食事の準備をしてくれていたようだ。

 台所から、笑い声が聞こえる。

 なんだかんだ言っても、仲がいい。


 俺の方は、あの階層主の魔核の効果を確かめられた。

 しかし、【魔力+100】ってどうよ?

 流石は90階の主と言ったところか。

 ミレアかリムの装備につけるべきだろう。

 ふむ、明日からは、90階層にミレアのリベンジだし、丁度いい。



 翌日、俺達は再び80階層に飛んだ。



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