表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22歳♂ 何故か女の体に転生しました。  作者: BrokenWing
第二章
97/99

反則技

        反則技



 あれから三日後、ミレアは問題無く、リベンジを果たした!

 リベンジとは言うものの、実質は、あの即死攻撃に耐えられるかどうかだけなのだが。

 ステータスを確認すると、ちゃんと【即死耐性中】がついていた。

 もっとも、俺達は大に昇格したが。


 俺は色々聞きたかったのだが、今回は俺達が扉を開けるなり、巨大美少女【ラストマスター】の【オールデス】により、自身もお引きも一瞬で死んでしまう。 

 結果、何もせずに奥の扉が開くという、あまりにもあっけないものだった。


 なので、あの魔法の効果は、どうやらその場に居る者、己を含めて全員に作用するのだと、認識したほうがいいようだ。

 何とも捨て身な魔法だ。


「よし、これでミレアもクリアできた訳だ。で、どうする? 一旦戻るにしても、俺としては、91階層を覗いてからにしたいのだが。」


 そう、前回同様、新顔の顔だけ拝んでからというつもりだ。


「そうね。でも、今度は無理しないでよ。相手から来た場合はすぐに撤退よ!」

「リム、勿論だ。でも、前回のはどうしようもなかっただろ?」

「そうですね。私も二度も死にたくはありません。用心するに越したことはないでしょう。」


 一度死んだミレアが言うと、重みが違う。

 俺達は、ミレアにワープの小部屋で登録を済まさせ、そろそろと、通路を降りて行く。


 当然、先頭は囮の魔物だ。

 今回は百人前に務めてもらう。

 奴は、生きている時には【魅了】の効果がつかなかったのだが、死んでからは効いた。

 重いので、俺のアイテムボックスにでも、2体が限度だ。

 サラの、『囮に使うなんて勿体無いですにゃ。』という意見を説得するのが大変だった。


「ん? 何も居ないぞ? 危機感知レーダーにも何も表示されてないよな?」


 俺は、【シースルー】と、【ファーサイト】を同時に使って、階層全体を確認したが、何も見当たらない。


「そうっすね。あたいも何も感じられないっす。リムちゃんは?」

「ええ、反応無いわ。」

「ふむ、俺も反応は無い。一体どうなっているんだ?」


「スワレントラップの事を考えると、私達では認識できないだけなのかもしれません。用心すべきです。」

「確かに、ミレアの言う通りだ。予定外だが、魔物を確認できないのでは意味が無い。注意しながら進もう。サラちゃん、部屋に入ったら、中心部分に【サラの剣山】を適当に投げてくれ。」

「はいですにゃ。」


 小部屋に入るが、何も変化は無い。

 囮に部屋の中央まで進ませるが、何も起こらない。

 サラが、広範囲にダガーを投げてみるも、徒労に終わる。


「う~ん、訳が分からんな。取り敢えず、下への通路への最短ルートを、この手順を繰り返しながら進もう。」

「「「「「はい、」」」」ですにゃ。」


 しかし、その後も何の変化も無い。

 俺は、もしやと思い、【地獄の業火】で部屋全体を焼き尽くしてみたが、意味は無かった。


「う~ん、遂に92階層への通路まで来てしまった。降りてみるべきか?」

「魔物が出ないなら、楽ちんですにゃ。どんどん行きますにゃ!」


 確かにサラの言う通りではあるのだが、あまりにも不気味だ。

 俺は、このダンジョン、前から、何から意図的なものがあるような気がしているので、何かの罠ではないかと勘繰ってしまう。

 しかし、もし罠があったのなら、この時点で既に引っかかっているはずだが?


「まあ、疑い出したらきりが無い。進んでみよう。」


 92階層も同様だった。

 何も無い。

 それでも囮を先頭に立てて、慎重に進む。


「本当に何も無かったな。もう93階への通路だ。」

「今までのパターンでは、ここから新顔が出ますわ。ひょっとしたら、百人前と、スワレントラップみたいに、ペアで出るのかもしれませんわ。」

「ふむ、単独では無力なので、揃ってからお披露目か。クレア、それはありかもしれんぞ。」


 だが、読みは当たらなかった。

 93階にも魔物は居なかったのだ。


 どうせならと、94階にも踏み入るが、やはり無人、というか無魔物。

 これを作った奴が居るとすれば、手抜きだな。


「う~ん、分からん。遅くなったし、今日はここで休もう。屋敷に戻ったところですることもないしな。サラちゃんじゃないが、このまま魔物が出ないようなら、一気に100階まで行かせて貰おう。」


 そう、俺達の装備は、現状、ほぼ完璧だ。

 やることがあるとすれば、さっきの90階層の主の魔核を、リムの帽子に付与するだけだ。

 ちなみに、魔核を取り出したのはリム。

 根に持たれていたようで、彼女が、自分がやると言い張ったので、サラに見えないようにしてからやった。


「それが良さそうっすね。でも、こんなのダンジョンじゃないっす! ただの洞窟っす!」


 カレンの怒りは理解できるが、どうしようもない。

 俺達は適当な行き止まりなっている小部屋を見つけて、野営の準備をする。

 当然、前の小部屋に囮を配置するのも忘れない。

 結界石も奮発して2個使う。

 どうせ、攻略してしまえば要らなくなる。

 このままなら、後数個もあれば足りるので、余るのは目に見えている。



 翌日も全く同じだった。

 スライムすら居ない。

 全くの無人。無魔物。

 魔結晶だけは落ちていたので、ダンジョンであることをかろうじて認識できる。


「う~ん、本当に何も居ないようだ。遂に99階層まで来てしまった。前回のようなことがあると嫌だから、今日はここで休もう。明日はいよいよ100階! ゆっくり休んでから挑戦だ!」

「「「「「はい!」」」」ですにゃ!」


 その晩の食事は豪勢だった。

 クレアが今まで節約していたのを一挙に放出したのだろう。

 例の刺身まで出た。


「なんか、最後の晩餐みたいで、落ち着かないな。今までなら、魔物を倒した勢いがあったのだが。そもそも魔物が居ないので拍子抜けだ。」

「そうですわね。でも、遂に99階ですわ! アラタさん、明日が終わったら、その、約束の方をお願いしますわ。」

「あたいもっす! これが終わったら、結婚っす!」

「ミレア・コノエ、なんか新鮮です。早く慣れないといけませんね。」

「あたしは、別荘が欲しいわ。湖のほとりの一軒家なんていいわね。」

「私は今まで通りがいいですにゃ。でも、アラタさんは、終わったら、次は何しますにゃ?」


 ふむ、サラの言う通り、俺はこの後の事は全く考えていなかった。

 正直、4人を娶る事までだけだ。

 そう考えると少し不安になる。


「そうだな。しかし、とにかく明日だ。全てはそれからだ。今日は早く寝るぞ。」


 そうは言ったが、その晩、色々な事が頭を巡り、寝付けない。

 皆も同じようで、ベッドに寝転がってはいるのだが、寝てはいないようだ。

 端っこのサラだけが寝息を立てている。


 俺が起きて、紅茶でも飲もうとソファーに移動すると、サラ以外の全員起きてくる。


「ふむ、お前達も同じか。そもそも魔物が出ないから、あんまり疲れていないんだよな~。」

「全くそうっす! このダンジョンがいけないっす!」

「でも、明日、階層主を倒せれば、アラタさんの望みが叶うのですわ。わくわくしますわ。」

「この世界の入籍の仕方、確認しておきますか?」

「お姉様方、まだ気が早いわ。でも、準備は万全ね。アラタらしい作戦だわ。」


 うん、全ては明日だ。

 細かい事を考えてもどうしようもない。

 イオリが言った事が本当なら、今までの謎も、全て明日解明されるだろう。


 ただ、問題は、明日の主に勝てるかどうかだ。

 しかし、リムの言った通り、俺達は明日の為、寝る前に相談し、作戦を立てた。

 おそらく、どんな魔物が出ようとも、少なからず効果が期待できると思う。

 ただ、もしこのダンジョンを作った奴が見たら、反則だと言われそうだが。


「それで、悔いは残したくありません。その、キスだけでいいです。して下さい。」


 ミレアの顔が迫ってくる。

 俺も嫌じゃないのだが、なんか変なフラグが立ちそうで、少し迷う。

 しかし、彼女の唇が触れると、そんなものは吹っ飛んでしまった。


 思いっきり抱きしめてやる。


「次はあたしよ。」


 リムも抱きしめ、キスをする。

 リムの舌が侵入してくる。

 

「リムちゃん、長いっす!」


 今度はカレンだ。

 俺が尻尾をモフりながらキスしてやると、彼女はあっさりと果ててしまったようだ。

 だから、何故そんな物を外に出しておく?


「あらあら、カレンは満足しましたのね。じゃあ、最後は私が。」


 クレアはいつも通り濃厚だった。

 そのまま押し倒されるが、なんとか踏み止まる。

 そう、ここにはサラが居る。

 皆も、慌ててクレアを引き剥がす。


 その後は、皆でお茶を飲み、ベッドに戻る。

 両脇にミレアとリム、更にその外側にクレアとカレン。

 文字通りの肉林状態であるが、俺はそのまま寝入ったようだ。



 朝、目覚めると、何故か胸の辺りがモフモフしている。

 見ると、俺の胸の中でサラが丸くなっていた。

 どうやって、この厳重な警戒網を掻い潜ったかは分からないが、まあいい。

 ダンジョンで皆と寝るのも今日までだ。

 最後くらいはと、可愛い耳をモフってやる。


「あ~っ! サラちゃん、それ違反っす! 禁止っす! モフられるのはあたいの特権っす!」


 ふむ、カレンが気付いたようだ。


「お前は昨日・・・、あ、いや、何でもない。」


 危うくサラが居るのを忘れるところだった。

 あまり性的なことはよろしくない。

 カレンの尻尾は立派な、その、弱点である。


 皆もこれで起きたようだ。

 案の上、サラはマッハで俺から引き剥がされる!

 う~ん、もう少しあの感触を楽しみたかったのだが。



 食事を済ませ、野営地を引き払う。

 これで最後かもしれないと思うと、何か、感無量だ。


 だが、それも階層主に勝ってからだ!

 俺はそう考えて、気を引き締め直す。

 ここで彼女達を失ったら、元も子も無い!



「思った以上の大物だな。ひょっとしたら、主も居ないのでは、と、期待していたのだが。」

「そうっすね。あたいのレーダーでは、でっかい赤点が1個、ほぼ部屋全部の大きさっす。」

「いや、カレン、2体居る。片方がでかすぎて、もう一体はそいつに隠れているだけだ。」

「それで、どんな感じですにゃ?」

「うん、一体は蛇の化物だ。部屋いっぱいにとぐろを巻いている。もう一体は、これまた巨大な狼。その蛇の上に立っている。5mくらいありそうだ。」


 蛇の方は、漆黒で、あのとぐろを解けば、100mくらいあるのではなかろうか?

 俺の国の、伝説の龍が実在すれば、あの感じだろう。

 違うのは、角はあるのだが、短い。

 また、手足も無い。

 顔付きは獅子のようで、たてがみみたいなのが首の周りに生えている。


 狼も漆黒だ。

 ただ、この狼は、ただでかいというだけで、それ以外に特徴は無い。

 せいぜい牙が6本見えていることくらいか?

 遠くから見れば、今まで見た狼の魔物と同じに見える


 あと、少し気になるのが、部屋の中心に巨大な、真っ赤に輝く水晶のようなものがある。

 あれは、色は違うが、城の神殿にあったのと同じ物ではなかろうか?

 そして、やはりあれは巨大な魔結晶と考えるべきか?

 もしそうなら、あいつらの気力は無尽蔵に近い!


「それで、あの作戦で行くの?」

「勿論だ、リム。じゃあ、全員準備してくれ。今回は相手も気付いていないようだ。」

「「「「「はい!」」」」」


 よし、準備完了だ!


「じゃあ、開けるぞ! まずはリム! 突っ込ませろ!」

「はい! 行きなさい! 二人十六脚!」


 ふむ、名前までつけたのか。

 まあ、見た通りなのだが、百人前の死体を魅了化し、背中を合わせた状態で縛り、背後の死角を無くしたものだ。

 こいつらは横には移動できるが、前後には無理。

 なので、この状態でも問題無く歩ける。


 俺が扉を開けると同時に、二人十六脚は口から泡を吐きながら、部屋に突入する!


「よ~来たな! 待っとったで! つうても少しやけどな。 まずは自己紹介や! わいは・・・、って、おい! ちょっと待たんかい! そいつをどないするつもりや!?」


 巨蟹が突入すると、巨大狼の方が喋ってきやがった!

 ふむ、まあ、予想通りだな。

 関西弁には驚いたが。


 しかし、もう情報は要らない。

 80階、90階の奴も喋ってきたが、大した情報は持っていなかったし、どうせこれで最後だ!

 それに、答える暇があるのなら、先手必勝で行ったほうが遥かにいい!


 俺は奴の言葉を華麗にスルーし、次の指示を出す。


「次、クレア、ミレア、サラ、投げ込め!」

「「「はい!」」」


 これは一度70階で使った戦法だ。

 ダイナマイトの魔核を利用して、誘爆させる作戦である。

 あの時は、スライムが爆風で分裂してしまい、成功か失敗か良く分らなった。

 

 しかし、今回は、前回と違って物量が違う!

 5個を網で束ねて、それを一人が2つ持つ。

 計30個のダイナマイト! 

 あれ以来、使わずに取っておいて良かった。


 予定通り、部屋の中心から少し離れた場所に、固まらないように、均等に投げ込まれる!


「よし! カレン!」

「はいっす! 無敵!」


 カレンが扉の前に立ち塞がる!


「ちょ、待てっちゅうとるやろ! そんなん反則や!」


 巨大狼が文句を垂れるが、知るか!

 大蛇の方も、目をぱちぱちさせている。

 そして、その大蛇のとぐろの上を、二人十六脚が、部屋の中心目掛けて駆けて行く!


「リム!」

「はい! 泡を撒きなさい! 二人十六脚!」


 2体の巨蟹の口に貯まっていた泡が、一斉に宙に放たれる!


「よし! 退避! カレン頼むぞ! 踏ん張ってくれ!」

「はいっす!」


 俺はそう叫ぶと、カレンの陰に入る!

 後の4人は扉の陰に隠れる!


俺は、宇宙創成、ビッグバンをイメージし、気力を込める!


「爆ぜろ! この世の始まり!」


 部屋の中心に、巨大な炎の塊が出現し、一気に膨張、爆発する!

 凄まじい轟音が響くが、当然、それだけでは終わらない!

 百人前2匹の、無数の泡爆弾、そして、クレア達が投げ込んだダイナマイトの魔核、それらが一斉に誘爆する!


 音の洪水だ!

 途中から、音が全く聞こえない!

 俺は、カレンを後ろで支えながら、必死に耐えるが、二人纏めて吹き飛ばされる!


「チッ、俺にも使えるだろ! 無敵!」


 俺は、吹き飛ばされながら、必死に気を練る!

 壁が迫ってくるが、無視だ!


 俺の身体が真っ赤に光る!

 よし! 成功だ!

 そのまま壁にぶち当たるが、何の痛みも無い!



「ふむ、終わったかな? 全員、返事しろ!」


 俺は、通路の端まで飛ばされたようだ。

 ステータスを確認すると、気力は流石に半分を切っていて、残り300くらいしかない。

 おそらく、あの、【この世の始まり】が大幅に食ったに違いない。

 体力も、少し減っているだけで、ほぼ無傷のようだ。


 ん? 返事が無い!

 ヤバい!

 全員あの爆発で死んだか?

 確かに思った以上の爆発ではあったが、連中が、あの程度で死ぬとは思えない!

 特に、カレンには【無敵】がかかっている。

 最低でもカレンだけは無事なはずだ!


 俺が起き上がって、周りを見渡すと、目の前にカレンが近寄ってきた。 

 更に、全員、俺に向かって駆けて来る!

 うん、大丈夫じゃないか、何故返事しない?


 あ~、そういう事か。


「ヒール!」


 俺は全員を選んでヒールをかける。


「「「「「アラタさん!」」」」」


 ふむ、あの爆音で俺の聴覚は失われていたようだ。


「おう! 俺は大丈夫だ! 皆は?! 階層主は?!」

「あたいは大丈夫っす! 部屋の中は、まだ見てないっす。」

「あたしも大丈夫よ! 少し耳が痛かったけど、今ので治ったわ。」

「私もですわ!」

「私も大丈夫です!」

「ぴんぴんしてますにゃ! 主は・・・、まだ見てないにゃ。」


 俺を気遣う暇があったら、主を確認して欲しかったのだが、まあ仕方無い。


「縮地!」


 俺は、彼女達を残して、扉の前に移動する。


 中はまさに爆撃の痕だ。

 無数の肉片らしきものが散らばり、中心にあった水晶も無くなっており、破片らしきものが辺りに散乱してる。


 奥を見ると、いつもの扉が開いていた!


次回は、いよいよこの世界の真実とやらです。


ブックマーク登録ありがとうございます!

評価や感想なんぞも頂けると励みになります。m(_ _"m)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ