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冬うらら2  作者: 霧島まるは


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結婚式:指輪の交換-3

 こんな、指輪の交換を見たのは初めてだ。


 さすがにソウマは、眉間に一本シワを入れてしまった。


 カイトは、順序を何もかも間違えていたのである。


 手袋も取り忘れる、ヴェールも上げ忘れる。


 挙げ句、一瞬にして指輪をはめて終わりなのだ。


 カイトの態度に、クレームをつけようとしていたソウマは、そのためシャッターチャンスを逃してしまったのである。


 速攻どころの話ではなかった。


 そう思っているのは、ソウマだけではないようだ。


 周囲の連中も、余りの出来事に目をむいている。


 そりゃないじゃないか、と。


 普通ならば、ここはわざともったいぶってゆっくりはめるのが、カメラマンへのサービスである。


 それを、カイトは全て台無しにしてくれたのだ。


 いくら恥ずかしいからって、大事な記念写真を―― と思うのが、一般人だが、その気持ちは彼には通じないだろう。


 分かっていたとはいえ。


 ソウマの苦笑は、途切れることはなかった。


 しかし、いまは気持ちを切り替えなければならない。


 今度は、新婦から新郎への指輪をはめる儀式が残っていたのだ。


 せめてこっちくらいは、綺麗に撮ってやろう。


 少なくとも、それはメイのためにはなるはずだった。


 今度は、周囲のカメラマンたちも遠慮しない。


 シャッターチャンスを逃してなるものかという意気込みが、新婦への指示として飛びまくる。


 が。


 ヴェールを上げるように言うのが遅かった。


 おかげで。


 写真自体は綺麗に取れた―― のに、映っているのは、ぶすったれた新郎の顔だけとなってしまったのだった。




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