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精霊の森  作者: 富幸
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森の精霊 6

 


 鳥居をくぐり大岩を回って神木の前に来たが何だか怖くてすぐに耳を付けられなかった。

 辺りを見回しても変わった事は無い相変わらずセミや鳥のさえずりが聞こえるだけである。

 僕は恐る恐る耳を神木に付け眼を閉じた。

 しばらくそのまましていたが何も見えない僕はホットして木から離れた。

 その時である声が聞こえたのは

「いっちゃん驚かないで我々はこの森の精霊だ゜君に直接話しかけている」

 朝と同じ声が聞こえた。

 さすがに初めてで無い為驚きは少なかった。

 けど頭に直接話かける事が理解できないし声も聞こえないそれなのに聞こえる。

 僕は又解らなくなった。

「どうして聞こえるの?」

「落ち着いてよく聞くんだよお宮の後ろにしめ縄をした木があるだろう。その木に耳をあててごらん我々の姿がわかるから」

 僕は誰に見せるでもなく頷いて森から出ると参道を上がって行きお宮の裏のしめ縄をした樫の神木に耳を付け眼を閉じた。

 すると見た事の無い風景が広がり正面に見た事の無い僕と同じ位の少年がニコニコしながら立っている。

 僕は心の中で君は誰と問うと

「僕がこの森の精霊さ」

「だって君僕と同じじゃないか」

「あのねいっちゃん僕達精霊は姿形は自由自在なのこの姿は君を驚かさない様にしているだけさ」

 そう言われると確かに朝の西畑さんの時と違って話しやすいし異性として意識する事もない。

 すると精霊は

「フフフ」

 と笑い

「いっちゃんはあの子が好きなの」

 僕は慌てて

「そ・そんなんじゃないけど」

「けど?」

 僕は返事が出来なかった。


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