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07、ローラー

山井「……」


牧村「えっ3人目?」


羽賀「まじか」


前島「お前が占い師だと?」


日菜々「う、うん。占い師を引いたのは私だけなはずなのに。だからこの2人おかしいよ」


まさかの3人目の占い師。

これは初日から面白い展開になったな!

本物は誰だ?


桐生「な……噓でしょ」


織田「はっ!また偽物が出よんのか。

これは明らかに桃山の処刑逃れじゃな」


斉藤「どういう状況なんだ!」


山井「え?あれ?つまり……これって……」


前島「おい、全員聞け!

ふう……話が変わったな。今日は占い師の3人の誰かに投票し、処刑する方針に切り替えるぞ」


前島が告知する。


桐生「はあ?な、何でよ?さっきと言ってること違うじゃない!」


前島「状況が変わった。

本物は誰かはわからんが、嘘つきが2人。1人は狂人だとしても、この3人の中に人狼が1人紛れこんでることになる。

ならば、この3人の役職はそれぞれ何かわかるか?」


羽賀「えっと……

本物の占い師、狂人、あと人狼?」


前島「その通り。

狂人と人狼は同じチームだが、お互いに認知出来ないことから、これは連携ミスだと解釈出来る」


牧村「どゆこと?わかんない」


前島「例えば、まず人狼が占い師だと宣言。狂人はそれを本物が出たと勘違いし、対抗した。しかし本物の占い師も出てしまった。

簡単に言えば、占い師と言った3人共、対抗している2人の役職が何かはわかってないんだ」


斉藤「な、なるほど。

しかし占い師の情報は大切ではなかったのか?

間違って本物を処刑してしまったら……」


前島「確かにそう言ったが、今占い師の存在のおかげで、人狼と狂人が1人ずつ露呈している。

誰が何かわからん以上、全員処刑するしかない。だがそうすれば占い師の犠牲は出るが、狂人と人狼も1匹ずつ殺せてあと人狼が1匹だけになるって算段だ」


羽賀「占い師を全員殺すローラー作戦ってわけか」


前島「むしろ最大3日使うので、今日からローラーしていかないと間に合わない」


織田「1日で1人処刑し、1人襲撃される。

9人、7人、5人、3人、終

村人チームには、4回の処刑しかないからじゃな。なるほどのう」


羽賀「本物の占い師には悪いが、ローラーしていくしかないのか」


牧村「えーっと、霊能者って処刑した人が、次の日に人間か人狼かわかるんだよね?」


前島「ああ」


牧村「なら1人目の占い師を処刑して、明日霊能者の役職の人が処刑した人の結果を見る。

そこで人狼って結果が出ればローラーはストップすればいいよね?」


前島「そう。たまにはまともなことを言うじゃないか。

そこでローラーを行い、霊能者の結果が人狼と出るまで繰り返す。

上手く1ターン目で人狼を処刑し、そこでローラーを止めれば占い師は確実に残せる。

まあ占い師が3人出た時のローラー作戦は人狼ゲームの定石だ」


羽賀「つまり今日3分の1で本物を処刑さえしなければ、3分の2で人狼側を処刑出来るわけだし、全然勝てる目はあるってことだな!」


斉藤「本物の占い師に告ぐぞ。

死ぬ気で本物アピールをしてくれ」


斉藤がそう言うや否や、織田が呟く。


織田「なるほどのう。占い師3人の中に人狼1匹、周りのグレー6人の中に人狼がもう1匹。

グレー6人なら16.7%、占い師3人なら33.3%で人狼が吊れる。

ちっ……こりゃあ客観的に見ても、当然の流れじゃな」


羽賀「計算早えんだな、あんた」


織田「ふん、悪いことは言わん。

わし以外のどっちかに投票しとけや」


桐生「わ、私が本物よ!

ここで誤って私を処刑しちゃって占い師を失うと全員死ぬわよ?」


織田「嘘つけえ!お前ら騙されんな!わしが本物や!聞く耳持つな!」


桐生「私が一番最初にカミングアウトしたんじゃないの!」


日菜々「……」


織田「はあ?カミングアウトの順番なんか関係あるかい!

わしはお前が乗っ取ろうとしたから、出たまでや。

本物ならいきなり出て、人狼に噛まれたらどうしようと思ったりするもんやけどな。普通は」


桐生「それは私も思ったわよ!

でもあそこまで疑われたから仕方なくカミングアウトしたって、さっきも言ったじゃない!」


日菜々「……」


織田「はぁ、嘘の上手い女や。

あと桃山日菜々!お前さん何も言うてけえへんけど、本物やと言うならアピールせんでええんかいの?」


日菜々「……」


前島「桃山、ひとつ教えろ。

お前3人目としてカミングアウトすればローラーされるとわかってたのか?」


日菜々「うん……だから怖くてなかなか言えなかった」


前島「じゃあなぜ結果カミングアウト出来た?」


日菜々「……このままほっといたら占い師は、狂人と人狼に乗っ取られちゃう。

そうなると嘘の情報で、村人の負けになる。

だから勇気を出してカミングアウトしたよ」


山井「……」


前島「なるほど。だから最初、桐生のカミングアウトに食ってかかってたのか」


前島は腕を組み、考える。


前島「わかった。

これは桃山日菜々が本物の占い師の可能性が高い。

俺はそう思っている」


織田「な、何でじゃあ!

責められたから、処刑逃れのカミングアウトじゃろが!」


前島「いや桃山の目線を考えた時、3人目にカミングアウトすればローラーされることは必至。

それでもカミングアウトしたってことは狂人や人狼の可能性は低いんだよ」


羽賀「えっ何で何で?」


前島「桃山が偽物の場合。

桐生と織田のどっちかは偽物仲間ということになる。

ならば、わざわざローラーをさせにいく意味がない。

自分かどちらかの仲間が処刑される確率の方が高い。


そしてそうなるくらいなら、まだ誰も名乗っていない霊能者だと言う方が効果的だろう?

もしそうなっていたら、占い師も霊能者も偽物混じりで、何も確定するものがなくなる」


羽賀「そっか、だから本物が正直にカミングアウトしたって可能性が高いわけだな」


前島「基本的に、ローラーは人狼側が最も嫌がる作戦のひとつ。

この作戦をせざるを得ない状況にした3人目の桃山は人狼側ではなさそうと言う理論だ」


なるほど。

日菜々がどこか怪しかったのも役職を持っていたのなら、少し納得出来る。

前島のマークは上手く振り払ったようだな。

だが、逆に裏をかいたのかもしれないぞ。


時計の針が残り1分にまで差し迫る。


前島「あと1分だ。

ではまとめるぞ。

今日は全員、桐生、織田、桃山の誰かに入れろ。

個人的に怪しいと思うやつで構わん。そこだけは守れ。

あとここでひとつカミングアウトがある」


ん、前島が?何だ?


前島「俺は役職持ちだ。

何かはあえて言わないでおこう。

ただ占い師ローラー作戦の肝となる役職だから、騎士は必ず俺を守れ。以上だ」


ゴーンゴーンと鐘の音が響く。

村民会議の時間は終わった。


ほう、前島の最後の発言気になるが、時間切れにて追求は不可。

さてここからは投票タイム。


セイギノミカタ「はい。話し合いは終了です!

これより一切の会話を禁止させていただきます!

日が暮れて、容疑者を処分する時間がやってきました。


では手元のモニターを見て下さい」


そこには円卓と、椅子に座る10人のアイコンがそれを囲んでいた。

清水灰司と書かれたアイコンにはバツがつけてある。


セイギノミカタ「そのモニターはタッチパネルです。

今から1分以内に、今日処刑したい人のアイコンをタッチして下さい。

このあと誰が誰に入れたか公表したのち、最多得票の処刑を執行します」


皆がゾッとしているのが肌で感じとれた。


全員がタッチパネルを見て悩む。

そして意を決して誰かを指定していく。


桐生「……」


織田「……」


日菜々「……」


最初は占い師と名乗る3人の中から決まりそうだ。


くくく。


さて、誰が最初の犠牲者となるのか見ものだな。






1日目、昼のターン。

挿絵(By みてみん)

1、前島康隆

2、羽賀亮也

3、牧村芽衣子

4、織田武臣

5、山井小百合

6、九十九一

7、桐生星華

8、斉藤章三

9、桃山日菜々


全員生存。残り9人。

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