挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
人狼ゲーム -八つ目の大罪- 作者:寂尾蘭太
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

4/33

03、村村村占霊騎狂狼狼

セイギノミカタ「では細かい説明するね!
ゲームのルールは一度しか言わないから、よく聞いててね!
質問なら最後にまとめてうけつけるから!」

そいつは淡々と説明する。
言いたいことは勿論あるが、うまく言葉を選べない。

セイギノミカタ「まず知らない人もいるかもだから、基本的な人狼ゲームの説明から!
ちなみに人狼ゲーム初めてやるよって人、手を挙げて!」

クラスでやるレクリエーションみたいな口調で問われる。

牧村「あ、はい!初めて!」

斉藤「……名前は知ってる程度だ」

山井「……わ、私も」

牧村、斉藤、山井の3人が手を挙げた。
と言うことは残る人は、少なからず経験があるということか。

セイギノミカタ「はーい、ありがと!
じゃあきちんと説明しなきゃね!

人狼ゲームとは、
トーク形式で行う心理ゲーム。
村人チームと、人狼チームに別れて相手チームを殲滅していくゲームだよ。
初めに役職を決めて、村人チームか人狼チームか決めるんだけど、自分以外の役職は基本的には知ることが出来ないんだ。

で、人狼の役職になった人達はうまく村人の中に紛れ込む。
村人は紛れこんだ人狼を見破り処刑する。大まかな説明ね。

ゲームの流れは、昼のターンと夜のターンに別れる。
昼のターンは村人のターン!
村人が人狼と思う者を1人、多数決で処刑する。
夜のターンは逆に人狼のターン!
人狼はこっそりと話し合って、殺害する村人を1人決定する。

こうして、2日目、3日目と昼と夜のターンを繰り返すことで人数が減っていく。

その中で、
村人チームの勝利条件は、村に紛れた全ての人狼を処刑すること。

人狼チームの勝利条件は、生き残っている人狼と同じ数にまで村人を減らすこと。
人狼が2匹生き残っているなら、総数4人まで減らせば勝ち。
1匹なら総数2人までね。

ここまではオッケーかな?

でも村人チームは、いきなり人狼を見つけろなんて言われてもわからないよね?

だから村人チームには頼りになる特殊能力を持った役職があります。

ここからその役職の種類の話をするね。
ここ重要だよ。

まず、占い師が1人!
この役職の人は夜のターンになると、誰か1人を占って、その人が人狼か人間か知ることが出来ます。
あくまで人狼か人間の2択で、役職があるかまではわかりません。
怪しい人の正体を知れる占い師は、村人側で一番重要な役職だよ。

次に、霊能者が1人!
この役職の人は夜のターンになると、昼のターンに多数決で処刑した人が、人狼か人間だったか知ることが出来ます。
昼のターンだけなのは、夜のターンに人狼に襲われちゃった人は人間確定だから。
人狼があと何匹生きてるか知ることが出来る貴重な役職だね。

そして、騎士が1人!
この役職は夜のターンに人狼の襲撃から誰かを守れる役職ね。
もし守った人が、人狼の襲撃対象に選ばれた場合、ガード成功。
その夜に犠牲者は出ません。
ただし、騎士は自分自身を守ることは出来ないので、ご注意を。

そして、狂人が1人!
この役職は、人間なんだけど人狼チームが勝利した時にだけ勝利する特殊な役職だよ。
つまり人狼側の人間。
人狼を探す村人を混乱させるのが仕事。
狂人の厄介なのは、占い師や霊能者の結果が人間と出ること。
そして狂人を処刑しても人狼側には痛くないこと。あくまで村人は人狼を処刑しなくてはダメで、狂人を処刑することは勝利条件ではない。
逆に言うと狂人が生き残っていても、人狼さえ処刑すれば村は勝てるってこと。
そして一番大事なポイントは、狂人は誰が人狼かわからなくて人狼も誰が狂人かわからないってことね。

最後にこのゲームのメインである役職、人狼が2人!
人狼は村人チームに紛れて、処刑されずに、夜に1人ずつ村人を殺害していく。
人狼のポイントは、もう1人のパートナーが誰かを知っていること。
だから夜に誰を殺害するかも相談して決められる。
2人で協力して勝利を目指してね!

で、残り。村人が3人!
この3人は何にも能力がないただの村人チーム。
ゲーム上では一番多く、つまらない役職って言われてるけど、
村人の仕事はわずかなヒントからも人狼を見つけ出すこと。

村人、3人
占い師、1人
霊能者、1人
騎士、1人

村人チーム6人。

狂人、1人
人狼、2人

人狼チーム3人。
合計9人!

ゲームの配役については以上だ」

そこで一度区切った。
今のところ普通の人狼と変わりないルール。
今のところは。

セイギノミカタ「そして最後に大事な説明。
羽賀くんの席の後ろの壁を見てよ」

私から見て左側。
目を向けた。
そこには何本もの電線が絡み合う金網に囲われた空間があった。
椅子はないが、電気椅子を連想させる。

セイギノミカタ「それは電気椅子。
昼のターンで処刑が決まった人を処刑する装置ね!
円卓がメリーゴーランドみたいに回転して、処刑者は電気椅子の正面に連れていかれます。
そして処刑者を椅子ごと金網の中に引き込む仕様になっています!」

この縛りつけられている椅子ごと連れて行かれる?
ゾッとした。

セイギノミカタ「そして次は九十九くんの席の後ろの壁を見て」

今度は右側。
電気椅子とちょうど反対の場所。
そっちには、狼の顔をした洗車機のような物がある。
狼の口が、入り口となっており、1.5mほどの大きさのそれも、人を椅子ごと引き込みそうだった。
今は口を閉じているように見える。

セイギノミカタ「それは狼の牙って言ってね、夜のターン人狼に襲撃された人を椅子ごと引き込む装置さ。
作動させれば、多種多様の刃物が突き出てきて、中に入った人をズタズタに噛み殺す仕様になってるよ」

こちらもゾッとする。
本気で言ってるのか?

セイギノミカタ「あ、それと余談だけど、この電気椅子も狼の牙も電力の関係でそれぞれ最大9回ずつまでしか作動出来ないんだ。
省電を目指して、早目に決着つけてくれたら嬉しいね。あははは。

あ、あと負けたチームは決着時に生き残りがいたとしても、全員この装置で処理するから。

どういう場合があるかと言うと、人狼と同じ数になった時に生存してる村人とか、人狼が死に絶えた時の狂人とかね!

一回ここで区切ろうか。
何か質問ある?」

しんと静まり返った。
みんな呆気に取られていた。

織田「……ふざけんな!何が質問じゃ!出てこんかい異常者が!」

羽賀「そ、そうだ!実際に死ぬ人狼なんて誰がやるかよ!」

前島「そこのカメラで見てるんだろ?
俺達が、快くそんなもんやると思ってんのか?」

部屋の四隅の天井に監視カメラが確かにあった。

九十九「ほう、カメラか。
自分は安全な場所で高見の見物で、我らに殺し合いをしろと?」

桐生「目的は何なのよ!そんなことさせるメリットは!」

山井「か、帰して……ください」

牧村「何で私なの?私こんなことに巻き込まれる心当たりないよ」

斉藤「そうだ!善良な一般人である私達を、どうしてこんな目に合わせるんだ!」

みんな口々に騒ぐ。
それに対して、そいつは溜息を吐き、やれやれと答えた。

セイギノミカタ「善良な一般人?
笑わせるよね。それ。
お前ら本当に自分が選ばれた理由わかってないの?

……だってお前ら全員、人間社会に紛れ込んでる人狼じゃないか!」

そいつはそう言い切り、笑い始めた。

セイギノミカタ「表では善良な人間を装いながら、裏では自分の欲を満たすため隣の人間に襲いかかる。
知らないとでも思った?
人狼ってお前らのことじゃん!」

前島「……何のことだ?」

牧村「私達が人狼って……どういうこと?」

斉藤「なんなんだ!はっきり言い給え!」

そいつは一息つき、読み上げるように語り始める。

セイギノミカタ「全部みんなの住む市内であった悪夢の話ね。

一軒家放火全焼事件。
火が放たれたのが深夜ということもあり、父、母、長女、次女の4人家族のうち、次女以外死亡した。
火を放った犯人は今も特定に至らず。

県内トップ偏差値を誇る名門女子高で起きた事件。
当時学年トップ成績の生徒が、校舎から飛び降り死亡。
調査の結果、勉強疲れによる自殺と断定。

高校教師による女子生徒殺害事件。
死の原因は、教師による過度な体罰。
指導の範囲だったと、その教師は供述。
この教師は退職こそしたが、罪には問われなかった。

某所山中で女子高生の遺体が発見された。
女子高生は男に乱暴された形跡があり、さらに被害者所持品から女子高生では購入するに考えにくいブランド品が数点発見されたことから、援助交際によるトラブルが原因だと断定。
しかし実行犯特定には至っておらず。

2年前から多発している事件。
少年院から出所直後の少年少女が、十数名行方不明になっていることが判明。
行方不明になる前の彼らの行動や、彼らの共通点のなさから、何者かが出所後の少年少女を狙って拉致していると考えられるが、目的は不明。

老夫婦首吊り心中自殺。
警察による遺体発見時、老夫婦の全財産はわずか数十円
老夫婦は生涯で貯めた財産を全て奪われたと、詐欺の被害届を出していた。
似た被害届が多発していることから、10年以上手がかりさえ掴めていない伝説の詐欺師「Mr.ミスターハロウィン」による手口ではないかと推察。

先週、某所アパートにてバラバラにされた女性の死体の一部が発見される。
死亡した女性はアパート在住の九十九つくもももさん、70歳。無職。
警察では、百さんと同居していた一人息子、九十九一さんが失踪していることから、彼を重要参考人として捜索中」

私は動悸が早くなり、目眩がした。
今語られた7件の事件のうち、ひとつは明らかに自分の親友、明日香が死んだ事件だった。

この誘拐犯が何者か知らないが、事件の真相究明にまで至っているのであろうか?

まさか……

顔を上げる。
そこで驚く。
みんなうつむき、憔悴していた。

なぜそのことを?

彼らの顔がそう語っていた。
おそらくここにいる全員が、公表されたどれかしらの事件の関係者もしくは、犯人であるのだろう。

犯人……
明日香を殺した、犯人……

セイギノミカタ「ははは!
焦ってるねみんな。
僕はちゃんと知ってるんだよね。
みんなが社会に潜む人狼連中だってことをさ!

傲慢、強欲、憤怒、怠惰、暴食、嫉妬、色欲

そう、僕はセイギノミカタ。
君達七つの大罪を裁く正義の味方なのさ!」

ここにいる全員が、人間社会の人狼。
正しいのは正義か悪か?
そして何が正義で何が悪なのか?
さらにそれは真実なのか嘘なのか?





1、前島康隆
2、羽賀亮也
3、牧村芽衣子
4、織田武臣
5、山井小百合
6、九十九一
7、桐生星華
8、斉藤章三
9、桃山日菜々

全員生存。残り9人。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ