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人狼ゲーム -八つ目の大罪- 作者:寂尾蘭太
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02、9人村

イラスト:あしかが様
挿絵(By みてみん)

チャラ男「ふあーあ、うっせーなー。今何時だ?」

少女「え?何これ?外れないよ」

お嬢様「ちょっと何よこれ!私をどうするつもりなのよ!」

自分以外の8人が順々に目を覚まし、状況に驚愕し始めた。
少し早めに目覚めた私は、8人の特徴と発言に注目する。

ヤクザ「なんじゃこりゃあ!
おのれら、何するつもりじゃこら!」

メガネ「……騒ぐな単細胞が。俺らも貴様と同じ状況だ」

パーカー女「……ここ……どこ?」

ガリガリ男「ふむ。みな同じ状況なのか。
なら我々は拉致でもされたかな?」

ガリガリ男の言葉にみんな水を打ったように静まりかえった。
異常なほど痩せていて、ギョロっとした目が特徴的な男だった。

少女「拉致?何で?私、拉致されたの?」

チャラ男「あれ?俺も拉致られちゃったの?はは……やられたな」

ヤクザ「何で拉致されにゃいかんねん?」

ガリガリ男「それはわからない。
ただここにいる全員が被害者と言うなら、こんな椅子に縛りつけている以上、いずれ犯人側からアプローチがあると思うがな」

メガネ「確かに。ただ、我々を縛りつけて卓を囲ませている理由は気になるな」

ヤクザ「ふん!難儀なことやのう。どいつかここに縛られてる経緯を知っとらんのか?」

ここにいる全員があのマスク男に拉致されたのだろうか?

メガネ「俺は自宅で寝ていたはずだ」

チャラ男「そうなの?……ま、俺もそんなとこかな」

日菜々「あ、私は登校中に変なマスクを被った人に眠らされたの覚えてます」

メガネ「ほう。
なら女子高生よ、そいつはお前に何か言っていたか?」

日菜々「一緒に来いって言ってきて、私が抵抗したら薬みたいなので眠らされたの」

少女「あ、私もそんな感じだったよ!」

お嬢様「くそ、私を拉致するなんて絶対許さないわ。
いくら払ってでも犯人を捕まえてやるんだから」

チャラ男「ちなみにさ、ここにいるメンバーってどういうメンバーなの?
知り合い同士の奴らとかいる?」

チャラ男がみんなの表情をちらちら伺う。
私は咄嗟に答える。

日菜々「私は誰も知らないよ。初めて見る人ばっかです」

メガネ「ああ、俺も関わり合いのあったやつはいない。
しかしそこのあんた!あんた斉藤章三じゃないか?舞台俳優の」

少女「えっ、本当だ!私も知ってるよ。
本人ですか?」

今まで一言も話してなかった彼に視線が集まる。

斉藤「……ああ、そうだ。
私もそこそこ知名度はあるのだな」

日菜々「……」

舞台俳優、斉藤さいとう章三しょうぞう
知名度はそこまで高くない。
知る人ぞ知る印象だ。
ここにいる人間の半分も知らないだろうが、私は斉藤章三を知る側だった。

斉藤「……ただ私から見て、この中に顔見知りはいないぞ」

少女「うーん、なるほど。
ねえねえ、だったらさ!
みんなで自己紹介でもしない?同じ被害者なら情報共有大事だよ」

確かに。
全員の情報を少しでも聞くべきとは思った。

メガネ「同意だな。では俺から時計回りにでいいだろう。
俺は、前島まえしま康隆やすたか
年齢は30歳。市内で探偵をしている。以上だ」

メガネが印象的だった男は探偵と称す。
髪も男にしては長く、眼光は鋭い。
クールなイメージだが、口調が荒いせいか性格がいいとは思えない。

チャラ男「あ、時計回りなら次おれか。
えーっと、羽賀はが亮也りょうやっす!
25歳。えーギャンブラーです。趣味はギャンブル全般。よろしく!」

髪は茶髪のツーブロック。
チャラい印象だったが、口調も軽い。

少女「あ、えっと……私は牧村まきむら芽衣子めいこです。18歳。
大学1年生です。専攻は心理学です。
えーっと、よろしくお願いします!」

幼さが感じられる少女は、なんと年上だった。
背や顔立ちも中学生に見えるくらいだ。
だが頭がよさそうには見えない。

ヤクザ「わしは織田おだ武臣たけおみじゃ。歳は38。
人様を怒鳴りつけて言うことを聞かせる仕事をしとったわい。
他、おのれらに教えれることなどあらへんわ」

ガチガチのオールバックで、ヤクザ風な男は大き目な声でそう言った。
印象通りヤクザなようだ。

パーカー女「山井やまい小百合さゆり……です。
20歳です。特に何もしてないひきこもりです」

彼女は黒いパーカーのフードで目元を隠し、うつむきながら言った。
ひきこもりか。

ガリガリ男「九十九つくもはじめ40歳。以上」

感情が感じられないギョロっとした目付きの男はそれだけ言った。

前島「ふ、お前やはり九十九か。
……殺人犯でも拉致されるんだな」

殺人犯?九十九?
もしかして……

私も気付く。

織田「ほう、まさか最近ニュースで話題になっとるやつか?」

前島「ああ、自分の実の母親を殺してバラバラにした指名手配犯だ。
顔を見てそうかと思った。
異常者でさえ被害者になるとはお笑いだな」

九十九「……私から言えることは、私が殺人犯と言うのは事実だが、この状況に関しては君らと同じ被害者だ。
私を捕らえに来た者は警察だと思っていた。
そして安心するといい。私はこんな拘束具などなくても、どこにも逃げられやしない。以上だ」

指名手配犯までいるとは。
殺人犯が近くにいるという身の不安を感じながら、益々このメンバーの共通点が気になった。

逃げられないとは、どういう意味なのだろう?

お嬢様「……あ、呆れた。まともな人間がいないじゃない。
私はあんたらとは違うからね。
桐生きりゅう星華せいかよ。23歳。
桐生財閥社長の一人娘。あんたらとは生きてる世界が違うから」

不安な空気になったが、次の彼女が自己紹介を続けた。
髪は綺麗なパーマで長髪。
ドレスのような服を着ているし、やっぱりお嬢様だったか。
すごく美人な人だが、性格はきつそう。

斉藤「斉藤章三だ。44歳。
知ってる者は知ってるようだが舞台俳優だ。
妻子持ち。私もまともな人間だぞ」

無精髭に薄くなった前髪。
はっきり言って見窄らしい。
そんな隣まで自己紹介が終わる。
次は私の番だ。

日菜々「……桃山日菜々です。17歳、どこにでもいるような普通の高校2年生です。
この中に知ってる人はいません」

皆が見ている中、少し緊張した。
他に何を言えばいいのかわからなかった。

前島「全員終わったな……ここは空席か?」

前島が指さしたのは、最初に始めた前島の右であり、一周まわって最後の私の左の席だった。

羽賀「そこだけ椅子もねえのな。最大10人で囲める卓だけど、今は9人ってことで気にしなくていいんじゃねえの?」

牧村「えっと……
探偵、ギャンブラー、心理学専攻の大学生、ヤクザ、ひきこもり、指名手配殺人犯、お嬢様、舞台俳優、女子高生。
うーん……全然共通点が見つからないね」

灰ちゃんは、いないんだ……
私は心配になる。

まあでも目当ては私みたいだったし、捕まえられたとしても解放してもらえたのかな?

そこで突如、円卓中心のスクリーンが光を持つ。
同時に音声が流れる。

???「……やあ、みんなおはよう!
自己紹介は済んだかな?」

私を拉致したヒーローマスクがスクリーンに映っている!
背景は、どこか館の一室のような場所で、上半身しか映っていない奴がこちらに手を振っている。

犯人側からのアプローチ?
九十九の言葉を思い出した。

織田「あ?なんじゃおのれ!
何者じゃこら!」

???「それぞれ自己紹介は済んだみたいだね。じゃあ僕もしようかなー
僕はセイギノミカタだよ!
よろしくね」

正義の味方だと?
ヒーロー気取りのマスクを凝視する。
ボイスチェンジャーでも使っているのか、ふざけた声がそう告げた。

織田「はあ?セイギノミカタじゃと?
ふざけとんのか!ぶっ殺すぞわれぇ!」

前島「貴様が俺達を拉致した犯人か?」

牧村「あ、私!このマスクの人に拉致されました!」

羽賀「あの……何でそれ被ってんの?」

桐生「ふん、どうせ金目当ての誘拐犯でしょ。いくらほしいのよクズ」

セイギノミカタ「まあまあ、落ち着いて。
これから順を追って説明するからさ!
みんなにはこれから、あるゲームをしてもらいたいと考えてるんだ!」

山井「……ゲーム?」

セイギノミカタ「そう、ゲーム。
そのゲームとは、人狼ゲーム!」

斉藤「人狼ゲーム?」

羽賀「あー人狼か!やったことあるわ」

私も知っている。
クラスで流行ってて、何回かプレイしたことはあった。

セイギノミカタ「ただし、ただの人狼じゃないよ!
ここのルールでは、みんなにリアルに命を賭けてやってもらおうと思います!
ゲーム上で死んだ人は、実際に死んでいただく仕様となっているんだ!
おもしろそうでしょ?」

はっきりと告げた。
その言葉は、妙に真実味があり、
さらに冷酷さを含み、
彼がこのゲームへの期待、楽しみにしている無邪気さが感じとれた。

ひとつだけはっきりしていることは、
学校で経験した遊びの人狼ゲームとは全く違うものだということ。





1、前島康隆………探偵
2、羽賀亮也………ギャンブラー
3、牧村芽衣子……心理学専攻大学生
4、織田武臣………ヤクザ
5、山井小百合……ひきこもり
6、九十九一………指名手配殺人犯
7、桐生星華………お嬢様
8、斉藤章三………舞台俳優
9、桃山日菜々……女子高生

全員生存。残り9人。
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