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人狼ゲーム -八つ目の大罪- 作者:寂尾蘭太
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29/33

28、村人co

桃山日菜々→牧村芽衣子

モニターに決着が表示された。

牧村「……」

羽賀「……え?」

牧村「……うそ」

日菜々「……」

セイギノミカタ「それではまとめます!
羽賀亮也さん、1票。
牧村芽衣子さん、2票。

はい!投票の結果、牧村芽衣子さんの処刑が決定しましたー!」

牧村「……何で?」

日菜々「ごめんね、嘘ついて。
私……牧村さんには騙されないよ」

日菜々がはっきり告げる。
最後に、変えたのか。

セイギノミカタ「では、これより処刑を開始します!」

残り3人となった円卓は回転を始める。

そして、電気椅子の前に牧村が来たところでピタリと止まる。

牧村「そんな!……私は!本当に……
……いやもういっか」

牧村は脱力したかのように椅子に深く身を預けた。
少しずつ電気椅子の方へ、椅子が引き寄せられる。

牧村「はぁ……負けちゃった。悔しいな。
羽賀さん、おめでとう……君の勝ちだよ」

羽賀「……」

牧村が金網の中で止まった。
同時に機械が作動する音が響いた。

牧村「やだな。死にたくないな……」

多量の水が牧村の頭上から降り、ずぶ濡れになる。
牧村ほどの小柄の女が電気椅子に仕掛けられると胸が痛む。
無垢な少女を処刑にかけているようで。
だがその実態は、最悪の詐欺師。
この容姿に騙された者は星の数だ。

牧村「ねえ、2人とも!」

羽賀「……あ?」

日菜々「……?」

困惑した顔で2人とも辛うじて反応する。

牧村「私はね……村人でした!
ふふ、天下の詐欺師の最期の発言だよ。
あなたは信じられるかな?
あはははは!」

高らかに笑う。

セイギノミカタ「準備オッケー!
牧村芽衣子、処刑執行!!」

4度目である電気椅子の稼働。
誰も声を漏らさない。もう慣れた作業だったのかもしれない。

意味深な発言を残し牧村は死亡。
この日から、伝説の詐欺師Mr.ハロウィンの被害者が新しく生まれることはなくなった。











独白
『強欲の大罪』



幼少期の私は、悪戯好きの子供だった。
あと、あれも欲しいこれも欲しいって親にごねるどこにでもいる子供だったと思う。

悪戯好きでほしがり。
私はそのまま、大人になった。

ねえ、あなたはさ。
人狼ゲームで、村人と人狼どっちが好きかな?

……人狼じゃない?

だって人狼ゲームを観戦する時も、人狼の方を応援してる時ってあるでしょ?

人は心のどこかで誰かに騙してもらいたい感情があると私は確信している。

でも、私は人狼ゲームを観戦するのも好きなんだ。

内容は勿論、フルクローズ。
誰が何の役職か知らないまま見る。
で、終わったあとに、もう一度見る。

そうするとさ!
あーだから、この時こんな態度になったんだって、また楽しめるからね。

まあ私がプレイする方なら、勿論人狼が好きなんだけどね!
人が騙された時の顔を、正面から眺められるから!

私はそれを心底楽しいって感じてしまう。

初めてそれに気付いたのは、15年前高校生の頃。
人狼ゲームが日本で流行り始めた頃。

人狼ゲームをして、ラストウルフで勝った。
たったそれだけのことだけど、村人達の悔しがる顔でものすごく満たされた。

人を陥れ、賞賛される。
なんて快感なんだろう!

これだ!私の生きる道はこれだ!
おそらくミステリー作家や、オチを作る映画演出家、人を欺くマジシャンに近い感覚。

お金が欲しい。
男も欲しい。
身につける物はブランド品がいい。
いい家に住みたい。
海外にも行きたい。
いつまでもいつまでも若い体でいたい。

そう、この小さな体に潜む無尽蔵の欲望を、詐欺という形で叶えてやろう!

私の大罪、強欲。

それは悪気のない悪意。
私は欲しい物を得ることも去ることながら、それを得るまでに人を騙すことも欲に繋がっていたのだ。

どうしようもない害悪。

そんな私の事件は、あの老夫婦の心中自殺の件だろうけど正直よく覚えてない。
ああ、これ私のこと?
聞いた時、そんな思いだった。

詐欺師の私がこの騙し合いのゲームに参加。
……正直楽しかったよ。

一番バカなキャラで最後まで生き残ることを決めて、要所要所でポイントをつく。

みんなに私がバカな女だと思われていることが快感だった。

騙す上で大事なことは、騙してるという意識を忘れてしまうこと。

そんなことするか?
そう思う時こそ、詐欺師の術中なんだよね。

でも、最後の最後で私は負けた。
本当悔しかった。

今までの人生は、人を騙すこと。
その土俵で負けたことは、生き方やプライドを否定されたようで悔しい。

え?
結局私は村人として騙そうとしてたのか、人狼として真実を話してたか、本当のところどっちだって?

それはね……

ふふ、秘密ー。
私は詐欺師。真実なんて話してやるもんか!

それより、最後に少し触れたけど、まだ楽しいことがあるかもよ。

誰かが騙されたことに気付いた時の表情。
あぁ、快感だよね。
最期にもう一度拝みたかったなぁ……

さて果たして、勝ったのは村人か人狼なのか。

トリック オア グリード!
またね!



牧村芽衣子、死亡。
最終日、昼のターンにて処刑。











牧村は死体となり、円卓に帰ってきた。

日菜々「……」

羽賀「……」

これで円卓には、日菜々と羽賀しか生存者はいない。

羽賀「ああ……勝った」

日菜々「羽賀さん……」

羽賀「勝ったああああ!!
よっしゃ!よっしゃ!よっしゃあ!
俺は勝ったんだ!生き残ったんだ!!」

日菜々「え?勝ったんだよね?
羽賀さん。え?
人狼……なんだよね?」

羽賀「……あ?」

セイギノミカタ「さて、この時点でゲームに決着が着きました!!
皆さんお疲れ様でした!」

羽賀「ふふ、あはは。
日菜々ちゃん、ありがとう!
牧村じゃなくて俺を信じてくれてさ!
本当に、本当にありがとう!!」

日菜々「う、うん。羽賀さんが人狼だよね?
……何で、答えてくれないの?」

セイギノミカタ「勝利したのは……」

羽賀「……ごめんなぁ日菜々ちゃん」

日菜々「な、な、何が?」

羽賀「俺、実は本当にただの村人なんだよね!」

日菜々「えっ?……うそ、だよね?」

羽賀「嘘じゃねえよ!人狼は詐欺師牧村の方さ!
あいつは人生最期に、必死に本当のことを言ってたのさ!
あはは、俺は博打に勝ったんだ!」

日菜々「……あ、あああ」

羽賀「本当よくも騙してくれたなくそ女!
てもやっぱり最後は正義が勝つのさ!
さてさて、人狼を失った狂人さんは今から裁きの時間だぜ!
俺を騙した罪だ。最後に死ね!
あっはっは!」

日菜々「……そんな」

羽賀「あっはっはっは!村人の勝ちだー!」

セイギノミカタ「そう、勝利したのは……
人狼チームです!!
村は人狼に滅ぼされてしまいました!」

羽賀「あっはっは……は?」

日菜々「え?」

円卓は、沈黙に落ちる。

日菜々「えっ?何……今の?
羽賀さんやっぱり人狼……ってこと?」

羽賀「……」

日菜々「えっ?つまり人狼なんだよね?」

羽賀「……なるほどなぁ。
そういうことかよ」

日菜々「ねえ、どういうことなの?」

羽賀「いやー……完璧に騙されてたわ」

日菜々「……え?」

羽賀「……もうさ。
もう演技はやめにしろよ。
桃山日菜々。
いや、本当のラストウルフ!」

日菜々「……」

羽賀「……」

日菜々「……」

羽賀「……」

日菜々「ぷっ!……だよね?
あはは!
あははははははははは!
あーはっはっはっはっは!」

羽賀「……」

日菜々「あー、もうお腹痛い。
そうだよ。私だよ。
私は狂人なんかじゃない。
私こそがみんなを殺してた最後の人狼でした!」





ゲーム終了、決着。

1、前島康隆………死亡、2日目処刑
2、羽賀亮也
3、牧村芽衣子……死亡、4日目処刑
4、織田武臣………死亡、3日目処刑
5、山井小百合……死亡、2日目襲撃
6、九十九一………死亡、3日目襲撃
7、桐生星華………死亡、1日目処刑
8、斉藤章三………死亡、1日目襲撃
9、桃山日菜々

以上、人狼チームと村人チームが同数。
勝者、人狼チーム。
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