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人狼ゲーム -八つ目の大罪- 作者:寂尾蘭太
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24、狂人co

血塗れの九十九が、円卓へ帰還。

誰も何も言わない。もう慣れたのだろうか?さすが犯罪者どもだ。

そして間の抜けた鶏の声が部屋中に鳴る。
4日目の朝が来た。
そう、最終日だ。泣いても笑っても、今日決着が着く。

セイギノミカタ「朝になりました。九十九一さんが無残な姿で発見されました。
人狼の襲撃を受けたと言うことは、九十九さんは人狼ではなかったということです」

羽賀「……」

牧村「……」

セイギノミカタ「人狼はまだ生き残り、村人の中に紛れています。
よってゲームは続きます。
そして昨晩、最も人狼だと怪しまれていた人物は、いません。
票が割れているということです」

いないと言うことは、2人以上が最多得票ということ。

セイギノミカタ「それでは、4日目の村民会議を開き、多数決で人狼だと思う人を1人処刑して下さい。
生存者は現在、羽賀、牧村、桃山の3人
村民会議の時間は30分。
それでは議論スタート!」

ゴーンゴーンと鐘の音が部屋中に轟いた。

残り3人ということは、やはりこの中に人狼が1匹。
ここでその人狼を処刑出来れば、村人チームの勝利。
逆に人狼以外を処刑してしまうと、人狼チームの勝利。

ただ日菜々は狂人。人狼チーム。
そして人狼、と人狼チームは2人いることになる。
対する村人チームは、ついに1人。
そいつは絶望だろうな。
これはもう人狼チームの勝ちだろう。

羽賀「……」

牧村「……」

日菜々「……グス、ひっ」

日菜々が泣いている。

日菜々「ごめんなさい……」

羽賀「……」

牧村「……」

羽賀も牧村も言葉を発さない。
2人とも下を向き、表情が読めない。

そして1人泣き続ける日菜々。

円卓には感電死体の桐生、前島、織田。
血塗れの斉藤、山井、九十九。

はっきり言って異様な光景だった。

日菜々「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」

壊れたようにリピートする。

日菜々「ごめんなさいいい。
私は……私は死にたくなかった」

牧村「……」

日菜々「灰ちゃんに、約束したから……
生きろって……
灰ちゃんは、私を……
うぅ……」

過呼吸になる日菜々は何を言ってるか、わからなくなってきた。

日菜々「ひっ、うぅ……
だから……私は、
処刑されそうに、なったから……
咄嗟に占い師って、嘘ついて……

怖かったから……
前島さんを、人狼って言って……
織田さんも、人狼って言って……

死にたくないから、他を怪しませることにして……」

羽賀「……」

日菜々「私は……また人を殺した!
桐生さんも、斉藤さんも、前島さんも、山井さんも、織田さんも、九十九さんも!
6人も!

私が殺したようなもんだよ……うぅ」

牧村「……」

日菜々「ほ、本当に……
役職でこんなの出て、どうしたらいいかわかんなくて……
前島さんが、一番辛い役職なんて言うし……
人狼に気付いてもらわないと、噛み殺されるかもしれないし……
でも嘘がバレたら、人狼の代わりに吊られちゃうかもって……
ごめんなさい、ごめんなさい!
本当は私、私は……」

羽賀「……」

牧村「……」

日菜々「私は……狂人です……」

狂人カミングアウト。
やはり、そうだったな。

いや、占い師としての立ち回りはむしろ見事だった。
何人かは普通に信じていたしな。

さて、これに対して残りの2人は……

羽賀「……日菜々ちゃん」

羽賀の方が、ついに口を開いた。

羽賀「そんなに泣かないでくれよ。
日菜々ちゃんは狂人なんだから、日菜々ちゃんが殺したわけじゃない。
実際に斉藤、山井、九十九を殺したのは、人狼だろ?
日菜々ちゃんは何も悪くないよ」

日菜々「うぅ……ひっく」

慰めているのか?つまり羽賀は……

羽賀「日菜々ちゃん
……人狼は俺だ」

穏やかな口調だった。

羽賀「俺があいつらを殺したんだ。
日菜々ちゃんの狂人としての、立ち回りは本当絶妙だった。
おかげでここまで来れた。
ありがとな!」

顔を上げると、羽賀は満面の笑みで日菜々を見ていた。
この笑み……ずっと暗闇で笑っていた顔はこれだったのか。

日菜々「羽賀さん……」

羽賀「でも、まだ終わってない。
今日の処刑で、最後に残った村人の牧村を処刑して勝利だ!
2人で一緒に勝とう!」

そう、狂人は人狼チームだが人間。
人間2、人狼1だからゲームは続いている。
あと1人人間を殺して、初めて決着だからだ。

日菜々「うぅ……羽賀さん……」

牧村「ぷっ、あはははは!」

黙っていた牧村が急に笑い始めた。

羽賀「おい、何笑ってんだ?」

牧村「いやー、まさか先に言ってくるとはね!
なかなかやるじゃんギャンブラー!
どうしようもないミスリードのスケープゴートだと思ってたから、
……お前を、最後まで殺さずに残してやったのに」

ほくそ笑む牧村。
その顔には悪意が満ち溢れていた。
こちらも暗闇で笑っていた人狼と重なる。

牧村「日菜々ちゃん、あのね。
羽賀さんは……こいつはね、
もうこう言うしかないんだよ。
今、バカ正直に村人だと言っても、私と日菜々ちゃんに処刑されるって気付いたから、必死で人狼のフリして日菜々ちゃんの票を私に向けようとしてるの」

日菜々「え?え?」

牧村「こいつは人狼じゃないよー、ただの村人だよ。
みんなを殺した人狼は私、牧村でしたー。
人狼の私が今日死んでしまったら、狂人の日菜々ちゃんも決着時に処刑されちゃうってのは覚えてるよね?」

きたか!パワープレイ!
狂人を含む人狼チームの数が、村人チームの数を上回った時に起こる現象。

さらに狂人の票を相手に向けるために、村人が人狼のフリをするプレイ。

日菜々「えっ?な、何で2人とも……
ちょっと待って!
どっちが人狼なの?」

羽賀「俺だよ!」

牧村「いやいや、だから私だって!」

ゲームはまだわからない。
ゲームの行方は、今日の日菜々の投票先で決まる。
どちらが本当の人狼と見抜けるかで決まる。





最終日、昼のターン。

1、前島康隆………死亡、2日目処刑
2、羽賀亮也
3、牧村芽衣子
4、織田武臣………死亡、3日目処刑
5、山井小百合……死亡、2日目襲撃
6、九十九一………死亡、3日目襲撃
7、桐生星華………死亡、1日目処刑
8、斉藤章三………死亡、1日目襲撃
9、桃山日菜々

残り3人。
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