表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/34

01、人狼の館へようこそ

「へぇ、日菜々って言うんだ。

可愛い名前だね。

あたしは望月もちづき明日香あすか

よろしくね!」




「日菜々ー!一緒にお昼食べようよー!」




「日菜々さ、化粧しなよ!絶対可愛くなれるからさ!あたしが教えてあげる!」




「日菜々、何泣いてんの?

あたしが相談乗るよ」




「日菜々!叶わない恋なんて誰が決めた!

あたしだったら、叶わなくても気持ちは伝えるよ!」




「何かあったら何でもあたしに言いなよ!相談乗るからね。絶対だよ!」




「友達が道を踏み外してたら、とめてあげるのが真の友達だよ!

だから日菜々もあたしが間違ってると思ったら、言ってよね!」




……明日香




「明日香、話があるんだけどちょっと放課後話せない?」




……明日香


友達だもんね。私達。




「はあ?何であたしがそんな言い分聞かなくちゃいけないの?自己責任でしょ」




「てかそんな風に言ってくるなんて見損なったわ日菜々。

友達?

はあ?あんたなんか友達じゃない。

もう勝手にしなよ。じゃあね」




「あ……はは。だよね。

ごめん。偉そうなこと言ってごめんね。

わかったよ……」




明日香……


私は対等な友達だと思ってたよ。


ごめんね。

私は、あの時とめてあげれなかった。




そして明日香は死んだ。




明日香……


怖かったろうな。

死にたくなかったろうな。




「助けて……日菜々

ねえ、お願い助けて日菜々!

死にたくない……」




私のせい。




だから私は今日も懇願される。











意識がはっきりしてきた。


日菜々「ん……」


ぼーっと目を開く。夢のおかげで、寝起きは最悪だ。


……そうだ。早く起きなきゃ。

灰ちゃん最近待たせすぎだよ。


身を起こそうとして、気付いた。

自分が椅子に座っていることを。


日菜々「……え?」


驚く。

座っているのはマッサージチェアのような少し高級感ある椅子だが、見覚えは全くない。


日菜々「うっ!」


立ち上がろうとしたら、首と腹部に圧迫感を感じた。


金属の首輪と腹部にベルトが巻かれており、それらは椅子に固定されている。

座っている者をどこにも逃がさないように。


日菜々「何これ……」


ベルトを掴み揺するが、びくともしない。


外れない。

椅子から立ち上がれない。

どうして?

いや、まず何があったんだっけ?


考える。

すぐに思い出す。


そうだ。私はマスクを被った男に眠らされたんだ。

その後連れていかれた?

灰ちゃんは無事なのかな?

そしてここはどこなのか?


辺りに意識を向ける。


部屋は薄暗い。館の一室のように見える。

目の前には円卓。どうやらこの円卓の一脚に、座らされているようだ。


円卓の中心には大きなディスプレイが埋め込まれてる。


そして円卓の外側であり机のへり、引き出しがある位置に小さなモニタが設置されていた。


手で触れる。


これは周りの席の者からは見えず、私にしか見えない位置の画面だろう。

しかし何の意味が?


……周りの席?


はっと気付いたように視野を広げた。

そこには円卓を囲む同じ状況の面々が、椅子に座らされて眠っていた。


自分以外に8人。老若男女。


「……」


右を凝視していたタイミングで、けたたましいサイレン音が部屋に響いた。


耳を塞ぐ。すごくうるさい。

早く起きろと脳を揺さぶられているようで、煩わしかった。


そしてその音は狙い通り、円卓に座る彼ら全員の目を覚まさせた。




挿絵(By みてみん)


1、前島康隆

2、羽賀亮也

3、牧村芽衣子

4、織田武臣

5、山井小百合

6、九十九一

7、桐生星華

8、斉藤章三

9、桃山日菜々


全員生存。残り9人。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ