挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
人狼ゲーム -八つ目の大罪- 作者:寂尾蘭太
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

16/33

15、ミスリード

織田「山井が役職じゃと?」

日菜々「……」

前島「それ以上言わなくていい。
そこで貴様がその役職をカミングアウトする意味はないだろう?
お前は殺されたいのか?」

山井「え?……えと」

殺される……?
この伏せようとする言い方。
そうか。前島から見れば織田から白を貰っている山井は騎士しかありえない。

九十九「まさか君が本物の霊能者なのかい?」

いや、待てよ。そうか、霊能者か。
前島が偽物なら、その可能性はある。
だから前島は、騎士のように匂わせ黙らせようとしたのか?
今、本物の霊能者が出て来るのは人狼の前島からすれば嬉しくない。
どっちにもとれる。どっちだ?

山井「あの……」

羽賀「おいはっきりしてくれよ?
もう現状で残ってる役職なんて、騎士か霊能者か、あと人狼しか残ってないんだぞ。
もしかしてお前、人狼なのか?」

山井「ち、違うよ……」

九十九「そこまで言ったなら、何の役職か言ってほしい」

山井「は、はい……私は」

前島「おい、黙れ!
言わなくていいと言ってるだろ!」

山井「あ……す、すみません」

九十九「なら、誰を怪しいと思っている?
それくらいいいだろう?」

山井「怪しい人……」

山井はそこである人物を見つめる。

山井「……桃山さん。吊りたいです」

日菜々「……えっ?何で急に」

九十九「つまり桃山くんが占い師に潜んだ人狼だと考えているのか。
でも君は昨日桐生くんを人狼だと疑ってたね?
桐生くんは人狼じゃなかったと考えを改めたと言うことかな?」

山井「……桐生さんは昨日処刑出来てよかったと思ってます。
今日はローラー作戦を続けてほしくて、次は桃山さんを処刑したいです」

また日菜々をマークする者が出て来たのか。

九十九「……今日は、前島くんを信じるならグレーの羽賀くんへ。前島くんを信じないなら前島くん自身を処刑する流れになるかと考えているんだが……」

羽賀「お前、織田から白って言われたんだよな?何でそんな自分を占ってない占い師を殺したいの?」

確かにそう見える。
例えば、山井が人狼で、織田が狂人、日菜々が本物の占い師なら、織田から白を貰い、日菜々に占われる前に殺したい。
そういう意図に見える。

山井「……す、すみません、私よくわかってなくて……」

九十九「……今ので、君は占い師を恐れているように感じたのだが、何か理由があるのかい?」

山井「あ、すみません。私は……」

前島「だからもういい!
お前は織田の白だから人間だとわかっている。
役職カミングアウトなどしなくていいから黙ってろ」

山井「……」

結局、黙る。

日菜々「……」

ゴーンゴーンと鐘の音が響く。
2日目の村民会議の時間は終わってしまった。

山井は、何かしらの役職であると言うところで終わってしまう。
村人達にとって一番厄介なパターンだ。

鐘が鳴り止む数秒前。
ここで意外にも牧村が口を開く。

牧村「桐生さんが人狼だろうがなかろうが、とりあえず今日前島さんを処刑すればどっちにしろ人狼は残り1匹になるんだよね?
それに前島さんは霊能者として仕事を、もう終えてるよね?」

前島「……」

もう先ほどの涙は目になかった。
この土壇場でその正論に辿りついたか!
前島の顔が歪む。
言われたくないことのようだった。

桐生が人狼なら結構だが、桐生が人狼ではなかった時、前島は嘘つきとなる。
狂人は占い師3人の誰かなので、前島が嘘つきの場合人狼しかない。
どちらのパターンでも人狼を1匹は始末出来ると言う作戦だ。
それに前島が霊能者なら、もう人狼を1匹見つけてる。
ここからはゲームが終わるまで、人間判定しか出ない。前島が本物の霊能者でもお役御免なのだ。

セイギノミカタ「はい。話し合いは終了です!
これより一切の会話を禁止させていただきます!
日が暮れて、容疑者を処分する時間がやってきました。

手元のモニターで処刑したい人に投票してください」

日菜々「……」

前島「……」

羽賀「……」

山井「……」

くく、今日の処刑者は誰になる?

セイギノミカタ「今から1分以内に、今日処刑したい人のアイコンをタッチして下さい。
このあと誰が誰に入れたか公表したのち、最多得票の処刑を執行します」

全員がまたタッチパネルの操作を始める。
バツがついているのが、清水灰司、桐生星華、斉藤章三、と既に3人。
皆、思い思いに投票する。
そうするしかない。

前島「……」

織田「……」

牧村「……」

九十九「……」

1分が経過し、投票タイムは終わった。

セイギノミカタ「それでは1人ずつ票開示を行います。
票を開示した人は、一言理由を述べても大丈夫です。

まずは前島康隆くんから!」

円卓の中心のスクリーンに投票先が表示された。

前島康隆→羽賀亮也

前島はやはり羽賀か。

羽賀「……」

前島「俺は正しい推理をしている筈だ。
なんと言われようが俺は霊能者で、人狼は桐生。もう1匹は羽賀の可能性が濃い。以上だ」

羽賀に1票。

セイギノミカタ「続いて、羽賀亮也くんの投票先見てみよう!」

羽賀亮也→前島康隆

羽賀は前島。ここまでは予想通り。

羽賀「俺は人狼じゃねえ!康隆は間違ってる村人チームか、俺を処刑したい人狼だ!何でそんな俺を殺すことに迷いがないのか?もともとの知り合いの俺を切り捨てるのが早過ぎるだろ!

つまり、康隆には見えてるんだ。
康隆と俺、両方生き残ることはない別チームってのが!
俺は自分が村人だと知ってるから、やっぱお前人狼だと思うわ」

1日目の投票の適当さから見違えた投票理由だった。
前島の共犯者だった羽賀。
普段は指示待ちの部分が強かったが、真面目にやらせると、頭の回転は早いか。
前島に1票。

セイギノミカタ「では次、牧村芽衣子さん」

牧村芽衣子→前島康隆

牧村も前島か。

牧村「前島さんが人狼かどうかはわからない。
でもどちらにせよ、これで人狼は絶対1匹になると思うの」

前島に2票目か。
ずっと小馬鹿にしていた者から、大事な場面で痛い票を入れられる。
人狼ゲームの盤面は本当に流動的だ。

前島「……」

セイギノミカタ「織田武臣くんの投票先はこちらです!」

織田武臣→桃山日菜々

やはり、織田はそこに投票したか。

織田「正直、桃山も前島も臭いわい。
そこを押す九十九も、押された羽賀も。
わしは山井しか味方がおらん。
わしは占い師じゃ。その偽物の桃山はやはり残しておけんのう」

前島「な、何やってるんだ貴様!
なぜ羽賀に入れない?」

織田「ふん、おのれがわしを信じようが、わしもおのれを信じとると思うなよ」

確かに前島が織田を信じても、織田が前島を信用出来るかと言われると難しい。
織田からすれば、対抗占い師の日菜々に入れるのは普通のことだな。

セイギノミカタ「続きまして、山井小百合さんの投票先です!」

山井小百合→桃山日菜々

ここで日菜々へ。なぜだ?

山井「ローラー作戦を続ければいいと思ってて、次は桃山さんで。
えっと、桃山さんは人狼……と思います」

前島「お前もか!何をしているんだ!
そこに入れるくらいなら羽賀に入れろと言っただろう!村人チームの票がばらけている!お前ら馬鹿なのか?」

山井「……でも」

日菜々「……そうか。山井さんは、私に占われるのが怖いの?」

僕もそう思った。
そして占い師を殺したいのは、人狼の考えではないのかと疑う。

山井と日菜々、目が合う。

山井「ひっ……」

体が震えている。日菜々を恐れているのだ。

日菜々「……どうして?」

何を恐れている?
占われたくないということか?
山井の最後のカミングアウトも結局謎の行動。

山井小百合。
こいつが一番何を考えているのかわからない。
ただこれで日菜々も前島と並ぶ2票目。また一気にピンチになったな。

セイギノミカタ「次、九十九一さんの投票先です」

九十九一→清水灰司

羽賀「……は?」

織田「何じゃこりゃ!」

九十九「ふむふむ、死んだ者でも投票出来るのだな。
疑問に思ったのだよ。
アイコンには死んだ者にバツがついている。しかし昨日の決戦投票で対象の2人以外は色が薄くなり、そこを押しても反応しなかった。
色が薄いこととバツは何が違うのか?
色が薄くなることは投票禁止を意味しているが、バツは死亡者と言うだけで、このゲームでは死亡者に投票することは認められている。
この情報は使えるかもしれんな」

羽賀「何言ってんだ?そんなことわかったからってどうしようもないだろうが!」

九十九「そうかね……
ただ問題は……」

ブツブツ言っている。この先の投票にも興味なさそうだ。
九十九一か、本当に食えん男だよ。

さて前島2票、日菜々2票となったな。

セイギノミカタ「最後に、桃山日菜々さんの投票だよ」

桃山日菜々→前島康隆

前島「……」

日菜々「私が本物の占い師です。
そして私は前島さんが人狼だと知っています。
山井さんがカミングアウトしようとしたのに、そこを阻止しようとしたのも霊能者を乗っ取るつもりだからじゃないかな。
そして私はもう逃げません……」

ポロポロと涙を流す。
改めて誰かを殺すと決めるのは、辛いことだと共感した。

セイギノミカタ「それではまとめます!
前島康隆さん、3票。
羽賀亮也さん、1票。
桃山日菜々さん、2票。
清水灰司さん、1票。

はい!投票の結果、前島康隆さんの処刑が決定しましたー!」





2日目、昼のターン終了。

1、前島康隆
2、羽賀亮也
3、牧村芽衣子
4、織田武臣
5、山井小百合
6、九十九一
7、桐生星華………死亡、1日目処刑
8、斉藤章三………死亡、1日目襲撃
9、桃山日菜々

残り7人。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ