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人狼ゲーム -八つ目の大罪- 作者:寂尾蘭太
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11、霊能者co

狼の牙が口を開き、獲物を吐き出す。
全身血塗れとなった斉藤章三の亡骸だ。

羽賀「まじかよ……」

山井「いやあああ」

織田「なんちゅうこっちゃ」

牧村「うう、ひどい」

日菜々「……あああ」

全員の悲痛の声と裏腹に、間の抜けた鶏の声が部屋中に鳴る。
2日目の朝が来た。

セイギノミカタ「朝になりました。斉藤章三さんが無残な姿で発見されました。
人狼の襲撃を受けたと言うことは、斉藤さんは人狼ではなかったということです」

くく、初日の人狼達の選んだ噛み先は斉藤か。
なぜ人狼ゲーム初心者だった彼を殺したのか気になるとこだな。

セイギノミカタ「人狼はまだ生き残り、村人の中に紛れています。
よってゲームは続きます。
そして昨晩、最も人狼だと怪しまれていた人物は、桃山日菜々さんです」

日菜々「……」

桐生が白だったなら、次に疑われていた日菜々が今日疑われるのは自然な流れ。
さあ、昨日はギリギリ切り抜けたようだが今日はどうすることやら。

セイギノミカタ「それでは、2日目の村民会議を開き、多数決で人狼だと思う人を1人処刑して下さい。
生存者は現在、前島、羽賀、牧村、織田、山井、九十九、桃山の7人
村民会議の時間は30分。
それでは議論スタート!」

ゴーンゴーンと鐘の音が部屋中に轟いた。

2日目の会議が始まったな。
今日は役職が情報を持っている。さあどうゲームが動く?

九十九「なぜ、斉藤くんなんだ……」

前島「斉藤を殺したか……ふふ、ありがたいな」

九十九「……何がだ?」

前島「斉藤はまあまあ怪しかったからな。桃山を庇っている節もあったし、奴を疑う手間を省いてくれたことは助かるという意味だ」

日菜々「だからってそんな言い方……」

九十九「まあそれはそうと、それより昨日ギリギリで前島くんが言った役職について話してもらいたい」

織田「そうじゃぞ。あれはわしも気になっとったんじゃ」

前島「ああ、勿論話そう。昨日少し触れたが察しの通り、俺は霊能者だ」

おお、前島が霊能者カミングアウトか。

九十九「……ほう」

前島「昨日ギリギリであれを言ったのは、わざと少し怪しまれることと、さらに騎士のガードがありそうなことを人狼に匂わせ、自分を噛まれにくくするためだ。
なぜなら霊能者はこの占い師3人ローラー作戦の要とも言える役職だからな」

牧村「んー、よくわかんないけど、前島さん霊能者なら、昨日死んだ桐生さんが人間か人狼か見てきたんだよね!」

羽賀「そうだ。それを教えてくれよ。
桐生は何だったんだ?」

前島「ああ。無論伝える。
ふふ、みんな喜べ!桐生は人狼だった!」

言い放つ。
ほう、いきなり人狼の1人を吊れたのか?
村人チームは幸先がいいな。

牧村「えっホント?」

羽賀「うお!やったじゃん!
一発目で当たりか!」

九十九「ふむ、ならばローラーはストップということになるな」

織田「……」

日菜々「……ほっ」

山井「……」

前島「皆が考え、がんばった結果だ。
これで占い師の中に紛れた方の人狼は一発で吊れた。
あとは潜伏してるもう1匹の人狼を吊れば終わりだ。今日にでもな」

牧村「なんだ、余裕で勝てそうじゃん」

羽賀「まあまだ終わってねえし、気は抜けないけどな」

少し安堵の意見が出始めたな。
ただ誰も、あるひとつの可能性を考えていないな。

前島「てことで占い師ローラー作戦は終わりだ。桃山と織田の内訳は本物と狂人だろうから残す。狂人は吊る必要ないし、間違えて本物を殺してしまわないためにもな」

羽賀「そうそう!2人とも占い結果を教えてくれよ!」

牧村「教えて!問題はどっちを信じるかだけどね」

ついに占い結果が出るか。
人狼ゲームは占い師の結果でかなり勝敗が左右される。
誰を占い、何と出たのだろうか……

織田「ちっ、じゃあ答えたろうかのう。
わしは山井小百合を占ったんじゃ」

山井「……えっ?」

ビクッと反応した。

織田「なぜ山井かと言うと、こいつは議論中終始無言じゃったろう?
人狼なら疑われたくないじゃろうし、目立たず黙っているのが無難な考えになると思ったからじゃ」

前島「占った理由はわかった。結果は?」

織田「山井小百合は、人間です。と表示された。人狼ではなかった」

山井「……」

山井はそれに対してすら何も言わなかった。ただ今は不思議そうな顔をしているようにも見える。

羽賀「えー、織田が山井を白ね」

メモをとる羽賀。

牧村「山井さんは人間なんだね……」

前島「盲信するな、低脳が。
ちなみに俺は、織田を狂人、桃山を本物と見てると昨日言ったが、さらにそれが今は強くなっている。
だからこの結果もあまり信用していない」

織田「な、なんでじゃ!」

前島「お前さっき……俺が桐生は人狼だったと言った時、黙ったろう?
あれはサポートしなきゃいけない人狼が死んでしまったことへの焦りじゃないのか?」

織田「ちゃ、ちゃうわい!」

前島「俺は見逃さないぞ?」

織田「くっ……ええ加減にせえ!おのれがそう見えただけじゃろうが!」

前島やはりやるな。
あの一瞬の表情を全員分見ていたのだろう。
さすが現役の探偵。
桐生を吊れた会話の流れも前島が作ったし、探偵の前島が村人チームを引っ張っている限り人狼チームに勝ち目はないのではないか、とすら思える。

前島「ふ、まあいい。狂人であってもほっとけばいいからな。
では、桃山。お前の占い結果を教えてもらおうか?」

日菜々はビクッと反応し、上目で前島を見た。
何も答えない。

前島「おい、どうした?」

日菜々「……」

前島「まただんまりか?結果を言え」

日菜々「い、言いたく……」

羽賀「えっ?なんて?」

日菜々「言いたくないです……」

言葉を押し殺した。
何だどういうことだ?

牧村「えー!ちょっと意味わかんないよ!何で?」

羽賀「いや待て。もしかしてさ」

前島「ああ、そういうことか。
桃山……お前もしかして人狼を見つけたのか?」

なるほど。日菜々は自分のせいで誰か死ぬのが嫌な考え方だ。
昨晩占った結果、人狼を見つけたなら、この反応は納得出来る。
自分のせいで人狼を殺してしまうと……

前島「どうなんだ?それだけでも答えろ」

日菜々「……見つけました」

全員が驚愕する。

羽賀「え?じゃあもう勝ったんじゃねぇのこれ?」

前島「なら尚更答えろ!うじうじするな」

羽賀「まあまあ康隆、ここは優しく伝えようや。
……日菜々ちゃん。
もう人狼はあと1匹しかいないんだ。日菜々ちゃんが本物の占い師なら、それで終わるんだよ。
人狼を殺してしまうんじゃない。俺ら全員を助けられるんだよ。
頼むよ、斉藤さんみたいな犠牲者をもう出したくないだろ?
みんな日菜々ちゃんに助けてもらいたいんだ」

優しい。日菜々が涙ぐみ、心が揺れていくのがわかる。

日菜々「そうだよね。ワガママ言ってごめんなさい。みんなを助けるため。
……言うよ」

日菜々が意を決した目になった。

羽賀「ありがとう!
……で、誰が人狼だった?」

日菜々「……基本的に私は織田さんの考え方とは逆。黙ってる人より、よく話してる人のほうが人狼だったら怖いって考えたの。
場を誘導されるし、何よりその人が議論の最後で言ってた言葉がすごく気になっちゃって……
だから占った。するとこの画面に、その人は人狼です。って狼のイラストと共に表示されちゃって……」

織田「……」

牧村「……」

九十九「……」

日菜々「私が占ったのは……」

山井「……」

羽賀「……」

前島「……」

ゆっくり腕を上げ、震える指先でそいつをさす。

日菜々「前島康隆さん!この人、人狼でした」





2日目、昼のターン。

1、前島康隆
2、羽賀亮也
3、牧村芽衣子
4、織田武臣
5、山井小百合
6、九十九一
7、桐生星華………死亡、1日目処刑
8、斉藤章三………死亡、1日目襲撃
9、桃山日菜々

残り7人。
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