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天から落ちた最強だが性格が悪い最低ランクの勇者が地上で独立部隊パーティーの一員に任命され帝国と戦う  作者: 元々島の人


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静かな怒りと獣人と言う病

 シギアは最大限に相手の心の言葉を読む能力を解放にして青年を見た。

  すると映像が浮かび上がって来た。


 そこには青年の普段暮らしている町の情景や妹らしき女性の姿が見える。

 そして帝国兵らしき人物に妹をさらわれている姿があった。


 さらには青年が帝国兵に脅されている姿が見えた。

 そして青年は心の声でこう言った。


「俺はマギーをさらわれ帝国にヘリウム兵と戦えと脅されているんだ。俺が言う事を聞かなければマギーが殺されてしまう。なんで俺もヘリウム生まれなのに同族と戦わなければならないんだ」


 青年は苦しみながら心の声を発していた。

 誰か気づいて助けてほしい、しかし分からなければ俺が戦い続けるしかない、と。


 中々直ぐには辛さを見せない性格である事が伝わった。


 シギアは戦うふりをして青年の剣を自分の剣で受けた。

 一見攻めるふりをしながら防御に徹した。


 しかし迷いも感じるが確かに青年はかなりの腕前である事がわかる。

 油断をするとやられてしまうと言う懸念もあった。


 しかしどう呼び掛けていいかわからなくなり、シギアは一旦後方に大ジャンプして距離を取った。

 そのジャンプ力に皆驚いた。


 先輩騎士がシギアに聞いた。

「どう言う事だ。何か訳でもあるのか?」


「はい。あの人どうも妹らしき人を人質に取られて我々と戦えと脅されているみたいなんですよ。彼は帝国兵ではなくヘリウムの人です。腕は立つけど普段は普通に街で暮らしている人ですね」


「何だって?」

「じゃあ、何とかして助けないと!」


 シギアは答えた。

「俺が呼びかけてみます」


 シギアは再び接近し青年の間合いに入った。

 そして剣を適当に出しながら防御に徹した。


「あんたは妹か誰かを人質にされて脅されてるんだろ?」

「!」


「無理して戦う必要はない俺達に任せるんだ」

「ど、どうしてそれを!」


「事情は後だ。剣を収めるんだ」

「うっ!」


 見張っていた帝国兵は叫んだ。

「ガイ! どうした! 何故やめる? マギーがどうなっても良いのか!」

「ぐ、ぐう」


 ガイはまだ自分がどうしていいか分からなかった。

 しかし完全に憎しみと闘争心が目から消えている。


 さらに帝国兵はあおる。

「早くしろ!」


 しかしシギアは横から言った。

「聞く必要はない! とにかく何も考えずに俺達に任せるんだ」

「何をやっている!」


 すると砦のてっぺんに縛られた少女が落とされそうになっている。

「マギー!」

 ガイは叫んだ。


 帝国兵が叫ぶ。

「早く戦わんとマギーを叩き落すぞ! 貴様は決して裏切れん! そいつらは情に弱い。だから同じヘリウム人が相手なら攻撃出来ないと踏んだのよ」


「くそ……」

 シギアは歯ぎしりをした。


「早くしろ能無しが! 貴様はただの戦闘機械だ逆らう権利などない!」

「くっ……」


 普段冷静なシギアも苛立った。


「うっ、うおう!」


 と叫びやけになってガイは向かって来た。

 シギアはジャンプして逃げた。


 帝国兵は叫んだ。

「早くしろ貴様は人間ではない戦争の道具だ」


 シギアは堪忍袋の緒が切れた。

「くそ! タードさんがあんな事になったのも皆が死んだのも彼を道具扱いするのも人間を物扱いする戦争を貴様らが起こしたからだろうが」


「シギア」

 それはレオンハルト達が今まで見た事のない程のシギアの激しい怒りの表情だった。


 その時シギアの背中から堕天使の黒き羽が出た。

「あっ!」

「よし!」


 そしてシギアは飛び上がり砦のてっぺんまで行った。

「げっ! あいつが飛んできます!」

「あわてるな! 準備は出来てる!」


 シギアは猛スピードで砦のてっぺんに向かった。

 しかし待ち伏せしていた弓兵と大砲兵達の攻撃を矢継ぎ早に受けて墜落してしまった。


「シギア!」

「くそ、やはり裏切るか、ならばあの手だ」

魔法使いらしき人物が来てガイに何やら魔法をかけた。


「が、がああ!」


 ガイは苦しみながらもがき続け、そしてはあはあ言いながらまるで今目覚めた様な表情になった。

 目が白目をむき狂気を帯び、口は獲物を狙う獣の様にはあはあ言っている。


「何だあれ、様子がおかしいぞ」

「催眠術でもかけたのか?」


 シギアは言った。

「催眠術くらい俺の力で簡単に解けるぞ」


 しかし帝国兵は言った。

「ふふ、これは催眠術ではない。あいつを獣人に戻してやったのよ」

「獣人?」


 アリザインは言った。

「獣人って何だ? 人間でない種族か?」


 アレーナは言った。

「いいえ。獣人とはこの国の人がまれにかかる精神の疾患の1種で、今の彼の様に正気を失い獣の様な人格に変貌するのよ」


  



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