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4-4 ルールの開示と作戦会議

「『魔闘大会』ってなんですか?」


 大方予想はつくが想像通りか確かめるため質問を投げかける。


「毎年上級生になったばかりの学生から志願者を募り、規則に則って勝ち上がり形式の決闘を行うんです。外部からお客さんが来たり、決闘者どうしで賭けをしたりすることもありますね。それにこの学院には腕の良い聖術師(プリースト)が常駐していますので本気で魔術を使ってもいいし、真剣を使ってもいいです」


 大体は予想通りだな、けど真剣で斬り合っていいのか。

 すぐ治せるからだろうが場合によっては治りきらないこともある。

 まあそういう危険が付き纏うからこそ志願制なんだろうけど。


「あ、それと成績に入るので基本全員参加です」


 ……志願制とは。

 というか成績に加算されるならかなり高い成績を要求される私達戦魔術師(バトルメイジ)上位魔術師(アークウィザード)クラスからしたら強制参加じゃ……


 まあ特に戦う能力が重視される役職を目指してるわけだし仕方ないか?


「ということで、皆さん出場しますよね?」

「まあ、出るしかないよね」

「だよな」

「楽しみだね!」


 うん、当日焼死体が量産されないことを祈ろう。


「三人とも出場ですね。実はもう出場申請してたのでちゃんと三人とも出場してくれてよかったです」


 おい、本当に志願制ってなんだったんだよ。

 まあそれはもう気にしてもどうしようもないか。


 とりあえず、出なきゃいけないことには変わりない。

 だったら事前に対策を固めるためにルールを詳しく聞こう。


「さっき規則に則って、って言いましたけどどんな規則があるんですか?」

「そうですね……基本的なところからだと武器や魔術は何を使ってもいいということ、あと勝利条件として相手を気絶もしくは戦闘不能にすることですね、降参もできます。他にも武器破壊とかもありますね」


 ふむ、結構自由にやれるんだな。あと相手を殺す能力より制圧する能力とかの方がやっぱり要求されてるように感じるな。


「あと基本的に団体戦で基本三人から五人で組んで出場しますね。それに戦魔術師(バトルメイジ)クラスと上位魔術師(アークウィザード)クラスは第二回戦から出場するということくらいですかね」


 そのルールだとこっち人数不利にならないか?

 まあシード権あるなら多少は仕方ない……か?


「まあざっとこんな感じですかね。大体の人はこの規則に合わせて作戦を考えて戦いますね」

「なるほど……ありがとうございます」


 まとめると基本ルールは武器、魔術に制限はない。

 勝利条件は相手を戦闘不能にすること。

 チーム戦で私たちにはシード権がある。


 こんな感じか。


 とりあえずルールははっきりしたしマルク達と意見を交換しよう。


「どうする?相手にもよるけどどう戦う?」

「そうだな、接近戦を仕掛けてくるなら俺とレイが戦えばいいし魔術の撃ち合いになるならヒナが戦う、こんな感じでどうだ?」

「そうだね、それを骨組みにして作戦を立てよう」

「う〜ん、それだと近づいてきたのが三人以上だったらどうするの?正直魔術なら二体一でも負ける気しないけど」

「多分なんとかなるんじゃないかな。魔術アリなら私もマルクは手数も手札も多いし。ヒナが魔術の攻撃止めてくれたら大丈夫だと思う」

「だな、多分ちゃんと分担できればそうそう負けないと思う」

「じゃああとは魔術の押し合いになった時についてかな」

「え?別に負けないと思うよ?」

「まあ普通はそうだろうけど上位魔術師(アークウィザード)クラスの人相手となるとまずい場面があるかも」

「あ〜、ならちょっと補助してくれたら助かるかな」

「補助?」

「相手の魔術の威力を弱めたり風属性の魔術で私の火を強くしてくれたり、レイチェルちゃんならできるでしょ?」

「それくらいなら簡単。じゃあ私とヒナで撃ち合ってるときにマルクが相手に近づいて仕留めて。多分マルクは撃ち合いになったらできること少ないと思うから」

「だな。じゃあ大体は決まったな」


 大体の戦い方は決まったな。

 この五年で互いの能力は事細かに把握してるし、もはや兄弟のような信頼のもと組み立てられた作戦だ。

 連携ミスとかは少ないと思うがそればっかりは練習して試してみないと分からないな。


「決まりましたか?」

「はい、大体は」

「いいですね、それでは今日から魔闘大会の日までの授業は対策に使いましょうか」

「はい、ありがとうございます。ってそういえば魔闘大会はいつあるんですか?」

「六月の初めですね」


 ん?六月?

 今学年の初めで四月ってことは──


「二ヶ月後!?」

「はい、短い期間ではありますが頑張りましょう」


 まずい!一対一の連携とかならまだしもチーム単位の連携なんてロクに練習してきてないぞ!?


「早っ!マルク、ヒナ、早く練習しに行こ!」

「ああ!」

「行こ〜!」



 その圧倒的に短い準備期間を前に、少しでも詰め込むため私達は走り出す。

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