旅の最終日
早朝、宿屋の女将さんに作ってもらった昼食を持って馬車に乗り込み学園都市を目指した。
「後半日で学園都市っす」
「アーサス様達にお会いしてから、『あっ』と言う間でしたわ」
「馬車に乗せて頂けなかったら、入学に間に合わなかったと思います。感謝です」
「うん、ソロモン、有難う。…アーサスも」
「あゝ、困ってる人を助けるのは、当たり前だから、礼は要らない」
「そうっすよ。可愛い女の子と一緒で、眼福、ブホッ、イライ(痛い)、…楽しかったっす」
「処で、アーサス様は、魔法と剣のどちらのクラスを希望ですの?」
「魔法は強化魔法しか使えない。だから、剣のクラスに入る」
「そうですの。私とタバサは、魔法クラスですのよ」
「えっ、マーリンは?」
「ん? 魔剣クラス」
「魔剣クラスって有りまして?」
「剣のクラスじゃないのか?」
「ん? 知らない」
「マーリンは、上級精霊召喚師なんです。それで、精霊が剣の形になる… のよね」
「んっ… 精霊が、杖に宿って剣になる」
「初めて聞いたっす。今度、精霊召喚も見てみたいっす」
「ん、良いよ。サラマンダー来て」
「うわー、火の玉ですわー」
『誰が、火の玉じゃ!』
「うるさい」
「魔法陣も要らないっすね」
「嬢ちゃん、誰じゃこいつら?」
「プッ、ははは、口悪すぎ!」
「えっ?」
『お前、俺が、み、見えとるんか?』
「もしかして、皆んな見えないのか?」
「アーサス様、凄いですわー。精霊の加護もお持ちなんて」
「ん? アーサス、持ってない」
「えっと、どう言う事ですの?」
「タバサ、説明して」
【精霊の加護】とは、精霊王から授かるもので精霊に愛されし者しか持つ事が出来ない。精霊に愛されると言う事は、精霊の力になるマナを身体に多く宿しているから好かれるという事で、精霊召喚師にも慣れる素質があると言う事だと。そもそも[加護]が無いと精霊が見えないから精霊と契約が出来ないとタバサは、説明した。
アーサスは、魔人によって[呪い]を掛けられている為、闇系統の魔法しか使えず、マナが、多くても精霊の好きなマナでは無いはずだと、ソロモンは考えていたが… もし、アーサスが、身に付けている腕輪が関係して精霊が見えるのなら、対になっている自分の指輪でも見えるはず… しかし、ソロモンには精霊が見えてないし声も聞こえない。
「加護が無いのに見えてるっす。もしかして、アーサスにとって、マーリンもしくは、精霊が特別って事っすかね」
「ん? ……パパに会ったら聞く」
『嬢ちゃん、こいつ臭い』
アーサスは、マーリンの前で精霊から『臭い』と言われ、焦って『身体は、毎日拭いているのだが…」等と言い訳のような事を言ったが、体臭では無く[マナ]の匂いだと聞いて驚いたが、獣臭が混ざっているからなのかと思考を巡らせた。そしてまだ、[獣化の呪い]の事は、誰にも話せないので後で、ソロモンにだけ話そうと思った。
話をしている内にアーサス達の馬車は、学園都市に着いた。
マーリンちゃんは、説明をタバサちゃんに丸投げしちゃたね




