6話 ???
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side????
これは、数ある世界線の一欠片ひとかけら。
2人は花の咲いた秘密の場所で、その世界が眠る前も出会う。
「なんで泣いてるの?」
「泣いてない……」
彼の瞳からは涙が、きらきらと光っている。
「やっと、君が幸せになれて……」
彼にとって、レティシアは光だ。
「カイン……私、幸せだったわ……」
「あぁ、僕もだ。……愛してるよ、レティシア」
彼は愛おしそうに、嬉しそうに世界で1番幸せそうはにかんだ。
——
カイン side
「初めまして、貴方もお花が好きなの?」
——明るい君の声が、後ろから聞こえてきた。
またループしたのか。
何度も何度も聞いてきた、懐かしい声。
レティシア…レティは赤と青の薔薇が好きだった。
——いつも、僕に手を差し伸べてくれる声だ。
何度君が傷ついても。
君はいつも、——「もう大丈夫だよ」 そう言って笑った。
ある日、彼女はまだ、数え切れるループの中で
暗闇の中、一人膝を抱えていた。
誰にも見つからない場所で、声を押し殺して泣いている。
「ねぇ、いつまでこのループを続ければいいのかな」
…………じゃあ、僕が助けるよ。
彼女は疲れたような虚ろな瞳を上げた。
「どうして……?」
「どうして、みんな、なにも知らないの……?」
僕はそっとレティに手を伸ばす。
冷たい指先が、レティの頬に触れる。
そして、涙を優しくぬぐう。
「……カイン?」
「泣かないで。」
「どうして、そんなことを言うの………?」
「大丈夫。僕が全部覚えておくよ。」
遠い記憶が、水面に波紋が広がるように揺れる。
差し伸べられた手。
優しい笑顔。
「『もう大丈夫だよ。』」
「……。」
レティシアの瞳が大きく揺れた。
「……カイン。」
「ずっと、そうしたかったんだ。」
「今度は僕が、その言葉を君に返す番だ。」
その手をしゃがんでそっと取ると、君は、口を開いた。
「ねえ、もし次があったらさ。」
「……。」
「今度は、君がみんなを守ってよ。」
君ははっとしたように口を押さえる。
その約束を、僕はずっと待っていた。
差し出してくれた手も、笑顔も、言葉も、全部。
恩を返したいから。
約束を守りたいから。
——今度は自分が、その人を救いたいから。
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* レティシアが死ぬと新しい世界線へ移る。
* 世界線は完全に同じではなく、少しずつ違う。
* 基本はレティシアだけが記憶を持つ。
* 記憶はループを重ねるほど壊れていく。
* 僕だけが記憶を保管できる。
387回目
レティが忘れた。
518回目
また忘れた。
761回目
今日から僕が覚える。
……
1,999,999,999,997回目
また君は泣いていた。
そう、カインのメモに書き記されていた。
「あぁ……今回も、君は綺麗だった。」
「少し、シオンやクラウス、ルカに靡きそうになった時は焦ったけれど。……修正が必要だったかな?」
——カインの瞳の奥が、執着と狂気で黒く、深く深く濁った。
「……さて。次は、1,999,999,999,998回目の君に、会いに行こうか。」
カインが指を鳴らす。すると、世界が反転する。
今までの゛お話゛はまだまだ、一部にしか過ぎない。
愛してるよ、レティシア。次こそは、永遠に。
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「うぅ……なんていいお話……」
私レティシア・アヴェリス(18歳)は視界がぼやけて目頭がじんわりと熱くなった。
瞳からぽろぽろっと、 あたたかな涙があふれる。




